温泉めぐり紀行

丹沢の新緑(2022年5月)

808.桜うるわし

2019-04-30 | 旅の空

まだまだある福島の桜

▽上石の不動桜 ~郡山市~

樹高16m、幹周5.3m、樹齢350年のシダレザクラ。
サクラのそばに不動明王を祀るお堂があるので不動桜と呼ばれている。
幕末に移り住んだ三春藩士が寺子屋として使用し、子弟を教育したと伝えられる。
茶店のおばちゃんの話しでは2日前が満開だったとか。
お客さんも少ないし今日で店じまいだという。
たしかに観光客は私以外にひとりだけだ。
玉こんにゃく(120円)をほおばりながらおばちゃんとひとしきり雑談した。

 

 

 


▽東和祭田の桜 ~二本松市~

樹高18.3m、幹周7.8m、樹齢800年のエドヒガン。
個人宅(大内宅)庭
に咲く桜だが一般に開放している。
東日本で8番以内に入る巨木である。
風で折れたのか花をつけたままの枝が敷地に落ちていた。
中心部が薄いピンクの花で清楚な印象である。
さすがに幹は腐食が進行し痛々しいものの花を咲かせる力は残っている。




▽石部の桜  ~会津若松市~

樹高11m、幹周2.2m、樹齢600年のエドヒガン。
ホテルで地元テレビを見ていたら会津若松の石部桜のことを放送していた。
会津西街道を使って帰ろうと思っていたので立ち寄ることにした。

駐車場から1キロほど歩いて向かう。だいぶ散ってますよ、と警備員さんが云う。
まぁとりあえず行ってみよう。
歩道に桜吹雪の跡はあるが未だ枝に花は残っていた。

この付近は領家重臣の石部氏の屋敷でその庭にあったことから「石部桜」と名付けられた。
江戸時代から名木として知られており、満開の折には藩主をはじめ多くの人が訪れたという。 

 

 

 

 

 

 

 

南泉寺楼門の桜  ~南会津町~

日野正平が全国を自転車で巡るNHKBSの人気番組「こころ旅」で訪ねた寺である。
いつ放送されたのか記憶が定かではないがメモに残しておいた。
会津西街道をちょっとだけそれて南会津町の南泉寺を訪ねた。

日野正平が投稿者の手紙を読んだ楼門は寛政6年に農民が寄付金を出し合って建てたものである。
楼門の先に桜が見える。この地方が寒いのか、蕾もたくさん残っている。
特に案内はないけれどなかなか姿の良い桜である。
神戸ナンバーの車が停まっていた。老年夫婦が記念写真を撮っている。
ひょっとすると彼らも「こころ旅」のファンかもしれないなぁ、と勝手に想像していた。



 


807.桜と温泉と放射能と

2019-04-30 | 旅の空

■名目津温泉 ~二本松市茂原~

福島の桜巡りも後半に入り、ここらでいっぷくしたい気分となった。
地図で調べると名目津温泉がある。
三春町を出て国道349号線を北上する。船引町を越えてから459号線へ。
山間の道をたどると渓流沿いに小さな建物がみえてきた。名目津温泉だ。

料金500円を払って早速湯へ。3畳くらいの小さな湯船に透明な温泉が注ぎ込んでいる。
先客はおじさんが3人。みな地元の方のようだ。
ゆっくり、そっと湯に体を沈める。熱い。温度計は43度だ。

じっとしているうち熱さに慣れてきた。
名目津温泉は昔から皮膚病などに薬効があることで知られた名湯。
泉質は単純弱放射能冷鉱泉(ラドン鉱泉)。ボイラーで加熱し源泉かけ流しである。
一時は休業していたこともあったが平成22年に再開した。

畳の休憩室で少し横になって旅疲れをいやす。
名目津温泉に放射能の空間線量計が設置されていることに気が付いた。
福島第一原発から直線距離で38キロも離れている場所なのに観測値は0.184 μSv/h。
 (ちなみに横浜は0.05 μSv/h) 

4月の観測結果もこの値前後で推移し、8年経っても原発事故以前のレベルに戻っていない。
半減期をひたすら待たなくてはならない現実を前に除染というコトバは空しくて残酷だ。
それにしても
原発災害だろうが何だろうが時季がくれば花を咲かせる桜の生命力はすごい。

