2002年のイギリス映画「モーヴァン」。
荒涼としたスコットランドの港町。クリスマスの朝、スーパーで働く21歳の
女性・モーヴァン(サマンサ・モートン)は、キッチンに横たわる恋人の死体を
見つける。彼のパソコンの中には、彼が書き上げた小説と遺書があった。死体
をそのままに親友のラナ(キャスリーン・マクダーモット)と1晩遊んで、再び
部屋に戻って来たモーヴァンは、「僕の小説を出版社に送ってくれ。君のため
に書いた」という彼の遺書を読み返すと、何を思ったか、著者名を自分の名前
に書き換え、出版社に送った。そして彼の預金を引き出し、ラナと一緒に休み
を取ってスペインへ旅行に行く。
スコットランドの作家アラン・ウォーナーの小説をリン・ラムジー監督が映画
化。青春映画になるのだろうか。クリスマスの朝、21歳のモーヴァンはキッ
チンに横たわる恋人の死体を見つける。どうやら手首を切って自殺したようだ
った。彼の体を愛おしそうに撫でるモーヴァン。彼のパソコンの中には彼が書
いた小説と遺書があった。そしてモーヴァンへのクリスマスプレゼントも用意
されていた。現実を受け入れられないまま、モーヴァンは同じスーパーで働く
親友のラナと合流し、バーやホームパーティーに行く。モーヴァンはラナに「
彼が出て行った」と言うが、ラナは「いつもの気まぐれでしょ。そのうち帰っ
て来るわよ」と励ます。
まず恋人の死体を見つけたモーヴァンが、警察に連絡しないことに驚く。死体
をそのままにして数日間遊び歩くのだ。帰宅して死体があったらすごく嫌だと
思うのだが。死体はどうするつもりなのかな、と思っていると、彼女はやっと
死体を処分し、血だらけの床を拭いて片付ける。警察に連絡しなかったのは現
実を受け入れられなかったからなのか、私にはわからない。物語の中でモーヴ
ァンの生い立ちとか、どんな女性なのかとかいう説明はない。観ていると余り
感情の起伏がなく、感情を表に表さないタイプだな、というのはわかってくる
のだが。
恋人の遺書にあったようにモーヴァンは彼の小説を出版社に送るが、署名を自
分の名前に書き換える。すると後日出版社から「是非お会いしたい」という手
紙が届く。モーヴァンとラナはスペイン旅行に行くが、空港の公衆電話からモ
ーヴァンは出版社に「今から休暇でスペインに行くので」と連絡をする。雪が
降っていかにも寒そうなスコットランドからスペインに舞台が移ると、一転し
て明るく暖かそうなシーンになる。スペインって冬でもあんなに暖かいのだろ
うか。とにかく太陽がまぶしいという感じ。だがどんなに騒いでも、モーヴァ
ンの気持ちは晴れることはない。
出版社の人はスペインにまで会いに来てくれ、10万ポンドの契約金を提示す
る。モーヴァンは心の中で驚き、「新人にしては破格の契約金ですよ」と言わ
れる。そして帰国すると、約束通り出版社から小切手が届いていた。予想外に
大金を手にしたモーヴァンだが、彼女はこれからどんなふうに生きていくのだ
ろう。ラストシーンの続きを観てみたいと思った。この映画、ネットのレビュ
ーを読むとあまり評判が良くないのだが、私は割とおもしろかった。「よくわ
からない」という意見もあり、確かに主人公の心情などわかりにくいシーンも
あるのだが、わかりにくいのがヨーロッパ映画のいいところだと私は思ってい
る。同じリン・ラムジー監督の映画なら「少年は残酷な弓を射る」の方がもっ
と人間関係の描写が難しいのではないかと思う。でも私は「少年は~」がとて
も好きである。
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荒涼としたスコットランドの港町。クリスマスの朝、スーパーで働く21歳の
女性・モーヴァン(サマンサ・モートン)は、キッチンに横たわる恋人の死体を
見つける。彼のパソコンの中には、彼が書き上げた小説と遺書があった。死体
をそのままに親友のラナ(キャスリーン・マクダーモット)と1晩遊んで、再び
部屋に戻って来たモーヴァンは、「僕の小説を出版社に送ってくれ。君のため
に書いた」という彼の遺書を読み返すと、何を思ったか、著者名を自分の名前
に書き換え、出版社に送った。そして彼の預金を引き出し、ラナと一緒に休み
を取ってスペインへ旅行に行く。
スコットランドの作家アラン・ウォーナーの小説をリン・ラムジー監督が映画
化。青春映画になるのだろうか。クリスマスの朝、21歳のモーヴァンはキッ
チンに横たわる恋人の死体を見つける。どうやら手首を切って自殺したようだ
った。彼の体を愛おしそうに撫でるモーヴァン。彼のパソコンの中には彼が書
いた小説と遺書があった。そしてモーヴァンへのクリスマスプレゼントも用意
されていた。現実を受け入れられないまま、モーヴァンは同じスーパーで働く
親友のラナと合流し、バーやホームパーティーに行く。モーヴァンはラナに「
彼が出て行った」と言うが、ラナは「いつもの気まぐれでしょ。そのうち帰っ
て来るわよ」と励ます。
まず恋人の死体を見つけたモーヴァンが、警察に連絡しないことに驚く。死体
をそのままにして数日間遊び歩くのだ。帰宅して死体があったらすごく嫌だと
思うのだが。死体はどうするつもりなのかな、と思っていると、彼女はやっと
死体を処分し、血だらけの床を拭いて片付ける。警察に連絡しなかったのは現
実を受け入れられなかったからなのか、私にはわからない。物語の中でモーヴ
ァンの生い立ちとか、どんな女性なのかとかいう説明はない。観ていると余り
感情の起伏がなく、感情を表に表さないタイプだな、というのはわかってくる
のだが。
恋人の遺書にあったようにモーヴァンは彼の小説を出版社に送るが、署名を自
分の名前に書き換える。すると後日出版社から「是非お会いしたい」という手
紙が届く。モーヴァンとラナはスペイン旅行に行くが、空港の公衆電話からモ
ーヴァンは出版社に「今から休暇でスペインに行くので」と連絡をする。雪が
降っていかにも寒そうなスコットランドからスペインに舞台が移ると、一転し
て明るく暖かそうなシーンになる。スペインって冬でもあんなに暖かいのだろ
うか。とにかく太陽がまぶしいという感じ。だがどんなに騒いでも、モーヴァ
ンの気持ちは晴れることはない。
出版社の人はスペインにまで会いに来てくれ、10万ポンドの契約金を提示す
る。モーヴァンは心の中で驚き、「新人にしては破格の契約金ですよ」と言わ
れる。そして帰国すると、約束通り出版社から小切手が届いていた。予想外に
大金を手にしたモーヴァンだが、彼女はこれからどんなふうに生きていくのだ
ろう。ラストシーンの続きを観てみたいと思った。この映画、ネットのレビュ
ーを読むとあまり評判が良くないのだが、私は割とおもしろかった。「よくわ
からない」という意見もあり、確かに主人公の心情などわかりにくいシーンも
あるのだが、わかりにくいのがヨーロッパ映画のいいところだと私は思ってい
る。同じリン・ラムジー監督の映画なら「少年は残酷な弓を射る」の方がもっ
と人間関係の描写が難しいのではないかと思う。でも私は「少年は~」がとて
も好きである。
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