新型コロナ・オミクロン株の感染拡大が止まらない。
TVでいろいろな医師らがコメントを述べるが、それぞれ云うことが違う。
何が本当なのか見極めがつかない。コロナ初期の頃は「勝負の二週間だ」とか、ここが自粛の肝心な期間だとか云われれば素直に聞けた。
しかし、こんなにも感染が長引くと医師や担当大臣が熱心に語りかけても心に響かない。だから専門家の云うことも話し半分程度に聞いてていいんじゃないか。
そんな折り、今日(2月22日)の朝刊に、やっぱりねぇと思う記事を見つけた。
毎日新聞・大治朋子記者の「火論」である。(文末に記事を引用・掲載した)
この記事によると、
NPO法人医療ガバナンス研究所の研究員でもある尾崎章彦医師(37才)が
コロナ報道をめぐってメディアに登場した医師や教授らの露出度を調査した
ところ、政府・分科会の主張を支持する傾向が強い専門家ほどメディアで
の露出度が高い傾向が見られたという。
それだけではない。
彼らの中には製薬会社から講演料として多額の謝金を受け取り、
その企業が扱う新薬についてメデイアで肯定的なコメントをするケースも
目についたという。
製薬会社と医師・専門家の関係を裏付けるため尾崎氏らは製薬会社が
公表している情報を基にデータベースを構築し、無料公開している。
記事で紹介されたサイトがこれである。(リンクを張ってある)
たとえば製薬会社名をファイザーと入力して検索すると、2016年から2018年
までの3か年ごとに原稿執筆料など項目ごとに支出総額が示される。
しかも誰にどれだけ支払ったか上位20人の医師名がリストアップされる。
これはもっと世に知られてもいい情報源である。
一方、つぎの「FACT online」は調査報道を標榜するサイトであるが、
尾崎医師らが執筆している下記の「コロナ著名人と製薬マネー」は
実に説得力ある内容である。一読の価値ありだ。
コロナのコメンテーターとして毎日のようにテレビでみる仁木芳人、
三鴨廣繁、松本哲也、水野泰孝、館石一博氏ら。記事を読むと、
これらテレビ出演上位十傑に入る人物が製薬会社から講師料などの名目で
高額な謝礼を受け取っている。
また彼らの一部にはフライングコメントといわれる巧妙な新薬推奨コメント
をする者もいる。多額の謝金をもらっていれば、以心伝心で新薬の宣伝役の
片棒も担ごうというもの。
次の記事も尾崎章彦氏が執筆したもの。迫力ある内容である。
東大医学部卒の尾崎氏が将来のエリートコースを捨ててまでも貫く正義と
信念に敬意を表したい。
「医者と製薬会社の『悪しき慣習』」(2019年12月号)」
「『製薬マネー』知られざる実態」(2021年2月号)
これらの裏事情を知ると、なるほど、やっぱりねぇ、・ということになる。
意外だったのは昨年、横浜市長に当選した山中武春氏も製薬会社(中外製薬)
から謝金をもらっていたことだ。
・・・
それにしても大学教授を頂点とする医学部ヒエラルキーと製薬会社の持ちつ
持たれつの構造は今に始まったことではなさそうだ。
むかし、職場に薬学部卒で転職してきた同僚がいた。
3年間、外資系の医薬品会社でプロパーとして懸命に働いてきたが、その仕事
はいかに自社の薬を医師達に売り込むかだったという。
最近、ゴルフ行ってないなぁ・・これみよがしの医師の独り言を聞けば、
接待ゴルフをセットし、ご機嫌をとる日々だったとか。
かれこれ五十年ほど前の話しだ。
尾崎さんたち「マネーデーターベース」の取り組みは、利益相反の観点から
医学界と製薬会社の関係性をデータで明らかにし公開性を築く一歩となっている。