 今日は朝から天皇退位、平成最後の日ということでテレビ・新聞が大騒ぎである。
スーパーのチラシには「いざ新時代 5月1日いよいよ改元 令和元年初売り!!」。
まるで元旦を迎える大晦日のような雰囲気である。元号またぎともいうらしい。
忘れっぽいわれら民族のことである。
だからこそ昔のことは水に流さないぞという覚悟が必要だ。
それがせめてもの福島で咲く桜たちへの感謝と償いである。



 

 名目津温泉は小さな日帰り温泉施設


 

   名目津温泉の放射能観測結果(2019年4月) 

 

 

放射能観測装置 名目津温泉でもこれと同じ装置が設置されている

 


 

 


 


806.福島の桜名所(2)

2019-04-28 | 旅の空


福島県には「地蔵桜」が二つある。
ひとつは郡山市の紅枝垂れ地蔵桜、そしもうひとつが二本松市の地蔵桜である。

 

■紅枝垂れ地蔵桜 ~郡山市中田町~

紅枝垂れ地蔵桜は三春町の滝桜から車で10分ほどの距離。
嬉しいことに花がまだ残っていた。
目通り4.1m、樹高16m、樹齢は400年。
実はこの桜、三春滝桜の娘と言われている。
樹の根元に地蔵堂が建っている。
昔から赤ん坊の短命、夭折の難を逃れるために願をかけたといわれている。
それにしても桜とお堂はよく似合う。
日本の里山の原風景だろう。

昔も今も桜の蕾の膨らみ具合をみて稲の種まきを判断するとか。
桜は稲作にとって大事な農事指標になっているのだ。
あちらこちらの農家の庭先に桜が植樹されている理由がこれで分かった。

紅枝垂れ地蔵桜

 

 

樹の根元に地蔵堂




■中島の地蔵桜 ~二本松市中島~

わずかな駐車スペースに車を停める。先客が4人、テーブルを囲んでくつろいでいる。
この人、この地蔵桜を守る会の会長さんだから・・とおばちゃんが教えてくれる。
まぁまぁお茶でもどうぞ・・と紙コップに入った熱い日本茶を手渡してくれた人が会長さんだ。
奨められるままに椅子に坐り、前をみると・・残念、ここの桜も散ってしまっていた。
どうやらソメイヨシノに比べて枝垂れ桜は早く咲いて散ってしまうようだ。

この新聞見ましたか、と早速訊かれる。

会長さんが手にしたのは朝日新聞(4月19日)
社会面にカラー写真が載っている。ライトアップされた「中島の地蔵桜」だ。
田んぼの水面に妖艶な姿が映りこんだ幻想的な写真。
そして翌日20日(土)が大変な騒ぎに・・
この記事を見た人がどっと押し寄せたのだ。
の写真を見たら出かけたくなるのが人情ってもん。
関東からの客も多かったというから、マスコミの影響力は大きい。

 

桜の時期だけオープン



   朝日新聞の紹介記事



ここは小高い丘の中腹なので見晴らしがいい。
今日は曇っていて見えないが地蔵桜の向こうに安達太良山が見える絶景スポットだ。

会長さんの話しによると、
10年まえからこの桜の世話をし続けて、やっとみんなに知られるようになってきた。ここに貼ってあるポスターは最初は自分の撮った写真なんだが、あとはアマチュアの写真で毎年作成している。年にもよるがだいたい4月15日が見ごろの目安。

あとわずかしかない貴重なものなんだけど・・とA4サイズのパンフレット(下の写真のとおり)を事務所から持ってきてくれた。

何が貴重かというと、珍しい誤植があったのだ。
下の画像を見てのとおり、本来なら「見頃」とすべきところを「身ごろ」と印刷してしまった。
印刷会社もプライドがあるから回収するといってきたが、全部捨ててしまうにはもったいない。
頼み込んで少しだけ手元に残したそうだ。


そしたらねぇ、花桃が満開を迎えているから花屋敷にいってみたらいいわ

とさっきのおばちゃんが奨めてくれる。
カーナビがついてるんだったら飯野町役場をセットすれば行くよ、と会長からもアドヴァイスをいただいた。というわけで口直し(目直し?)に行ってみよう。



