温泉めぐり紀行

丹沢の新緑(2022年5月)

232."yamamura" カップ

2012-09-20 | 暮らし

8月のその日も朝から強い日射しが照りつけた一日だった。

ラジオから午前11時の時報流れたからそろそろ出かける時間だ。

隣町にあるグループホームに妻を迎えにいくのだ妻は、そこでもう何年も

前から歌のボランティア活動をしている。時々、音大時代の友人が

手伝ってくれるのだが、基本はひとりである。

調律しても直きに音程が怪しくなるアップライト・ピアノをひきながら

おじいちゃん、おばあちゃんと、たとえば故郷などの童謡を小一時間歌って過ごす。

さてと、

そろそろ終わる時間とみて家を出た。暑い。この夏は異常なほど暑い。

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そのグループホームはやや小高い丘にあって緩やかな坂を登っていく。

車が坂を上がり切ろうとしたとき、

道端に自転車と一緒に倒れているお爺さんがいるのを発見。

かがみこんで修理でもしてるのかな、と思ったが、どうも様子がちがう。

車から降りて声をかけると「大丈夫です」と下をむいたまま返事がある。

意識はあるようだ。でも、起き上がろうとする気配もないし、起き上がれそうもない。

正午ちかくの陽射しは容赦なく降り注ぐ。

一人では助けられそうもないのでグループホームに駆け込み、

事情を話して女子職員さんに来てもらい、妻と私の三人でお爺さんの身体を

支え、何とか立ち上がらせることができたのだった。

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しかし、ご本人はフラフラとして足下が覚束ない。

発見するまでどのくらい倒れていたか分からないが、熱中症なのかもしれない。

近くの国際親善病院で診てもらった帰りにどうも道をまちがえたらしい。

この暑い陽射しの下で体力を消耗したようだ。住所を訊いて、カーナビで

調べたら、自宅まではそれほど遠くない距離だ。車で送りましょうかといっても

「いえ、大丈夫です。ご迷惑をかけられません」

の一点張り(ほんとうに頑固だ)。

とうとう職員さんの制止も振り切って自転車に乗って走り始めてしまった。

これはまずい!!

万が一何かあったらすぐ行けるように、自転車の後を車でついていくことにした。

案の定、ふらふらと左右に揺れながら道の真ん中を走っているではないか。

「きゃぁ、危ない!!」妻が悲鳴をあげる。

間一髪、車に轢かれそうになりながらも交差点を渡りきり、

電柱にぶつかりそうになりながら細い道を右に左に走って行く。

カーナビの示す目的地に近づいていくので家はもうじきらしい。

ひょいと曲がって大きな庭のある家に自転車が入っていった。

車を降りて駆け付けると、

ぐったりと植木に寄りかかって方で息をしているではないか。

「大丈夫ですか」と声をかけ、

妻には家人を呼びに、そして椅子を持ってくるように頼んだ。

家から奥さんがびっくりして飛んで来られ、お爺さんを椅子に座らせ、

やれやれ、ひと安心。

「何か冷たいものをお出しして・・」とお爺さんが気遣いされ、

奥さんがアイスクリームと麦茶をだしてくださった。

「先日も家で倒れて救急車を呼んだんですよ」と奥さんが急な事態にオロオロ。

水分をとり椅子で座って疲れがとれたようだった。玄関まで腕を支え、

やっと自宅に帰還されたのでした。

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奥さんがどうしてもと懇願されるので住所メモをお渡ししたのだが、

なんと翌日の夕方、自転車に乗って奥さんがお礼に我が家に来られた。

御菓子と高島屋の包装紙に包まれた商品券も・・。

開けてみたらなんと1万円分!!!。全く恐縮してしまった。

翌日、たまたま山梨に遊びに行ったので巨峰一箱をお届けした。

「どうやって帰ってきたか記憶に無いらしいです。本人はもう自転車には

乗らない、と云ってます。春には庭の枝垂れ桜がきれいなのでぜひ

見に来てください」と奥様。

というわけで、

いただいた商品券で何か記念になるものを・・との妻の提案で

写真のようなカップとポット(独製)を高島屋で買わせて頂きました。

以来、我が家では、そのお宅の名前を冠して、"Yamamura Cup"と呼んでいる。

毎朝、Coffeeが注がれ、おいしく愛用させてもらっている。

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        Yamamura Cup


231.乗鞍高原温泉ゆけむり館

2012-09-18 | 温泉探訪

硫黄泉の匂いは強烈だ。

一日経っても身体や衣服からそこはかとなく硫黄臭が漂ってくる。

乗鞍岳で遊んだ帰りに乗鞍高原温泉の「ゆけむり館 」で汗を流した。

乳白色の温泉は45度、単純硫黄泉。

サワラを使った湯船からは豊富な源泉があふれ出る。

露天風呂はそんなに大きくはなくて4㍍×5㍍くらいか。

乳白色の温泉は、熱くも、ぬるくもなく、気持ちのよさが肌に伝わる。

9月の3連休最終日とあって露天風呂も父子連れでにぎわっている。

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老朽化のためリニューアルを計画中         ゆけむり館の内部

ここから8㌔ほど離れた場所に白骨温泉がある。何といっても「泡ノ湯」が超有名で

その昔、温泉仲間と訪ねたことがある。池のように広い露天風呂には、

樋から乳白色の源泉が流れ落ち、まるで牛乳風呂のようだ

肌が隠れるせいか女性客が多いので、ワクワク、ドキドキの名スポットとなっている。

だけど今となっては、

  「混浴で兆しも見せぬ年となり」(毎日新聞・万能川柳/2012年9月19日)

てなとこで、淡いもんですよ。

 

ところで、

今日(17日)の乗鞍岳は台風の影響で南風がとても強かった (YouTube動画映像)

