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ちゃちゃ・ざ・わぁるど

日記と言うよりは”自分の中身”の記録です。
両親の闘病・介護顛末記、やめられないマンガのお話、創作小説などなど。

創作小説 SUNSET ORANGE CHAPTER1 PART.7

2014年05月08日 21時27分23秒 | 創作小品
「う~ん、うう~ん・・・。うん!! いいや、もう!! 今回だけ!! 伝家の宝刀抜く!!」
・・・なんのことやら。
 アタシが茫然と見ていると、みゆ希さんはスマホを取り出して向こうを向くと電話をかけ始めた。
「あ~、モシモシ? 良かった、出てくれて! 今電話いい? あのね、ユウジ来月28日に神奈川でコンサートあるでしょ?・・・え? そうだっけって・・・それくらい覚えときなさいよ!・・・でさあ、チケット、何とかなんないかなあ~・・・。招待券とか手に入んない?」
エッ? 招待券?! みゆ希さん、何てことを・・・。あ、そっか・・・、テレビ局のアナウンサーだから何かとその方面に人脈あるんだ・・・。アタシは期待半分でみゆ希さんを見守った。
「あ~、うん。わ~かってるよ~。ホントはダメなんだろうけど、そこを何とか! こっちもちょっとワケありでね・・・申し訳ないんだけど、今回だけ特別に!! 車イスの人でね、通常の座席はキツイんだよ、だから~!」
 みゆ希さんが食い下がっているところへ、店長が美佳ちゃんを抱きかかえて降りてきた。
「ほ~ら、涼香お姉ちゃんだよ。」
と言いながら。アタシは寝起きの美佳ちゃんに微笑みかけて
「こんにちは、美佳ちゃん!」
と声をかけた。美佳ちゃんは人見知りもせずニッと笑うとパパの肩におでこをくっつけた。思わず叫ぶ・・・
「や~ん、か~わ~い~い~~~~!!!」 
ハーフである店長に似たのか、天然茶髪のふわふわの髪が揺れる。も~~~、超可愛い~い!!!! いいなああ~、赤ちゃんて・・・和むわあ・・・。どんなゆるキャラも赤ちゃんには勝てっこないない!! ああ・・・やっぱり今日ここに来てよかったよ・・・。だいぶ元気がでてきたもん! てか、ああ・・・アタシってホントに単純・・・。

みゆ希さんの電話はまだ続く。
「うん・・・そう、じゃあ・・・土曜日に。時間はまた連絡するね。うん・・・うん、申し訳ないっ! 恩に着るわ。このカリは絶対返すから! も、なんでも言うこと聞いちゃうから。え? あー、それはナシ、それはダメ、それ以外の方向で。あっはっは!! ハイハイ、よろしくね。・・・ああ、うん、はい、・・・あはは、そだね、あたしも愛してるよ~!」
え・・・?! みゆ希さん? そばにご主人さんいるんですけど~~!? て、みゆ希さんてば店長をチラ見して
「世界で2番目・・・3番目4番目5番目・・・・19番目くらいに!!・・・あはは、冗談だって! じゃね。ホントにありがとうね!! 一生恩に着るよ!」
と、締めくくった。そしてアタシに向き直ってピースサイン。
「よっしゃあ!! 喜べリョウちゃん、ユウジのコンサートチケット、なんとかなりそうだよ!! もち車イスでOK! 専用のブース席、なんとかしてくれるみたい、まだ決定じゃないけどね!」
「ホントですかあ?!」
アタシは思わず席を立つ! 普通でも嬉しいのに、場合が場合なだけに余計嬉しいよ! あ、美佳ちゃんちょっとびっくりしてる・・・。
「あは・・・美佳ちゃん、ごめんごめん! みゆ希さん、ありがとう!」
「イヤイヤイヤ、何の何の。・・・て、タブン、だよ、まだ。でも期待していいと思う!」
「大丈夫なのか? ホントはいけないんだろ?」
店長が尋ねると、みゆ希さんはさすがにちょっと困り顔で首をかしげた。
「ま、ね・・・。確かにホントはダメなんだけどね・・・だけど今回だけってゴリ押ししちゃった。だからリョウちゃん、ゼッタイ誰にも内緒で今回限りだよ。」
と、みゆ希さんは人差し指を唇に立てる。
「はい!! もちろん誰にも言いません!」
アタシは嬉しさ満面でうなずきまくった。ああ、言いたくなりそう・・・でも我慢!
「次、いつここ来る?」
「あ、えっと・・・日曜日です・・よね、店長。」
「ああ、昼から入ってくれることになってたっけ。」
「じゃあちょうどいいや、その時渡せると思うから・・・あたしはいないかもだけど、それならカズに預けとくからもらってね。それで総くんと仲直りしておいで。余計なお世話かもしんないけど、カレシの立ち直りののきっかけくらいは作ったげてもいいっしょ?」
「ハイ!! ホントにありがとうございます。て、カレシじゃないですってば!!・・・でも、マジでいいんですか? なんか・・・悪いですね・・・。」
「ああ、もういいのいいの! まあ・・・アイツにカリ作んの正直ちょっと癪だけどいいわ、リョウちゃんのためだもんね。」
「アイツって・・・どなたに電話してたんですか? 知り合いのイベンターとか・・・まさかチケットの転売するナントカ屋さんじゃないですよね・・・?」
「あー、うん。本人だし。」
「・・・本人?」
「ふん。だから・・・ユウジ本人。ダチなんだよね~、実は。・・・ナイショだけど。」
「・・・へ?」
えええええええ――――――――――――――――??!!!!

