温泉めぐり紀行

丹沢の新緑(2022年5月)

1003. チャットGPT

2023-02-17 | 暮らし

すごいAI(人工知能)が登場した。
昨年11月、アメリカのopenAI社が公開したchatGPT である。
2ヶ月で登録者数1億人突破の驚異的なスピードで普及したという。

そりゃそうだろうな思うほどこのchatGPT の実力はすごい。
ふつう、何か調べたいとき例えばGoogleだったらkeywordをいくつか入れて実行keyを押すと、keywordを含む関連サイトのリンクリストが示され、これかなと思うサイトに飛んで情報をとる。
ところが、chatGPTは質問に対する答えそのものを返してくれるのだ。
これが従来の検索エンジンとは決定的に異なる。

資料リストしかくれない人より、はい、その答えはこうですよと即答してくれる人のほうがいいに決まってる。Googleはビジネスモデルが破壊されると脅威を感じたにちがいない。

ところで

chatGPTchatGPTて何ですか」 と質問すると次の答えが返ってきた。

GPTは「Generative Pre-trained Transformer」の略です。これは、自然言語処理タスクにおいて高い性能を発揮するために訓練された、トランスフォーマーネットワークアーキテクチャを用いた深層学習モデルの一種です。GPTは、大規模なテキストコーパスを使用して事前トレーニングされ、その後、さまざまな自然言語処理タスクを行うために微調整されます。
GPTは、文章生成、文章要約、翻訳、質問応答、言語理解などのタスクで高い性能を発揮しています。

専門用語だらけでよく理解できませんが、実際に使ってみると、いろいろなことができて実に面白いし、楽しい。検索以外にもいろいろな機能がある。たとえば、

冬の短歌を3つ作ってください・・と入れると20秒くらいで次のような歌を返してくる。

  1. 冬枯れや 白き山の頂に 一羽鳥
  2. 雪舞う夜 窓辺に立つ 孤独の影
  3. 凍てつく空 吐息を白く 彩る冬
 
これは俳句です。短歌を作ってください と突っ込みをいれると、たちどころに答えてきた。

失礼いたしました。以下、短歌を3つ作ります。
  1. 雪の降りしきる街路にて 孤独になりてふと立ちどまり 吐く息も白き冬の空
  1. 枯れ草の上に踏み入れしとき 静かに心に響くは 風の音と冬の息吹
  1. 朝霧立ちのぼりし森にて 繰り返す冬の夜明けの光 白銀の粒に煌めく

こんな風に実際に人とやりとりしてるかのように答えが返ってくる。
失礼しました・・なんて実に人間くさくて笑ってしまう。
さらにこんなすごいこともやってくれる。例えば

川端康成の「雪国」の読書感想文を書いてくださいと入力すると次のように返ってきた。
 

川端康成の小説「雪国」は、日本の文学史上においてもっとも有名な作品の一つであり、その美しい言葉と深い哲学的テーマで多くの読者を魅了しています。

この小説は、冬の長い間降り続く雪の国で暮らす人々の物語です。主人公の不倫相手である温泉女将のお妙との愛の物語を通じて、孤独や無常、愛という人間の普遍的なテーマを描いています。

小説は、冬の降雪が人々の日常生活を支配し、交通や社会生活に大きな影響を与えている様子を描写しています。この描写は、自然と人間の関係がどのように複雑であるかを示し、また、自然の美しさや恐ろしさが人間の生活に与える影響を示しています。

物語の中で主人公は、孤独や無常を感じながらも、愛の力に救われる姿が描かれています。この愛は、彼女との出会いを通じて深く成熟し、心の奥底に刻まれるものとなります。

「雪国」は、川端康成の美しい言葉遣いや、日本の自然と文化に対する洞察力、そして人間の感情を深く描写したストーリーによって、多くの読者を惹きつけています。私はこの小説を読んで、人間の心と自然との関係や愛の力について考えるきっかけを得ることができました

完全に読み込んでなければ絶対書けないレベルの感想文になっている。驚きだ。
そして何とこの感想文をアレンジすることもできる。
続けて、小学生らしい文章でお願いします・・と入力すると

 
「雪国」という本を読んで、とても楽しかったです。この本は、雪の国で暮らす人々の物語でした。雪がたくさん降っているので、交通や生活に影響があることが描かれていました。

主人公の人が、温泉女将のお妙さんと恋をしているのがおもしろかったです。でも、この恋はとても悲しい結末になってしまいました。でも、愛の力は本当にすごいなと思いました。

この本を読んで、自然の力や愛の大切さを学ぶことができました。また、日本の文化に触れることができて、とても勉強になりました。皆さんもぜひ読んでみてください。

実に小学生らしい感想文に修正されている。これでは宿題に悪用されるかもしれない。
なのでアメリカの学校ではchatGPTは使用禁止とか。
さらにキャッチコピーも作ってくれる。

韓国旅行プランのキャッチコピーを10個作ってください・・と入力すると、
あっという間に作ってきた。
  1. 「韓国の魅力、すべて見つけよう!思い出に残る旅をあなたに。」
  2. 「韓国の食、文化、風景、すべてを堪能!感動の旅へ。」
  3. 「日常から離れて、韓国の魅力を満喫しよう!心に残る旅を。」
  4. 「韓国の美しさに感動!観光スポットで心癒される旅。」
  5. 「韓国旅行で心と体をリフレッシュ!日本では味わえない体験が待つ。」
  6. 「歴史と現代が共存する韓国で、新たな発見を!充実の旅をお楽しみください。」
  7. 「韓国で食欲の限りを尽くそう!グルメ天国で心満たされる旅。」
  8. 「韓国の風景は、心に刻まれる美しさ。思い出に残る旅へ出かけよう。」
  9. 「韓国旅行で、豊かな自分に出会おう!心身ともに充実する旅を。」
  10. 「韓国の文化に触れ、心に響く体験を。人生を豊かにする旅へ。」
 
