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ちゃちゃ・ざ・わぁるど

日記と言うよりは”自分の中身”の記録です。
両親の闘病・介護顛末記、やめられないマンガのお話、創作小説などなど。

少年ジャンプな日々~封神演義(ほうしんえんぎ)

2010年10月27日 07時18分44秒 | コミック・アニメ
本題に入る前に。

中国三大奇書というものをご存知でしょうか?
歴史上の中国の物語・三大奇書のうち・・・二つは日本でも有名で、
それは孫悟空の『西遊記』と、『三国志演義』・・・

それに「水滸伝」を加えて中国四大奇書とも申しますが・・・。

いかんせん最後の一つはこの三作品に比べれば、知る人ぞ知るレベル
つか、知っている人はあんまりいない・・・。

それは『封神演義(ほうしんえんぎ)』です。

古代中国の、殷王朝が滅び周王朝に取って代わる時の物語。
主人公は実在した歴史上の大人物・太公望です。

もちろん演義=物語ですので、大半はフィクションです。
原作者は中国は宋の時代の人となっておりますが、もともと伝承文学、
原作と言うよりは編集者と言ったほうが正しいでしょう。
何百年もの間に口伝されていくうちにどんどん話が変わり、どんどん登場人物が増え
虚実がめちゃめちゃに織り込まれて荒唐無稽な話になっていっており、
矛盾やでたらめだらけではありますが、単純に言って面白いことは確かです。
時代が時代なので、神獣も出てくるし仙界の争いと人間界の争いが入り乱れ、
宝貝(パオペエ)と呼ばれる超能力を発揮する架空の道具も使われるわ
不思議な薬やとんでもない異形の超人はでてくるわ、
これはもうファンタジーワールドに他なりません。
どっちかというとRPG(ロールプレイングゲーム)の世界です。

イヤイヤイヤ、内容の面白さからホンマにゲームになっていますとも。
中国や日本の歴史書の発行が中心の大手出版社であり、
近年はゲーム市場にも進出して有名な「信長の野望」シリーズを発売した
KOEI(光栄)さんからプレイステーション版のシュミレーションRPGが出てます、
その続編もPS2で出ていて
ワタシどちらもやりましたすんごく面白かったですはまりましたホンマ・・・。


ゲームはともかく、何しろ中国三(四)大奇書ですから、関連書物もたくさん出ています。
一時ちょっとはやりもしましたし、その影には光栄さんがいたと思いますが、
その光栄さんから物語の訳本はもちろんのこと(分厚い文庫版で全7巻)
研究書や解説本、はてはキャラ本(登場人物の解説書)のようなものまでいっぱい出ています。

のめりこみやすいワタシはそれを片っ端から買って読みました。
元々古代中国史が大好きで、それでうちの旦那が「こういうもん見つけたけど」
と言って買って来てくれたのがそのプレステ版のゲームでした。
・・・そっからはまり、そして最後にたどり着いたのが・・・


週刊少年ジャンプ掲載の漫画・フジリューこと藤崎竜先生作「封神演義」でした。
本誌掲載は1996年から2000年までですので、終了してもう十年ですね。

一応種本というか、基にした「封神演義」の原作本があるのですが、
それは光栄さんの文庫版ではなく、講談社から出ている安能務さんと言う方の訳本です。
光栄さんいわく、こちらの訳本には間違いも多いと言うことでしたが
その話はさておき、フジリュー先生解釈の「封神演義」を紹介します。

フジリュー先生といえば、それまでの作品は(自称)SFものだったそうです。
しかるに封神演義は歴史物語ではあるはずなんだけど、
読めば読むほどこりゃ異世界のSFですわね。ていうか、ファンタジーですな。
フジリュー先生フィルターを通して、さらにそれに磨きがかかり
もはやオリジナル作品と言っても良いかと思います。
何しろ時代考証なんて全然カンケーないもの!!!