思えば――みゆ希さんて局アナだもんね・・・。いくらユウジがテレビにはめったに出ないって言っても、それでもアタシたちパンピーよりは出会う機会は大幅アップだよね。でも、それにしても友達だなんて・・・。今までどうして教えてくれなかったの?!・・・なんて、文句言うわけにはいかないよね。仕事柄多くの有名人と近しいだろうけど、公私混同はできないもん。だから今回は本当に特別扱い中の特別扱い、特例中の特例だ。アタシはつくづく神様に感謝しました。なんてラッキー、ホントに今日ここへ来てよかった。神様ありがとう~!!
日曜日、みゆ希さんは約束通り店長に封筒を預けてくれていた。アタシはそれを三拝九拝して受け取って・・・逸る心を見透かされて早めにバイトを切り上げさせてもらって(正確には切り上げさせられて)取るものも取りあえず総くんの病室へ向かった。
あれから行ってないけれど、もう怒ってないことを期待しつつ・・・でも、怒ってたらこれでお許し願おうと祈る思いで、アタシはドアをノックしてからスライドドアを恐る恐る開き、中をそっと覗いた。
「こ・・・こんにちは・・・。」
「・・・ああ・・・。」
いつもながらの素っ気なさだけど・・・ダイジョブ・・・かな・・・。
「総・・・くん?」
と、アタシは中に滑り込んでまず頭を下げた。
「こないだはごめんなさい! アタシ、余計なこと言って余計なことして! ホントに申し訳なかったです。ごめんなさい!」
「あ・・・いや・・・。」
総くんはちょっと体を起こして
「オレも・・・ゴメン。ついカッとなって・・・悪かった。あのあと母さんに超怒られてさ・・・。」
「え・・・?」
アタシは顔をあげて首をかしげた。総くんは少しバツが悪そうで・・・且つちょっと照れている。
「いや、その・・・涼香がしょんぼりして出ていくの見たらしくて、それからここへ入ったら楽譜が散らばってんじゃん? で、何があったってスッゲー怖い顔で詰め寄るから状況話したら・・・オニ叱られた。『状況はどうあれ心配してくれる女の子を怒鳴る男はサイテーだ』って・・・。」
「お・・・おばさん・・・。」
普段ニコニコ顔が優しいあのおばさんが激怒だなんてちょっと信じられない。


・・・TO BE CONTINUED.
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見つからないすも・・・

2014年05月08日 18時46分14秒 | ジャンガリアン
行方不明のすもは見つかりません・・・・

イタチもいればドブネズミもいる。
ネコもいる。

うちの中にいればまだ見込みもありますが・・・・
・・・・・夜、そっと部屋の中にエサを置いていますが
食べられていません。
お外に出ていたらもはや打つ手なしです。

あああ・・・・・・・・・


今まで行方不明になったヘケはいろいろいましたが(いるのかよ!)
最長16時間で見つかりました・・・ただ一匹をのぞいて。
その一匹がいなくなったのも今のこの家です。
その時抜け出たであろう小さな穴はふさいだんですが
何しろ手のひらサイズのハムスターですから・・・・・


夜はまだまだ結構寒いし・・・




おそらく、「合掌」・・・・です。

しくしく・・・・。
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すもが行方不明すもっ!!!!!!!!!!!!!!