残念!! ここも散り終わりだった

田んぼに映る地蔵桜  黄色いのはレンギョウの花   

 

    

回収されたパンフレット  朝日新聞の写真もこのアングルからの一枚だった

 

花屋敷は花桃の里だった 

 


 

 

 


 

 


 


805.福島の桜名所(1)

2019-04-28 | 旅の空

 

■夏井の千本ザクラ ~福島県小野町夏井町屋~

常磐自動車道を走っていた。
もうじき小野ICというとき、突然右側の視界に桜並木が飛び込んできた。
サクラの帯だ。実にきれい。
とっさにカーナビ地図にマーク付けした。
小野ICを降りてその場所を急遽探す。寄り道だ。

臨時駐車場があり看板に「夏井の千本ザクラ」と書いてある。
昔から有名な桜スポットのようだ。
両岸5キロにわたり、ソメイヨシノ1000本が植えられている
昭和50年4月、夏井川の改修工事をきっかけに地域住民が植樹したものである。
昭和50年といえば私ら夫婦が結婚した年だ。
ちょうど見ごろの水仙と桜の景観を楽しんだ。

 

 

 


 

 


 

 


804.東北・福島の春

2019-04-26 | 旅の空

 

 



■東北・福島の春 ~サクラ行脚~

21日の日曜日・夕方6時から放送の「バンキシャ」(日テレ)で満開の滝桜を中継していた。
ライトアップされた滝桜の姿はそれはそれは美しかった。
よし、見に行こう
二日後の火曜日でも見られるだろう・・

と思ったのが失敗だった。三春町の現地に行くと、すでに滝桜に花はまったく付いていない。
翌日の強風であらかた散ってしまったとのことだ。
そうとも知らずに私のような観光客は訪れる。


  ありゃ~、ぜんぜん花がないわぁ、わびしいねぇ、私の将来見るようだわ

ガッカリ気分をおばちゃんが豪快に笑い飛ばしている。

 

 

散ってしまった滝桜はさびしい 


サクラは満開を迎えると散るのが早いことを実感。
桜前線は福島を通り過ぎて青森方面へ行ってしまったが、福島県内のサクラの名所をもう少し探索してみよう。

 

■小沢の桜  ~福島県田村市船引町~


23日10時に自宅を出て18時ころ小沢の桜に到着。陽は山の陰に沈み、薄い闇の時を迎えていた。
駐車スペースに停めて外に出ると想ったよりずっと寒い。
隣に停まった軽トラックの助手席からおばあちゃんが身を乗り出して声をかけてきた。

どっから来たの、なに一人で来たの? 彼女でも連れてくればいいのに(笑)
私らは地元なんだけどちょっと見に行くべと父ちゃんと来たんだ。
あの山かい?  うつし岳っていうんだけど頭がへこんでるでしょ、
あれはね石を切り出した跡なんだよね、いい墓石のになるんで採ってたんだけど、山の形が変わっちゃったからみんなで反対して採掘中止になったんだよね。

横浜からわざわざ来たんならね、ここもいいけど「地蔵桜」の枝垂れ桜を見てったらいいわぁ。じゃあねぇ、気を付けて旅してください、どうもねぇ


今から照明の調整すっから・・とそのおじさんはあぜ道へと降りて行った。
頭の毛をピンクと緑に染めた個性的な風貌な人だ。
さっきから気になってたんだが小沢の桜にカメラを向けて三脚を据えるカメラマンたちがたくさんいる。その理由が分かった。ライトアップされるその瞬間を待っているのだ。

ピンク頭の彼の話によると、昔、この村にいた若者が大八車に野菜を積んで三春に売りに出かけ、帰りに花街で遊んで帰るのを楽しみにしていた。さくらというなじみの娼婦が身請けされたのか突然いなくなり、嘆き悲しんだ若者がこの土地に桜をたくさん植えて女を偲んだ。そして唯一残ったのがこの小沢の桜というわけ、樹齢は約百年。

ここはカメラマンの聖地だからね、

小沢の桜で検索すると一杯写真がでてくるよ

ピンク頭さんは、そういいながらスマホを取り出し、最近取った写真をみせてくれた。
ライトアップされた小沢の桜が田んぼの水面に映りこむ傑作の一枚だった。
田の所有者に許してもらってポンプで水を張って撮ったとのことだ。
こうして彼はこの時季だけ毎晩、ライトアップの世話をかってでているのだった。



