温泉めぐり紀行

丹沢の新緑(2022年5月)

1024.富良野の旅 (2/3)

2023-08-27 | 旅の空

■旅の二日目

朝ごはん食べて車で出発。親子四人組はすでに出発したらしく車がない。
旭山動物園に行くとか云ってたから早めにでたんだろう。
レンタカーは1200ccのヤリス。普段は軽に乗ってるので乗り心地がいい。

ジェットコースターの道を味わいながらファーム富田に向かう。
やはりラベンダーは咲き終わっていた。
もう遅いだろうなとは想像はしてたがまったく咲いてはいなかった。
ファーム富田では花柄摘みの作業が行われていて、今年は例年より2週間ほど早く咲き終わってしまったという。
雨が振り始めた。
有名な場所なので次から次と大型観光バスが到着し、韓国からの観光客がどっと花畑に押し寄せてくる。


定番の朝食  自家製酵母パン、スパゲティ、卵焼き、自家製ヨーグルトなど


ジェットコースターの道


雨降りのファーム富田

今日は南富良野町の金山湖まで足を延ばす予定だ
その前に富良野岳山麓の「原始の泉」に立ち寄った。湧水量は豊富だ。
手ですくって飲む。冷たくて飲みやすい。ポリタンがあれば汲んで帰りたいくらい。
奥さんが、ここには以前来たことがあるという。
そういわれてみると、どっか記憶があるような・・たぶんあの時だ、山部でキャンプしたときかもしれない。

富良野市街でお昼ご飯をとろうと思ったのだが、ちょうど昼時のためどの店も行列をつくつて大混雑。
スマホで探したスープカレーの店に行ってみた。
店の様子見に行った奥さんが云うには席に案内できるまで3時間待ち!!だとか。
けっきょく富良野マルシェ近くの「熊ッ子ラーメン」でお腹を満たすことになった。


原始の泉

■14時、金山湖に到着


湖畔に広がる芝生、白樺の白い樹肌、紅葉前のナナカマドが美しい。
いつかここでキャンプを・・と心誘われるロケーションなのである。
たぶんキャンパーたち向けなのだろうが「かなやまこ保養センター」には入浴施設がある。温泉ではないがせっかくなので入ることにした。
湯上りの体に湖畔の風が気持ちいい。

駐車場に相模ナンバーのキャンピングカーから親子がおりてきた。
お風呂やってます?
えぇやってますよ、気持ちいいですよ

15時、国道38号線の来た道を戻る。あっ、キタキツネ!  と奥さんが叫んだ。
鋭い目つきでこちらを見つめながら恐れず車に寄ってくる。
餌をねだってる感じだ。
たぶん観光客に餌をもらって学習してしまったようだ。

      

■山部自然公園太陽の里キャンプ場

国道38号線で富良野へともどる途中、富良野町山部の「山部自然公園太陽の里キャンプ場」に寄り道した。
たぶん10年以上前だろうが、奥さんとここでテント生活をしたことがあった。
富良野岳山麓に登ったり、二日ほどのんびり過ごした。

食事は園内のレストランで済ませたりして省エネキャンプ生活を送っていた。
どちらかというと奥さんもアウトドア志向で温泉好き。
ふたりとも趣味のベクトルが同じ方向を向いてるので助かる。

そんななときたまたま富良野市街ではへそ祭りが開催されていた。
へその周りに顔を書いて町中をぐるぐるとにぎやかに練り歩く奇祭である。
道いっぱいにビールケースが敷かれている。

即席の椅子に腰掛けながらビールを飲んだり食べたり。
思い思いにまつりを楽しんでいる人々をみるとこちらも気分がウキウキしてくる。
クルマだけどまぁ一杯くらいは・・と気が大きくなってきたのだった。

■鳥沼公園

富良野市街から15分程度の距離に鳥沼公園がある

鳥沼公園は開拓以前の富良野盆地の原風景が残された希少な環境で、10haの園内には多種多様な動植物が生息している。

案内板にはそのように書いてある。沼は神秘的なたたずまいをみせていた。

■おいしい夕飯

シェフ、料理の腕あげたねぇ
おもわず口ずさんでしまったほど夕食時にテーブルに並んだ豚肉のソテー、これが実においしかった。肉のやわらかさにソースの香りが口中に広がり、脳内に快楽ホルモンが駆けめぐる。

前の晩から漬け込んでおくのがコツなんですよね。オープンしたてのころ、皆からこの料理の腕で大丈夫かいな、と心配されたんですけど少しずつ腕をあげてきましてね
やはりおかねをいただいてるものですから・・

昨日とは違う夕食を用意してくれたオーナーシェフの心遣いがうれしい。
今夜もサッポロクラシックを2本空けた。



1023. 富良野の旅 (1/3)