もともと原作からして荒唐無稽なんだから、時代考証なんぞいりませんけど。

フジリュー流解釈に加えて展開もどんどん原作を離れ、
演出にいたっては完全にフジリューワールド。
これはフジリュー先生によるキャラクターシステムを取り入れた別作品です。
先生いわく「原作どおりに描いてもいいの?」
担当氏答えていわく「ダメ!」

テレビ東京系でスタジオディーンによるアニメ化もされました。
1999年7月から12月まで。土曜日朝7時からやってましたね~。
なお、アニメ版では「仙界伝 封神演義」というタイトルで、
そこからのゲームも、上記のコーエーさんのゲームと区別するため同名で発売されています。
(ちなみにこちらのゲームはワタシ的にはもひとつでした・・・個人の感想ですよ。
 ・・・つか、それもやったのかよ!!・・というツッコミあり??)
フジリュー先生の原作を更にキャラクターシステムで再構成していますので、
もともとの原作からはかなり離れてしまっておりますが、これはこれでまたよきかな、と。




ご覧のとおり、「どこが中国古代物語やねん、時代考証どないなってんねん?!」
というような絵でしょ?
アニメの第1話の冒頭でも、登場キャラが視聴者に向かって
「え? 時代考証に無理がある? それはそこ、架空の物語ですから」
などと突っ込まれる前の言い訳(?)をしています・・・。

ちなみに、太公望の乗っているのは四不象(スープーシャン)という名の竜系の霊獣で、
決してカバではありません・・・カバだけど。
カバに見えますけど違うのです・・・カバと呼ばれますけど。
ましてやムー○ンでもありません・・・そっくりですけど。
スープー谷の出身でスープーパパ、スープーママもいますけど・・・。



話の大筋は、非道の限りを尽くしている妲己・紂王の治める殷を滅ぼし、
新しい国・・・周を建国するために、太公望が軍師となって革命を起こす、
これは史実でもある殷周革命をベースにした物語なのですが、
封神演義では、妲己は実は妖怪で、紂王をたぶらかしているという設定になっており
その部下の妖怪たちと道士や仙人が戦い、互いに”封神”しあいながら物語がすすみます。

封神とは・・・妖怪あるいは道士・仙人といった特殊な能力を持つものが倒されると
その魂は封神台というところに封印されます。これを封神と呼ぶわけです。
妖怪とともに人間界にあふれすぎた道士・仙人を封神榜(ほうしんぼう)というリストに基づいて
封神台に閉じ込め、人間界と仙界の間にもうひとつ神界をつくって
それぞれを”整理”するのも目的にしている、それを封神計画と呼びます。
仙界のトップ元始天尊(げんしてんそん)はこの封神計画を人間界の殷周革命にあわせて発動することにし、
その実行者のまとめ役として太公望を選んだ、ということです。

これは元々の原作でのお話で、フジリュー先生は更に物語を再構築して
人間に味方する崑崙山(こんろんさん)と、妖怪仙人を中心とする金鰲島(きんごうとう)の争い、
更にもっとはじめ、地球に初めて人類が誕生したいきさつまで含めて
壮大なスケールで物語を描いています。

中国の神話にも出てくる中国の神様、
伏儀(ふくぎ・当作品内ではふっぎ)と女媧(じょか)が宇宙から来たとか、
妲己は実はもっと古代より生きていて、
次々に新しい体を得て転生を繰り返していた仙女だったとか・・・
そして肝心の主人公・太公望の正体(?)も実はかなりとんでもないものだったとか・・・
いろんな設定が最後に明らかになって、中国神話を知るものにはかなり楽しい結末になっています。
イヤ、よく勉強なさってますわ~、と感心・・・(あ、えらそう??)

ちなみに、本家・中国では封神演義は一般的に「封神榜」と呼ばれ
ちょいちょい映画化やドラマ化がされています。
ちゃちゃめごひいき香港スターの鄭少秋さんももちろんやってはります~。
(主題歌を歌ってるのは確かなんですが、主役だったのかどうかは不明・・)

とにかく、いつも言いますが・・・これも面白いです。
ぜひ試しに、ご覧あれ・・・

こちらは最終巻

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