ライトアップされた小沢の桜 やはり三脚がないとブレる

日が暮れてきた ライトアップされる前の姿 

 

これは7年前の姿 2012年4月17日に撮影

 

 



803.ピアノトリオ

2019-04-21 | 音楽ボランティア


先日、病院でピアノトリオの演奏会を行なった。
今回で多分5年目くらいだろう、桜咲くころの季節行事となった感がある
チェロとヴァイオリンの奏者、奥さんの三人を私のクルマに乗せて病院へ出発。
   
   「ピアノトリオ イラスト」の画像検索結果  「ピアノトリオのイラスト」の画像検索結果
 

病院の玄関ホールに演奏が響き渡り、院内は心地よい音の空間に満たされた。
奥さんの話しではグランドピアノが調律不足のため音が不安定だったようだ。
たしかに持ち運びできる楽器はいつでもどこでも調音できるが
ピアノは専門の調律師さんでも数時間を要するし、費用も掛かる。
古いピアノだと調律しても直に狂ってしまうらしい。
だからピアノだけはお仕着せの状態で弾くしかないのは少し気の毒である。

演奏終了後はいつものようにレストランでお茶。
        関連画像         「紅茶のイラスト」の画像検索結果


令和って聞いて命令の令を思い浮かべたわよねぇ、どうお、あまりよくないわね
元号は天皇のものらしいですね

天皇制があるから国民が一つにまとまるんだなんていう学者がいるからほんと困るわよね
皇室といっても数十人しかいないわけでしょ
天皇制なんか無くってもいいのにね
読売新聞は皇室一家の記事をいつも大きく報道してるのよ
わたしは新聞を半年ごとに代えてるんだけど東京新聞は面白いわねぇ
東京新聞は望月衣塑子記者が有名で菅官房長官へ鋭い質問をぶつけ続けてますね
彼女に質問制限してるんですって?、今の安倍政治は陰湿よねぇ
他社の記者が援護射撃しないのがおかしいですよ
東京新聞は権力監視の意識が高いわね、他の新聞も見習ったら・・
日経新聞はどうなのかしらね、真ん中あたりかしら

経済記事以外はすごく面白いっていいますね、たとえば「私の履歴書」とか
それって皮肉?
NHKもひどいわよ~、安倍内閣の広報担当みたいで露骨だわ
前の会長がひどすぎたものねぇ
大越(キャスター)さんはどうしてるの、左遷されたんでしょ
最近、スポーツ番組で復帰してるようですよ
わたし安倍首相の顔がテレビに映ると即、チャンネル変えます
気分悪いですよ、わたしも同じです
私の周りで安倍政治を支持している人なんて誰もいないわ
それなのに支持率が40%でしたっけ、どうかしてるわ
意外と若い人が支持してるみたいね
そう、うちの息子なんかに訊くとそうだっていうものねぇ
ほかに適当な人がいないという消去法でしょう

だけどゴーン元会長の公私混同ぶりはひどいわね
お金持ちほど強欲になるのかしらね
何十億円かのクルーザーに社長号って名前つけるなんてねぇ
ゴーンさんの弁護人が広中弁護士でしょ、なんかガッカリ
無罪請負人なんて呼ばれてて厚生省の村木さんの弁護もやった人でしょ
あの人は弁護費用が高いらしいですね
そりゃぁ高いでしょ、頭がいいらしいわぁ
知り合いの弁護士がね、弘中さんと争った裁判で2勝1分けだったと自慢げだったわ
検察の一方的なリーク報道が正しいなら、それ相応の罰を受けてもらいたいわよね

・・・・・・・・・・・・・・

なかなかお話しの終わらないお茶会でした。


      

 


 











802.旅の終わり・常滑

2019-04-16 | 旅の空

昔、30代のころ全国の自治体から集まる職員研修があった。
所沢市にある研修所で一週間ほどの泊まり込みの研修である。
内容は数学を駆使してトレンドの分析や予測手法を学ぶ講座だった。
その中の一人に常滑(とこなめ)市からの参加者がいて、手土産に常滑焼の灰皿をもらった。
重かったろうに実直な人だなぁと感心したことがある。

