FIFAクラブワールドカップジャパン2006 決勝
2006/12/17 19:20キックオフ
横浜国際総合競技場
SCインテルナシオナル(南米・ブラジル)1-0FCバルセロナ(欧州・スペイン)
【入場者数】67,128人【主審】カルロス・バトレス(グアテマラ)
【得点】82分(インテルナシオナル)アドリアーノ
SH:10 -17 CK: 2 - 11 被ファウル:15 - 25 オフサイド奪取:1 - 5
【警告】(インテルナシオナル)45分+インジオ、84分アドリアーノ、93分+イアルレイ
(バルセロナ)55分モッタ
私自らチケットを手に入れたわけではないのだが、
友人から誘われて今回のクラブW杯を
5決・3決・そして決勝と見ることができた。
とりあえず決勝の観戦記から記します。
横浜国際は67,000人もの大入りで
メインスタンド1階の最前列の一部を除けば
遠方から一目でわかるだけの空席が見当たらなかった。
私は友人とカテゴリー3
(といっても北側ゴール裏のバックスタンド寄り)で観戦。
招待券ではなく、定価15,000円を払った。
W杯以外でここまで高価を出したことはもちろんない。
この日は3決(アル・アハリ対クラブ・アメリカ)・決勝と
2試合行われたが、明らかにサポーターが一番多かったのは
インテルナシオナル(以下、文中ではインテルと略)。
メインスタンドに3箇所、そして私がいた席の近く
に1箇所、の計4箇所に固まって応援していた。
インテルの所在地・ポルト・アレグレはリオやサンパウロほどの
大都市ではないが、それでも一見して合計400人以上のサポーター。
ただ、バルセロナサポーターもいたようで
(逆サイドからではよくわからなかったが)
選手入場時にはクラブ旗とガラナ/アスルのタスキを広げたりしていた。
私から見えた、インテルナシオナルのスタメンの布陣は以下の通り。
上がGK、下がFW。
1クレメル
2セアラー 3インジオ 4エレル※ 15ルベンス・カルドゾ
8エジーニョ
5ウェリントン 7アレックス
9フェルナンドン(C)
10イアルレイ 11アレシャンドレ
※ファビアーノ・エレル
選手交代は
45分:7アレックス→17バルガス
61分:11アレシャンドレ→18ルイス・アドリアーノ
76分:9フェルナンドン→16アドリアーノ
GKクレメルを見るのは実は2回目。
彼の名前を聞いた時点で記憶が蘇った。
前回見たのは98年3月にマラカナンでのフラメンゴ対ボタフォゴで、
当時彼はフラメンゴ(ロマーリオもいた)のGKだったのである。
あと、SUBには、元ガンバ・清水の守備的MFファビーニョ(背番号14)がいた。
今大会に登録された元Jリーガーはほんとに少なく、
あとは全北現代の右SBイム・ユファン(背番号16)、そしてテルくらいか。
私から見えた、バルセロナのスタメンの布陣は以下の通り。
上がGK、下がFW。
1ビクトル・バルデス
11ザンブロッタ 4マルケス 12ジオ 5プジョル
3モッタ
24イニエスタ 20デコ
8ジュリ 7グジョンセン 10ロナウジーニョ
選手交代は
45分:11ザンブロッタ→2ベレッチ
59分:3モッタ→6シャビ(ジャビがトップ下、イニエスタが下がり目に)
88分:7グジョンセン→18エスケーロ
この試合では、インテルが本来のスタイル通りのサッカーをやり抜いて
勝利をつかんだように思う。バルセロナは不調もあるのだろうが
運動量が少なく、かつ個人技でも相手を振り切るには至らなかった。
インテルの形は、自陣深くでボールを奪ったら素早く両SBのどちらかに
ボールを出してそのSBが相手のスペースを突き進んでゴール前へボールを
供給する、というもの。
バルセロナの布陣・4-1-2-3は守備面で
サイドのスペースが大きく空く、というデメリットがあるが、
そのサイドのスペースをインテルが有効に使った。
ちなみに甲府も同じ布陣。最も危険な選手を左FWに置いているのも同じ。
甲府は運動量でこのスペースをケアするどころか前から押し込んでしまうが、
この試合のバルセロナにはその運動量があまりにもなかった。
試合前の選手紹介で最もフラッシュが炊かれたのが
ロナウジーニョとデコ。
デコは強烈なミドルシュートを少なくとも2本放つがあとは・・・。
ロナウジーニョはゴール前からの直接FKで2回注目を浴びるもいずれも枠外。
それ以外は相手の徹底的なマーク(あくまで1対1である)の前に沈黙。
しかも彼がボールをもっても彼の周囲を動く選手がいなかったのは痛い。
どんなスーパースターでも完璧ではないし、
「1対1に勝つ」「(チームとして)走り勝つ」という原則を守れなければ
どんなスーパーチームにも勝利は保証されていない、
ということがこの試合で証明された格好だ。