これでは早晩、コピーライターやプランナーの業務を脅かすことになりかねない。
最後に、ありがとう・と入力すると、こんなけなげな返事がくる。
 
どういたしまして!何か他にお力になれることがありましたら遠慮なくお申し付けください。
 
相手が深層学習ソフトなんだと言うことを忘れ、人と実際にやりとりしてるかのような錯覚に陥る。自然とヒューマンな感情になじんでしまうところがchatGPTのすごいところだ。
使いこなすポイントは、おそらくどれだけユニークな質問ができるかだと思う。
いい質問にはいい答えが返ってくるのがchatGPTの特質である。
 

chatGPTを紹介しているYouTube番組はたくさんあるが私はこんなものを見てみた。

 

■経済ジャーナリズム報道の観点から

  1. 世界を一変させる「AI」 その驚愕の実力とリスクとは?(2023年1月24日) - YouTube

  2. AIの第一人者が点検 「チャットGPT」の実力は!【日経プラス9】(2023年2月13日) - YouTube

     1はテレビ東京の番組で今話題のテーマを取り上げたもの。

    2はAIに詳しい東大の松尾教授、評論家をコメンテーターに迎えて解説している。

■ユーザー目線から解説

  1. ChatGPTの使い方! 働き方が変わる、超すごいAI思考サポートツール - YouTube

  2. ChatGPTの使い方を初心者にもわかりやすく解説。ChatGPTの上手な活用方法は?【openAIのChatGPTとBard】AIが世界を変える?中田敦彦さんもとりあげたチャットGPT - YouTube

 1は実用的な観点からchatGPTのダウンロード方法、様々な活用パターンをとして
  ①調べる②考える③文章を作る④プログラミングやExcelで使う⑤遊ぶ
 の5つのテーマに分けて易しく解説している。

 2は広島弁丸出しのお兄さんが開口一番「chatGPTはワシの仕事に関係ないなんて言っちょ
 る場合じゃないですよ」と熱弁をふるって始まる。chatGPT使い方、社会に与える正負の
 側面、将来無くなる職業などのテーマで解説。これが一番面白くてピンと来るかも。

■研究者・開発者の視点から

  1. 【落合陽一】「ChatGPT」強化学習リーダーは、日本生まれで6カ国渡った元Google Brainの研究者。OpenAIのシェイン・グウが語る、”生成AI時代”の日本の「強みと新たな可能性」とは? - YouTube

日本のAI研究者として著名な落合氏と実際にChatGPT開発に携わった開発者の対談です。
専門用語が飛びかって半分は理解できませんが天才・超秀才クラスの頭脳が語るAIの世界と未来です。ちょっとマニアック過ぎるきらいもある。

 

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1002.市民感覚ずれてる政党

2023-02-12 | 暮らし

統一地方選を前にこれは致命傷となるかもしれない。
日本共産党が現役の党員・松竹伸幸氏を除名処分したことである。

今年1月、党員でジャーナリストの松竹伸幸氏が「シン・日本共産党宣言」を出版した。松竹氏は発売日に記者会見を開き、党員の直接投票による党首公選制の導入などを提言、また、志位委員長の在任期間が22年を超えたことについて「国民の常識からかけ離れていると言わざるを得ない」と批判した。

しかし、このことが災いを招くこととなった。

「党の決定に反する意見を勝手に発表することはしない」、「党に敵対する行為は行なわない」などの党規約に違反している、民主統一制を逸脱し、党を外から攻撃した・・という理由で日本共産党は松竹氏を除名処分にしてしまったのだ。
「攻撃」などという言い方から明白なよう異論に不寛容な共産党の体質を強く印象づけた。

この問題を社説で取り上げた朝日新聞や毎日新聞は「国民遠ざける異論封じ」(朝日)、「時代にそぐわぬ異論封じ」(毎日)と指摘し、最後にこのように締めくくっている。

▼「党内の結束が保てたとしても、これまで共産党の政策や活動に理解を示してきた党員以外の有権者や知識人の心が離れるなら、党勢は細るばかりだと思い知るべきだ」(朝日新聞)

▼「今回の振る舞いによって、旧態依然との受け止めがかえって広がった感は否めない。自由な議論ができる開かれた党に変わることができなければ、幅広い国民からの指示は得られまい」(毎日新聞)

これらの指摘は市民感覚としては至極当然だと思うのだが
志位委員長は「朝日新聞に指図されるいわれない」などと子供じみた反論をしている始末だ。
要は松竹氏がちゃんと党内手続きをしていなかったことを問題視し、繰り返し反論しているのだ。が、一般の市民には共産党の言ってることのほうが理屈っぽくて心に響かないし共感できない。人は論理や理屈ばかりでは動かないことが分かってない。やはり共産党ってこわいねぇ、閉鎖的で封建的だねぇ、という刷り込まれた過去の暗いイメージが更に広がってしまった。

党員でもない私が赤旗日曜版をとり始めたのはおよそ50年前。大学の学生寮で一緒だったMくんと偶然に東海道線の通勤電車内であい、購読を頼まれたのがきっかけだった。
以来、ずっと今日まで購読し続けてきたのは朝日新聞が云うように「共産党の政策や活動に理解を示してきた」からに他ならない。とくに独自の調査能力はさすがのものがあった。

が、今回の件でさすがに嫌気がさした。あまりの時代錯誤に呆れ果てたと言っていい。
そう感じた人はきっと少なくないだろう。
統一地方選を前に共産党が下した除名処分の代償は大きい。