その焼き物で有名な知多半島の常滑市を3月に訪ねることができた。

東横イン専用の駐車場に停めて受付に行くと、1000部屋もある大きな建物だ。
たぶん中部国際空港への中国からの直行便があるのだろう。中国の団体観光客がバスからゾロゾロと降りてきてロビーは大混雑。
これまで東横インには全国あちこちで泊まったが、これだけごった返す喧噪は初めての経験だ。
さらに3月末には隣接地に1200室規模の東横インがオープン予定とある。
これも中国からの観光客目当ての投資なのだろう。なかなか商売上手だ。






翌朝、中国人観光客のおしゃべり喧噪の中で朝食をとりホテルを出る。快晴だ。
陶芸会館の有料駐車場に停め、散策マップをもらって歩き出した。
土管坂」が有名なので早速行ってみた。
う~ん、なんと言ったらいいか、こんなもんかいなという感じだ。
期待値が大きすぎたようだ。
窯元直営の焼き物の直売所が点在し、皿、カップ、動物などさまざまな焼き物を商っている。
古い窯やレンガ造りの煙突を眺めながら坂道を上り下りしながら1時間ほど歩く。
どことなく昭和のイメージに覆われた焼き物の町だった。

さて、2月27日に自宅を出た旅も今日(3月9日)で終わり。
ここまで1920キロを走ってきて少々疲れた。
時刻は12時15分。どこか適当なところで昼飯食べて東名で帰ろう。
















801.PSA検査は1年ごとに

2019-04-15 | 前立腺がんリポート


朝の8時過ぎ、奥さんに病院まで送ってもらう。
今日は半年ぶりのPSA検査の日。
8時15分の受付時にはもう20人ほどが待っている。
採尿、採血を順序よく済ませ泌尿器科の受け付けを終える。
あとは予約の10時を待つ。
・・・・・

43番の方、1番診察室へどうぞぉ



そっとドアを開けて椅子に坐る。 

検査結果、問題ないです、尿もふつうです、
早期発見で手術がうまくいったということですね、
次回の検査は1年後としましょう。

担当のT部長先生からそう告げられた。私はもちろん先生もにこやかな表情だ。
これまでの検査結果の推移からみて、たぶん大丈夫だろうとは想ってはいたものの
万が一ということもある。
いつもながら結果を聞くまではドキドキものだ。

何はともあれ再発なしで5年が経過しホッとした。よかった。
手術したのが平成26年2月18日。
以来2か月、4か月ごとの検査を経て、平成28年4月から半年ごとなり今日に至った。
というわけで次回の検査予約は平成32年(令和2年)4月。

1年も先のことなので忘れてしまいそうだ・・。ふと訊いてしまった。

あの、先生は来年もここらいらっしゃるんですよね

もちろんいますよ

笑いながらT先生はそう云う。安心している自分がいた。

自宅の玄関ドアを開ける、と奥さんが(大丈夫だったぁ?)と・・頭上に両手で〇をかかげ、
台所から顔を出した。





 

 


 

 

 

 


800.桜桃の里・甲州

2019-04-13 | 暮らし


季節外れの寒さだった昨日と打って変わり、今日(4月11日)はピーンと晴れ上がった。
こんなにいい天気だとじっとしていられない。
そんな私の性分を百も承知の奥さん、どちらへ? とタイミングよく送り出してくれる。
こんなとき行くのはたいてい山梨だ。
桜も咲いてるだろうし、ついでに小淵沢の大滝湧水でNatural Waterを汲んできてもいい。
たしか、その近くには枝垂れの大糸桜がある。そして神代桜だろうな。

そんなこんなが頭をかけめぐるなか、9時に家を出た。
まずは国道412号線で相模湖ICを目指す。
厚木、愛川、相模湖町と丹沢山麓を縫うように走る412号。
沿道から見る山々は芽吹きの季節を迎え、緑を白で薄めた淡い春色に覆われている。
こんなにも早く季節が進行しているとは・・ちょっと驚いた。