ロナウジーニョも実はポルト・アレグレの出身である。
欧州に渡る前はインテルのライバルチームのグレミオにいたのである。
(ユース年代では、グレミオの一員としてSBSカップにも出場した)
もとよりインテルの個々の選手の能力も高いのだろうけど、
彼らのロナウジーニョへの意識も相当に強かったであるうことも
ロナウジーニョ封じ込めの成功の一因ではないかと思う。
バルセロナも後半修正して、SBの片方を入れ替えて、かつ2番と12番の
位置を大きく上げてマルケスとプジョルの2バック気味にして、
単騎でのタテに速い攻撃からチャンスはつくったが、
「ボール支配はバルセロナだがゲーム支配はインテル」という流れは
大きく変わらず。
インテルは後半に入ると中央からもカウンターのチャンスをつくりかけるが
プジョルが壁となってその前に立ちふさがった。
決勝点はインテルのカウンターから。
ハーフウェイ付近での2対2(だったかな)からそのまま
インテルがボールを持ち込んで、最後はアドリアーノがGKとの1対1を決める。
ゴールの直後、スコアラーめがけてインテルのSUBの選手が揃って
ピッチ内へ駆け込んできたのには驚いた。
そして残り数分となった時の時間稼ぎも見事だった。
インテルナシオナルは初の世界王者。バルセロナはまたも世界王者になれず。
インテルはこれでもリベルタドーレス杯(大陸解放者(!)杯=南米王者決定戦)から
欧州移籍で戦力がダウンしたとのことだが、それでもこれだけのことができるのはお見事の1つ。
ブラジルの奥深さを改めて知ったよ。
あと、新大会形式に移行してからブラジル勢が連覇。
日本開催で、かつブラジルのチームが南米王者として出てくる限りは
ブラジルのチームが有利だなと思った。
サポーターの数・熱さが格段に違うから。
そりゃま、バルサファンは単純に数だけ考えれば多かったけど
(グッズを身に着けている人の数は万をくだらなかっただろう)
根っからの熱狂的な人ってそんなにいないだろうし、静かだしねえ。
欧州王者としてイングランドあたりのチームが自国から大量にサポーターを連れてくることが
あれば、横浜国際の雰囲気も大きく変わるかもしれないけどね。
もちろん、日本のチームがこの舞台に出てくれば、それだけでも大きく変わるだろうけど、
私としては来年Jから出場する2チームにはいずれもACL王者にはなってほしくない(爆)。
2006/12/17 19:20キックオフ
横浜国際総合競技場
SCインテルナシオナル(南米・ブラジル)1-0FCバルセロナ(欧州・スペイン)
【入場者数】67,128人【主審】カルロス・バトレス(グアテマラ)
【得点】82分(インテルナシオナル)アドリアーノ
SH:10 -17 CK: 2 - 11 被ファウル:15 - 25 オフサイド奪取:1 - 5
【警告】(インテルナシオナル)45分+インジオ、84分アドリアーノ、93分+イアルレイ
(バルセロナ)55分モッタ
私自らチケットを手に入れたわけではないのだが、
友人から誘われて今回のクラブW杯を
5決・3決・そして決勝と見ることができた。
とりあえず決勝の観戦記から記します。
横浜国際は67,000人もの大入りで
メインスタンド1階の最前列の一部を除けば
遠方から一目でわかるだけの空席が見当たらなかった。
私は友人とカテゴリー3
(といっても北側ゴール裏のバックスタンド寄り)で観戦。
招待券ではなく、定価15,000円を払った。
W杯以外でここまで高価を出したことはもちろんない。
この日は3決(アル・アハリ対クラブ・アメリカ)・決勝と
2試合行われたが、明らかにサポーターが一番多かったのは
インテルナシオナル(以下、文中ではインテルと略)。
メインスタンドに3箇所、そして私がいた席の近く
に1箇所、の計4箇所に固まって応援していた。
インテルの所在地・ポルト・アレグレはリオやサンパウロほどの
大都市ではないが、それでも一見して合計400人以上のサポーター。
ただ、バルセロナサポーターもいたようで
(逆サイドからではよくわからなかったが)
選手入場時にはクラブ旗とガラナ/アスルのタスキを広げたりしていた。
私から見えた、インテルナシオナルのスタメンの布陣は以下の通り。
上がGK、下がFW。
1クレメル
2セアラー 3インジオ 4エレル※ 15ルベンス・カルドゾ
8エジーニョ
5ウェリントン 7アレックス
9フェルナンドン(C)
10イアルレイ 11アレシャンドレ
※ファビアーノ・エレル
選手交代は
45分:7アレックス→17バルガス
61分:11アレシャンドレ→18ルイス・アドリアーノ
76分:9フェルナンドン→16アドリアーノ
GKクレメルを見るのは実は2回目。
彼の名前を聞いた時点で記憶が蘇った。
前回見たのは98年3月にマラカナンでのフラメンゴ対ボタフォゴで、