2014年05月05日 20時58分16秒 | ジャンガリアン

うちのジャンハム「すも」がケージから脱走、
行方不明になってしまった・・・・・・!!!!


この、ケージ横の穴・・・・エサやりの時に開けてやるんですが
そこがちゃんと閉まっておらず、気がついたら
いつのまにやらいなくなってました・・・ぐっすん・・・・。

スキマだらけの家中掃除しながら片付けながら
数時間にわたって3人がかりの捜索隊を出しましたが
未だ発見できず・・・・・・・・
何せ古い日本家屋であちこちスキマだらけで、
ネズミの一匹や二匹いくらでもすり抜けられそうで・・・・

すもーーーーーーーーーーっ!!!!




・・・・・・・そこいらじゅうひっくり返して這いつくばって探したのですが
泰山鳴動してネズミ一匹・・・・見つけられず




すも~~~~~!!!  帰って来いよお~~~~~~!!

待ってるよ~~~~~・・・・

・・・・しくしく・・・・・。
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創作小説 SUNSET ORANGE CHAPTER1 PART.6

2014年05月05日 20時05分45秒 | 創作小品
「やらなきゃならないのは誰だ? 彼自身だよな。なのにこうすればいいのにって思ったのは涼香だ。それってなんかおかしくない?」
「そう・・・ですよね・・・。」
そう言われるとその通りだ。総くんのため、なんて言ってるけど、本当はアタシが総くんにそうして欲しいと望んでいるだけなんじゃ・・・。
「今聞いた話じゃ、彼、前に転んだ時も起きるのに結構時間かかったみたいだな。理由は違うし人は変わるものだから前と同じとは限らないけど、今度も立ち直るのにはもっともっと時間が必要なんじゃないのかな。涼香にしては急いだんじゃね? もっと見守ってやるべきなんじゃないの?・・・て、気はするな。」
「・・・・・・。」
 と、アタシがしょんぼり視線を落とすと、みゆ希さんはジト目で店長を見て言った。
「わー、カズがリョウちゃん泣かした~!!」
カズというのは店長のこと。言い忘れてたけど店長の名前は井上和行さん。で、みゆ希さんはアタシのことをずっとリョウちゃんと呼んでます。
「人聞きの悪いこと言うなよ。俺が女の子を泣かせるわけないでしょ?」
「あれえ・・・あたしはずいぶん泣いた気がするけどお~?!」
「あ・・・イヤ・・・すみません・・・。」
 店長はツッコミ返されて即座に素直にみゆ希さんにアタマを下げた・・・。そう、思い当たることがあるんだよね、店長は。結婚する前、ずっとみゆ希さんを待たせて音信不通で泣かしてたんだもん。て、その話はまあ置いといて。
「みゆ希さんもそう思います?」
「あー、まあ・・・そだね、カズの言う通りかもね。やっぱり立ち直るには時間がかかるし、手を出したい気持ちはわかるし、手を出さないで見守るのは辛いことも多いんだけど、必要な時もあるんだよ。この頃美佳もちょっと伝い歩き始めてんだけどさあ、やっぱりまだよく転ぶのよ。で、転んだらつい起こしてやりたくなるんだけどさ、ぐっと我慢して自力で立つの待つんだ。ホント、忍耐いるよ~。オトナだって一緒なんだよね。ホント、自力で立ってくれるの待つのは大変だよ~、絶対手を出しちゃいけないとまでは思わないけど、手を貸すタイミングってのもあるんだよね~。」
と、みゆ希さんはまた店長をジトっと横目で見た――ニヤリとしながら。店長は以前いろいろ辛いことを抱えてた時期があって、その時みゆ希さんはじっと見守ってあげてたんだよね。だからアタシは勝てないなって思ったんだけど・・・。
「そういう昔の話は置いとけよ、何で俺がダシにされんの? お前って結構根に持つよな~。」
「えっへっへ。一生言ってやる。」
うう・・・みゆ希さんって・・・。アタシは思わずおかしくなってちょっと笑ってしまった。