2時間後、相模湖IC から中央高速に入る。空気は明るいし陽射しが強い。
その分、山の輪郭がはっきりする。
山の所々に白くポツン、ポツンと白く光る場所がある。サクラだ。
樹木の熾烈な生長競争に打ち勝ってきた証しでもある。
一宮ICを過ぎたあたりからピンクに染まる桃畑が目に飛び込んできた。
日本一の生産地なだけにどこまで行ってもピンクの花畑が続く。
そうか、4月のこの頃は桃の開花時期なんだ。

甲府、韮崎、須玉を快調に飛ばし長坂ICで降りる。
まずは名水百選の大滝神社の湧水を目指した。
驚いたことに田んぼや畑が真っ白。
前日(10日)に降った雪の名残りがあちらこちらにある。
甲斐駒や鳳凰三山の地蔵岳のオベリスクがよく見える。

甲斐駒 雲でピークが隠れた

八ヶ岳

ヒメオドリコソウもびっくりの雪


 

大滝神社にはすぐにたどり着いた。地元の方が次々と汲みにくる。
両手に20リットルタンをそれぞれ持って運んでる若いママがいた。

すご~い、力持ちですね、とわたし。


わたしこれですっかり筋肉付きました、17キロの子を片手で持ちますからね

サングラスをかけたおじさんもいる。

ここは初めてかい? 家はすぐそこなんだけどこれを冷蔵庫で冷やして生のまま飲むんだ、白州の水は花崗岩を通ってきてる水だけどこの水は○○岩(忘れてしまった)だからちょっと違う味がするね。いろんな人に大事に使ってもらいたいしね、うん、みんなで掃除して守ってるんだよね

そして私はペットボトル10本に詰め、神社でお賽銭をあげて礼をいった。

 

大滝神社にも雪が残っている

 


ここで汲んだ

岩の割れ目や杉の根元から湧き出して流れ落ちる




意外だった。こんなに小さかったかなぁ。
昔(10年以上前)見た大糸桜はもっと背が高くて雄大だったはずだ。
目の前にある桜は、折れたのか剪定したのか分からないが背が縮み、添え木されてやっと立っている老いの姿だった。残念な光景だった。

一方、樹齢1800とも2000年とも云われている北杜市武川町の実相寺境内にある神代桜
観光客でごった返す境内にはソメイヨシノの大木が何本もあり見事に満開の時期を迎えていた。
神代桜は樹の根元付近がおおきく枯れ崩れてはいるものの枝に花をつけている。
何といってもその生命力の強さ人は惹きつけられるのだろう。



大糸桜  どこか元気がない様子

大糸桜の近くの祠で   里山の原風景のようである

 お地蔵さんの首がとれちゃっている


 

北杜市武川町の実相寺では桜が満開 観光客も多い

神代桜 頑張ってますね

名残り雪

 

この後、桃畑をみたくて韮崎の新府城跡へと向かった。
桃の花はいずれ摘花の作業にはいるのだが、まだその作業に入ってなかったようで枝に沢山の花をつけていた。夕方5時を過ぎると急速に肌寒くなってきた。
車内に暖房を入れ「みたまの湯」をナビにセットして国道20号線に向かった。

 

新府城跡付近の桃畑 


台ケ原で銘酒「七賢」を購入 香りのいい日本酒である







799.琵琶湖・沖島

2019-04-10 | 旅の空

 



彦根市内のホテルでゆっくり朝食をとって、9時半に出発。天気もいい。
どうせなら琵琶湖を見ながら走りたいなと思って湖岸へと車を走らせた。
入り江のくねくねした道をたどっていると、小さな乗船場がみえた。
桟橋へ小走りの人がいる。出航時間が迫ってるのかもしれない。

道路のプレートに「沖島」と書いてある。おきしま? 沖島・・何か記憶にあるような名前だ。
そうか、あれだあれだ、
毎週日曜日に放送されるNHKの旅番組で放送していたあの島のことだ。
思いがけない遭遇が好奇心を掻き立てた。
Uターンして乗船場に急いだ。

定員が10名ほどの小さな船だ。
乗船客はおばちゃん二人と観光客らしき三人娘それと郵便局の配達員さん。
船内の券売機を使おうとしたら、これ壊れてるんだよと、おばちゃんが教えてくれる。
乗務員のおじさんに往復の乗船料1000円払う。
エンジンの排気ガス臭が漂う狭い船内も動き出すと潮風が通り抜けていく。
揺れもせず沖島へは15分ほどで到着。

