まだまだある福島の桜
▽上石の不動桜 ~郡山市~
樹高16m、幹周5.3m、樹齢350年のシダレザクラ。
サクラのそばに不動明王を祀るお堂があるので不動桜と呼ばれている。
幕末に移り住んだ三春藩士が寺子屋として使用し、子弟を教育したと伝えられる。
茶店のおばちゃんの話しでは2日前が満開だったとか。
お客さんも少ないし今日で店じまいだという。
たしかに観光客は私以外にひとりだけだ。
玉こんにゃく(120円)をほおばりながらおばちゃんとひとしきり雑談した。
▽東和祭田の桜 ~二本松市~
樹高18.3m、幹周7.8m、樹齢800年のエドヒガン。
個人宅(大内宅)庭に咲く桜だが一般に開放している。
東日本で8番以内に入る巨木である。
風で折れたのか花をつけたままの枝が敷地に落ちていた。
中心部が薄いピンクの花で清楚な印象である。
さすがに幹は腐食が進行し痛々しいものの花を咲かせる力は残っている。
▽石部の桜 ~会津若松市~
樹高11m、幹周2.2m、樹齢600年のエドヒガン。
ホテルで地元テレビを見ていたら会津若松の石部桜のことを放送していた。
会津西街道を使って帰ろうと思っていたので立ち寄ることにした。
駐車場から1キロほど歩いて向かう。だいぶ散ってますよ、と警備員さんが云う。
まぁとりあえず行ってみよう。
歩道に桜吹雪の跡はあるが未だ枝に花は残っていた。
この付近は領家重臣の石部氏の屋敷でその庭にあったことから「石部桜」と名付けられた。
江戸時代から名木として知られており、満開の折には藩主をはじめ多くの人が訪れたという。
▽南泉寺楼門の桜 ~南会津町~
日野正平が全国を自転車で巡るNHKBSの人気番組「こころ旅」で訪ねた寺である。
いつ放送されたのか記憶が定かではないがメモに残しておいた。
会津西街道をちょっとだけそれて南会津町の南泉寺を訪ねた。
日野正平が投稿者の手紙を読んだ楼門は寛政6年に農民が寄付金を出し合って建てたものである。
楼門の先に桜が見える。この地方が寒いのか、蕾もたくさん残っている。
特に案内はないけれどなかなか姿の良い桜である。
神戸ナンバーの車が停まっていた。老年夫婦が記念写真を撮っている。
ひょっとすると彼らも「こころ旅」のファンかもしれないなぁ、と勝手に想像していた。