「まー、でもさ、確かにリョウちゃんにしては急いだね、気持ちはわかるけど。好きな男の子なら尚更早く元気になって欲しいよね~。」
「ちょ・・・! みゆ希さん、ナニ言ってるんですか!! あ・・・アタシは別に総くんのこと・・・そんな・・・友達だから心配なだけです!」
アタシは思わず大声で弁解してしまった。だって、だってホントに・・・ホントに・・・あれ? イヤイヤイヤ!!ホントに友達として心配なだけだってば!
「はいはい、そういうことにしとくよ。でも心配な気持ちはホンモノでしょ。わかるわ~、あたしも同じだったもんね~。」
「だからいつまでも当てこするのやめてくんない?」
「いいじゃん、それくらい思ってましたって言ってあげてるんだよ~。」
「みゆ希さん・・・さりげにのろけるのやめてください・・・。」
「あっはっは・・・!!」
うう・・・この点でもアタシは負けたんです・・・。ていうか、こんなキッパリしててあけっぴろげで強烈な人に勝てるわけないよ~。しくしく・・・。
 「まあ・・・それはそれとして。話戻すけど、涼香一人が悪かったわけじゃないよ。彼もちょっと良くないよな。ていうか、涼香に痛いところ突かれたからそんなに怒ったんじゃないのか。」
「痛いところ?」
「夢って持つのも捨てるのも結局本人の気持ちの問題だろ? 誰が何と言おうと、持ち続けたければ持ってたらいいし、捨てたければ捨てればいい。自分が納得できればそれでいいもんだよな。つまり、どっちに転んでも自分の責任てこと。だのに彼は『諦めさせられた』って言ったんだよな。それって、人のせいにしてないか?」
「でも、諦めざるを得なかったんじゃないんでしょうか・・・。」
「でも、諦めると決めたのは自分でしょ。だのにそんな言い方して人のせいにしてる。そして多少はその自覚があるんじゃないのかな。だから涼香に『諦めることなんてない』って言われて、そこを指摘された気になったんだと思うよ。言われたくなかったんだよ、きっと。諦めた自分をどこかで後悔しているから。・・・そんな気がするけどな、俺は。」
「・・・アタシはどうしたらいいんでしょうか・・・。」
「まあ、まず謝ることだな。そっから先は一緒に考えてやれば?」
「許してくれるかな・・・。」
「さあね。俺は彼を知らないから何とも言えない。けど、涼香が信じたいなら信じればいいんじゃないの?」
「・・・・・・。」
 と、その時向こうの方から赤ちゃんの泣き声がかすかに聞こえた。アタシたちは思わず天井を見上げる。
「起きちゃったみたいだね~。」
とみゆ希さん。でも、店長が制してまだ長い煙草を携帯灰皿につっこみながら
「あー、俺が見に行くよ。お前は涼香に新しいコーヒー淹れてやって、できてっから。・・・そろそろオムツ替え時だな・・・。」
と言いながら住居の方へ行ってしまった。
「店長、いいパパしてますね。」
アタシはなんだかほっとしてみゆ希さんにちょっと笑って言った。
「あっはっは、そ~だね~。お風呂も入れてくれてるよ~。離乳食なんかカズが作った方が上手だし~。」
「さすが! イマドキのイクメンですね。」
「最先端だよ! おかげであたしはもう育休おしまい。もちろんまだ完全復帰まではしてないけどね。」
言いながらみゆ希さんはコーヒーを注いでくれた。
 「ところでさ、リョウちゃん・・・その総くんもユウジのファンだって言ってたよねぇ・・・。」
「あ・・・ハイ。」
「どうなんだろ・・・気晴らしにユウジのコンサート行くとか・・・ないの?」
「ああ・・・そうなんですけどね・・・。ホントは来月の28日に神奈川県民ホールでコンサートがあるんですけど・・・行こうかって言ってたんですけど前売り出る直前に事故っちゃって・・・バタバタしてたら日がたっちゃって・・・。」
「そっか・・・もう間に合わないっか・・・。」
「多分・・・いつも一週間もすれば完売だから・・・。」
「ねえ、もしチケットあったら、彼、行くかな?」
「多分・・・行くと思います。元気なくして落ち込んではいるけど、ユウジの歌だけは熱心に聴いてますから。車イスだけど外出はそろそろしていいらしいし・・・。でも無理でしょ、今からチケットとるの。それに車イスじゃ普通の席はちょっと・・・。」
「う~~~~~~ん・・・・・。そーだねー・・・。どーしよーかなー・・・。ダメなんだけどな~~~~、ホント―は。でも事情が事情だしな~。・・・イヤ、やっぱまずいよな~。でも・・・う~~~~ん・・・。」
何故かみゆ希さんは頭を抱えて煩悶し始めた。
「あの・・・どうしたんですか? みゆ希さん・・・。」
「ううう~~~~~~~~~~~~んんん、超悩み中。懊悩なう。」
「・・・・・あの・・・・・。」


・・・TO BE CONTINUED.
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