さて、どこへ行ったらいいかな。
次の出航は12時なので1時間ほど余裕がある。
切符を売っていたおじさんに訊いても、そうだなぁ、そこの神社くらいかな、と心もとない。
島内地図をながめていたら「おきしま資料館」と書いてある。
まずここに行ってみようか。













資料館の内部



そこは民家を利用して手作り感が満載の資料館だった。
敷居をまたいで中に入ると薄暗い。おじいさんがひとりいる。入館料は200円のようだ。
おじいさんの名は小川さん(あとで92歳とわかる)。ひととおりの資料を手渡してくれて、沖島の歴史・風俗などを詳しく解説してくれた。
10年ほど前まではさっき乗ってきた船の操縦をしていたそうだ。
これまでに何度、同じ話しをしてきたのだろうか、よどみない調子で延々と解説が続く。

〇湖に浮かぶ島で人が住んでいる島というのは世界的に見ても珍しい
〇島の祖先は保元の乱(12世紀半ば)の戦いで敗れた武士が漂着して住み着いた
〇島には7つの姓しかない(小川、北、茶谷、中村、西居、久田、南)
〇現在350名が住み、主に漁業で生計をたてている。
〇島には車・バイクが1台もない。移動手段は3輪車
 ・・・・・・・・・・・・


高台にある奥津嶋神社に参拝。
8世紀に近江の国守であった藤原不比等によって建立された神社である。
ここは台風の通り道なんじゃ、と小川さんがいうとおり、昨年の台風で神社の屋根が壊れている。それにしても神社から眺めた家並みや琵琶湖を行きかう漁船の風景は、ゆったりした時間を画に描いたようだった。

きのうは名古屋で徳川美術館、トヨタ産業技術館を訪ね美とテクノロジーの神髄をみてきたが
ここの琵琶湖の風景のように変わらぬ風土と変革する技術世界の両方を行き来した半日だった。

東海道土山宿の「土山伝馬館」に寄り道し、伊勢志摩YHへと向かった。
今日は旅に出て3日目の3月1日。
ここまで623キロ走行。


桟橋


ネコものんびり暮らしてる


奥津嶋神社から


三輪車が大活躍




漁を終えてのんびり


台風で傷めつけられた


ネコの島でもある


 

 


798.熊野古道トレッキング   

2019-04-01 | 旅の空

    「トレッキング イラスト フリー」の画像検索結果


およそひと月前、ヒーヒー云いながら熊野古道を登っていたことを思い出している。

和歌山県主催の「熊野古道環境保全トレッキング」が3月2日、3日に開催された。
参加者は大阪・関西方面を中心に約150名が参集。すごい人数だ。
往復のバス代など旅行代金が無料なので当然かも(ただ宿代は自分持ち)。
初日の3月2日、大阪を朝出発したバス2台が30分遅れて午前11時に到着。
熊野本宮前で待つ私ら現地組(たぶん20人くらい)が、このバスに乗り込み、出発地の発心門王子へと移動した。

見渡すと、ざっと6割くらいが女性ではないだろうか。
若い人からそれなりの方まで年齢層が幅広い。バスで隣り合わせたおばちゃんは神戸から参加したとのことだが実は相当の山好きで、関東まで足を延ばし、丹沢の鍋割山に登り鍋割山荘で名物の鍋焼きうどん食べました、おいしかったです・・と笑ってる。

どうも山好きで足が丈夫な人たちが集まったようだ。
弁当、飲み物が配られ(無料)、青空の下で昼食をとる。
和歌山県庁の課長さんの挨拶のあと、1班20人でグループ分けされ、
それぞれに地元のガイドさんがついた。






■初日は約7キロの中辺路・小雲取越コース(発心門王子→熊野本宮大社)

12:40出発。
今日のコースはアップダウンはあるものの青空の下、気持ちよく歩いた。
こんなに晴れるのは一年で何度もないとガイドさんがいう。
古道脇のあちこちに羊歯(シダ)を見かけた。
紀州和歌山が全国有数の降雨量の地なのだということを植生が教えてくれる。