2023-08-25 | 旅の空

■旭川空港

2023年8月6日午前8時45分、ANA便は予定どおり旭川空港に降り立った。
天候は雨。しかもとんでもない土砂降り。寒い。

1時間半ほど前の羽田空港のムワッとした暑い空気がもはや懐かしい。
レンタカーで出発はしたものの、この雨じゃぁ景色を楽しむどころではない。

夕方までにペンションに着けばいいので、空港から15分ほどの
東神楽森林公園内の温泉施設「花神楽」で過ごすことにした。
2階の大広間に陣取り、わたしは湯へ。奥さんは読書。
土砂降りは一向に収まる気配がない。

ずいぶんと前のことになるが、この施設で甲子園の高校野球を観てたことがある。
駒沢大付属苫小牧高校の田中将大が決勝戦で早稲田実業相手に投げていた年だ。地元の人たちと熱くにTV応援していた。

そんなこともあって、空港でどこに行こうかな、と思案したとき
真っ先に「花神楽」のことが頭に浮かんだ。

雨の旭川空空

 

 


花神楽

温泉に入り、ごろりと横になって寝る。なんせ朝が早かったので眠い。
7時のフライトに間に合わせるため朝4時起きして始発電車に乗り込んだ。
羽田行きの直行バスがベイブリッジにさしかかったとき、
朝陽が東京湾に反射して眩しかったなぁ。


館内のレストランでお昼を食べ、2度目の温泉からあがっても雨は相変わらず降っている。
とりあえず出発し、美瑛の丘陵をドライブすることにした。

雨は小降りとなった。
前田真三の写真を展示する「拓真館」、新栄の丘、日の出公園など気の向くまま走る。

ドライブしていてすごく気になったことがある。
オオハンゴンソウがいたるところで大繁殖しているのだ。
筒状花がぽこりと出っ張っているので「でべそ草」の異名のある特定外来生物である。

北アメリカ原産で明治中期に鑑賞目的で導入されたキク科の多年草なのだが、この植物とても性質が悪い。というかその繁殖の能力と戦略がすさまじい。


根から他の植物を枯らす物質(アレロパシー物質)を分泌してほかの植物の生育を妨げ、繁殖範囲を拡大していく。また根の破片からも再生できるし種は土中で数年も生存する性質を持つ。しかも寒さや湿地に強い。
もはや植物界きっての最強インベーダーだとしかいいようがない。

かつて箱根でも繁殖し、ボランティアによって刈り取りが行われたが絶滅にまでは至っていない。


オオハンゴンソウ

そしてもうひとつ、
道端によく咲いていたのが「ノラニンジン(野良人参)」。
セリ科ニンジン属の二年草。この植物も外来種で原産地はヨーロッパ。
オオハンゴンソウと同じく既存の在来植物を駆逐する可能性のある植物として指定されている。
見た目は白い可愛い花だが、この植物が本州でも見られるようになったら、それはそれで問題だ。


ノラニンジンの花

■中富良野

ペンションに夕方5時過ぎに到着。
オーナーの奥さんが出迎えてくれた。9年ぶりの再会だ。
オーナーも元気そうで相変わらず若々しい。

あとで聞いたのだが、ここでペンションを初めて28年になるという。
私たち夫婦が初めて泊ったのは23年前。
以来、ずいぶんとお世話になった。
札幌在住だった長男の結婚式の帰りには、私ら夫婦、おばあちゃん、長女夫婦に次女たちで泊まらせてもらった。
富良野でキャンプしたときにはテントを預かってもらったこともある。

■今年の夏は変

ことしの北海道は異常ですね。
いつまでも梅雨みたいだし、一昨日なんかは線状降水帯ができて、すごい雨が降り続けましたしね。ことしはホント変ですよ。

オーナーの話しを聞きながらサッポロクラシックを飲む。
たしかに道のところどころに土砂を寄せた跡があって土砂降りを思わせた。

ペンションは丘の上に建っているので実に眺めがいい。
この眺めに惚れてペンションを始めたのにここにきて新たな懸念材料が浮上している様子。

附近の観光農園が中国資本に敷地の一部を売り払い、そこに中国人富裕層向けの豪華高層ホテルを建設する話しが持ちあがってるんだとか。
町はこの計画を歓迎しているという。

あの美しい丘陵に高層ホテルなんて・・。ニセコでは既に中国人だけを相手にするホテルが実現しているんで、ここもどうなることか。
もしそんなことになったらここに居る理由がないので・・

泊まり客は私ら2人にあともうひと組。ところが夕食時になっても着かない。あとでわかったのだが、松江から千歳空港までの直行便が遅れたらしい。
6時ころ、これからレンタカーで向かうとの連絡があり、とにかく食事とお風呂用意しているので向かって下さいとオーナーが伝えている。

翌朝、食事の時にお会いしたのだがご両親と息子、娘の計4人の親子だった。
子供さん達は二十歳くらいだろうか。
娘さんが以前、ここに泊ったことがあり、ぜひみんなで来たかったのだとか。
彼らも私らと同様に2連泊だ。