当時彼はフラメンゴ(ロマーリオもいた)のGKだったのである。
あと、SUBには、元ガンバ・清水の守備的MFファビーニョ(背番号14)がいた。
今大会に登録された元Jリーガーはほんとに少なく、
あとは全北現代の右SBイム・ユファン(背番号16)、そしてテルくらいか。
私から見えた、バルセロナのスタメンの布陣は以下の通り。
上がGK、下がFW。
1ビクトル・バルデス
11ザンブロッタ 4マルケス 12ジオ 5プジョル
3モッタ
24イニエスタ 20デコ
8ジュリ 7グジョンセン 10ロナウジーニョ
選手交代は
45分:11ザンブロッタ→2ベレッチ
59分:3モッタ→6シャビ(ジャビがトップ下、イニエスタが下がり目に)
88分:7グジョンセン→18エスケーロ
この試合では、インテルが本来のスタイル通りのサッカーをやり抜いて
勝利をつかんだように思う。バルセロナは不調もあるのだろうが
運動量が少なく、かつ個人技でも相手を振り切るには至らなかった。
インテルの形は、自陣深くでボールを奪ったら素早く両SBのどちらかに
ボールを出してそのSBが相手のスペースを突き進んでゴール前へボールを
供給する、というもの。
バルセロナの布陣・4-1-2-3は守備面で
サイドのスペースが大きく空く、というデメリットがあるが、
そのサイドのスペースをインテルが有効に使った。
ちなみに甲府も同じ布陣。最も危険な選手を左FWに置いているのも同じ。
甲府は運動量でこのスペースをケアするどころか前から押し込んでしまうが、
この試合のバルセロナにはその運動量があまりにもなかった。
試合前の選手紹介で最もフラッシュが炊かれたのが
ロナウジーニョとデコ。
デコは強烈なミドルシュートを少なくとも2本放つがあとは・・・。
ロナウジーニョはゴール前からの直接FKで2回注目を浴びるもいずれも枠外。
それ以外は相手の徹底的なマーク(あくまで1対1である)の前に沈黙。
しかも彼がボールをもっても彼の周囲を動く選手がいなかったのは痛い。
どんなスーパースターでも完璧ではないし、
「1対1に勝つ」「(チームとして)走り勝つ」という原則を守れなければ
どんなスーパーチームにも勝利は保証されていない、
ということがこの試合で証明された格好だ。
ロナウジーニョも実はポルト・アレグレの出身である。
欧州に渡る前はインテルのライバルチームのグレミオにいたのである。
(ユース年代では、グレミオの一員としてSBSカップにも出場した)
もとよりインテルの個々の選手の能力も高いのだろうけど、
彼らのロナウジーニョへの意識も相当に強かったであるうことも
ロナウジーニョ封じ込めの成功の一因ではないかと思う。
バルセロナも後半修正して、SBの片方を入れ替えて、かつ2番と12番の
位置を大きく上げてマルケスとプジョルの2バック気味にして、
単騎でのタテに速い攻撃からチャンスはつくったが、
「ボール支配はバルセロナだがゲーム支配はインテル」という流れは
大きく変わらず。
インテルは後半に入ると中央からもカウンターのチャンスをつくりかけるが
プジョルが壁となってその前に立ちふさがった。
決勝点はインテルのカウンターから。
ハーフウェイ付近での2対2(だったかな)からそのまま
インテルがボールを持ち込んで、最後はアドリアーノがGKとの1対1を決める。
ゴールの直後、スコアラーめがけてインテルのSUBの選手が揃って
ピッチ内へ駆け込んできたのには驚いた。
そして残り数分となった時の時間稼ぎも見事だった。
インテルナシオナルは初の世界王者。バルセロナはまたも世界王者になれず。
インテルはこれでもリベルタドーレス杯(大陸解放者(!)杯=南米王者決定戦)から
欧州移籍で戦力がダウンしたとのことだが、それでもこれだけのことができるのはお見事の1つ。
ブラジルの奥深さを改めて知ったよ。
あと、新大会形式に移行してからブラジル勢が連覇。
日本開催で、かつブラジルのチームが南米王者として出てくる限りは
ブラジルのチームが有利だなと思った。
サポーターの数・熱さが格段に違うから。
そりゃま、バルサファンは単純に数だけ考えれば多かったけど
(グッズを身に着けている人の数は万をくだらなかっただろう)
根っからの熱狂的な人ってそんなにいないだろうし、静かだしねえ。
欧州王者としてイングランドあたりのチームが自国から大量にサポーターを連れてくることが
あれば、横浜国際の雰囲気も大きく変わるかもしれないけどね。
もちろん、日本のチームがこの舞台に出てくれば、それだけでも大きく変わるだろうけど、
私としては来年Jから出場する2チームにはいずれもACL王者にはなってほしくない(爆)。
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