何が環境保全なのかというと、傷んだ古道を補修する作業がコースに組み込まれていた。
小分けされた
数キロの土嚢を作業員の待つ山道にまいた。150名が運べば相当な運搬量になる。
16:00、ゴールの熊野本宮大社に到着。八咫烏(やたがらす)に挨拶。

この日は川湯温泉の温泉民宿・大村屋に泊まった。案内されたのは、なぜかダブルベッドの部屋だった。トレッキング参加の泊り客が多いので部屋割りの都合でこうなったようだ。
宿の湯はもちろん温泉である。やや熱い湯で体によさそうな成分が溶けているのを実感する。

右ひざが少し痛む。湿布薬を持参すればよかったのだが忘れてきた。
長丁場の明日に備え何とか回復しておきたいので宿の女性にドラッグストアがないかダメ元で訊いてみた。ここは山奥だ。やはり無い。
本館に訊いてみますからちょっと待っててください、という。
隣接する本館から小走りでやって来た女将さんがこれでよかったら使って・・とシップ薬の入った箱を持ってきてくれた。

 

快晴の古道歩き 1グループ20人

こうして運んできた土を撒く

今日のゴール地点の熊野本宮大社に到着

 

 ■トレッキング二日目は雨 (小雲取越コース、小口バス停→請川バス停)


明け方、ベッドを抜け出して窓を開けると雨。天気予報が的中だ。
宿近くの集合場所でバスに乗り込み、約30分のち出発点の「小口バス停前」に到着。
雨が降り続けてる。
二日目のコースは手ごわい13キロの古道である。
今日もグループに分けて出発する。

今日のガイドさんは元気で見るからに明るいおばちゃんだ。

9:00、出発。
雨具を着け、道はいきなりの急登から始まった。
きつい登りなのに皆さんしっかりした足取りで登っている。
私はヒーヒー、ハーハー云いながらどん尻を歩く。


小口バス停前で集合・点呼 雨止まない


昨日もそうだったがグループ毎にサポーターとして県庁職員が随行する。
今日は若い田中さんが付き添っている。
足の遅い私を気遣って何かと声をかけてくれる。
訊けばこの近くに実家があるらしい。
中学生の時、遠足で熊野古道を歩くんだけど修学旅行は東京見物だったとか。
どこ行ったのと訊くと、グループのみんなで竹下通りに行ったそうだ。
このギャップがすごくて・・と田中さんは苦笑いしている。
そうしてる間にもガイドのおばちゃんはさっそうと山道を先導していく。

おばちゃん、すごいねぇ、あんなふうによく登れるよねぇ、と私。
そうですね、ほんと元気ですよね、と田中さんが返す。

思うに、ガイドさんにとっては歩き慣れてるコースのせいもあるんだろう

12:10、「百閒ぐら」に近い林道でランチタイム。お弁当が配られた。
雨は止んだが下が濡れてるので立ったままで食べる。
12:45出発。
右ひざの外側が痛み始めたが、田中さんと雑談しながら登ってるうち
峠を越えることができた。
もちろん昨日、宿の女将さんが持ってきてくれた湿布薬のおかげもある。
16:00、ゴール地点の「請川バス停」到着。

かえすがえす残念だったのはコース最大のビュースポット「百閒ぐら」からの景色が
雲で何も見えなかったことだ。
田中さんがスマホを取り出して晴れてればこんなふうです、と
「百閒ぐら」からの素晴らしい夕焼けシーンを見せてくれた。
近くまで林道が通ってるので何かの機会にまた訪ねてみようと思う。

16:15、熊野本宮大社にバスで移動し現地解散。
関西方面からの参加者はこのままバスで大阪へ帰る。
お世話になった田中さんと握手して私は臨時駐車場へ戻る。
愛車のシートに座りこむと、ホッとして疲れが押し寄せてきた。
でも今日は、ここからお楽しみが待っているのだ。
カーナビにセットした「湯の峰温泉(つぼ湯)」、「渡瀬温泉」へと向かった。

**余談だが今日、新元号は「令和」と発表。

 

 

菅笠姿のガイドのおばちゃま いちばん元気  週に4~5回、ガイドしているとのこと

 全員に配られた「めはり寿司」のお弁当 おいしかった

湯の峰温泉・つぼ湯  底から熱い温泉が自噴している