畳平でバスを降りてからお花畑を一周し、富士見岳(2818m)、魔王岳(2763m)とトレッキングをした。

思いの外、気温が低くて寒いので、雨具を着込んだ。

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富士見岳からお花畑を望む               天候が急変する

すごい登山をしたように見えるが実は畳平の標高が2702mなので

富士見岳へは30分程度で登れる。それにしても高山地帯の風は猛烈に強く、

奥さんは頂上の標識につかまっていなければ吹き飛ばされそうだった。

 

雲やガスが勢いよく流れ、青空が見えたかと思うと直ぐに隠れてしまう不安定な天候だった。

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 畳 平                            お花畑を歩く

3時間ほど花や山の景色、空気を満喫し、

畳平を午後1時5分のバスで下山。50分後、乗鞍観光センターの駐車場に戻り、

お風呂セットを持って「ゆけむり館」へ足を運んだというわけです。

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     トウヤクリンドウ

午後3時過ぎ、国道158号線に戻り、塩尻北ICから中央高速へ。

今日は連休最終日。案の定、大月から八王子まで30㌔の渋滞中だ。

なので時間調整してから再出発するため、甲府南ICで降りて定番の「みたまの湯」へ向かう。

思ったほど混んでないのでやれやれとひと安心。夕食を済ませ,ひと風呂浴びてから

休憩室で仮眠。奥さんは単行本を読んでいる。

夜9時過ぎ、出発。談合坂SA過ぎまで順調に流れ、上野原から相模湖、小仏峠が

渋滞したもののまずまずの時間に帰宅できたのでした。

奥さんのメモによれば、1月から数えて、これで60湯を超えたそうです。

 

「温泉巡り紀行」はこちらから


230.上州の温泉ふたつ

2012-09-14 | 温泉探訪

■渋川からこもちの湯へ

草津の竹桐会夏合宿に行く途中、ローカルな温泉二つを訪ねました。

都内で思いの外ひどい渋滞にはまり、長野原草津口駅でOB諸氏との合流が

難しくなったため、その旨をメールで連絡して了解を得たので、すこし時間に余裕ができた。

関越道の渋川伊香保ICを降りて国道17号を走り、「道の駅・こもち」へ。

農産物が豊富に並び、しかも安いので客で賑わっている。

うちの奥さんのお父さん、つまり私にとって義父の実家がここ子持村。

義父は69才の若さで20年前に亡くなったが、実家を継いだ長男の息子さん(つまり奥さんから見てイトコ)が子持村の議員だったとき、

道の駅を作るためにとても尽力していたそうだ。そのイトコさんは村議会の質問中に心筋梗塞で倒れ、道の駅の完成を見ずに帰らぬ人となった。

そうした少なからぬ縁を感じながらオミヤゲにナス、ジャガイモ、メロン、トマト、ツルムラサキを買った。

看板を見て、道の駅の近くに「白井温泉・こもちの湯」があることがわかり、ひと風呂あびることにした。

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白井温泉・こもちの湯

1時間250円の入浴券を買って、さっそく湯船へ。金曜日の昼過ぎとあって客はまばら。

大谷石で作られた湯船には源泉100%の単純泉が注ぎ込む。

大谷石はつるりと滑らなくて湯船に適した石材だ。小さな露天風呂がついてるが、こっちはすこしぬるい。

畳の休憩所には涼しい風が吹き抜けて気持ちがよい。

同じ敷地内にあるふれあい館の「もり蕎麦」がおいしかった。

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そば処

■ひなびた根古屋代温泉から箱島湧水へ

草津までのカーナビをセットしていたら、途中に幾つかの温泉があることが分かった。

富貴の湯 」は昔、人づてに評判を聞いて入ったことがあるちいさな温泉だ。金色の湯だった。

なので、ここはパスして未だ入ったことのない「根古屋城温泉 」へ向かった。

道路工事していたため、だいぶ回り道をして根古屋代温泉へ辿り着いた。

庭先がひろびろとしてなんかいい雰囲気をだしている。料金は400円。

日帰り入浴のみで客は私ひとりだけ。露天風呂へ出てみると眼下に里が見えた。

けっこう高台に立地している温泉だ。露天はややぬるめだが内湯は適温で気持ちよい。

畳の休憩室ではラーメンだとか軽食もだしているようだ。

こういう小さいけれど地元の人に愛されている温泉はいつまでも続いていてほしい。

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根古屋城温泉の庭先                 源泉が注ぎ混む内湯
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露天風呂

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休憩室で横になる

ふたたび県道に戻って走っていると「箱島湧水の看板を眼にした。

名水百選のひとつであることは知ってはいたけれど未だ行ったことがないので

寄り道することにした。急な山道を登り、5分ほどで着いた。

駐車場から林道を歩いて5分。誰もいないと思っていたら水を汲んでる人が数人いたのには驚いた。

神社にお参りし、名水を手ですくって飲んだ。まろやかで冷たい感触が喉をふるわせた。

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林道を歩く                      湧水が見えてきた
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冷たい                              すごい水量だ

■巨大な「西の河原(さいのかわら)露天風呂」に

そして今日最後の温泉、

草津温泉の「西の河原露天風呂 」を訪ねた

今宵の宿、草津高原YHに着いたのは夕方の6時ちかく。

OBたちはもう入ってきたというので荷物を預け、さっそく西の河原露天風呂へ。

あたりはもう薄暗くなったが露天風呂には灯りが点いている。500円を払い、

大きな温水プールのような風呂に足を入れる

150坪の広さだというのに隅々まで適温なのだから感心してしまう。

7時から食事なので、そこそに湯からあがって駐車場へ向かってたとき、

タオルを忘れたことに気がついた。

8月の大槌町で配られてたTSUTAYA製の細長いお気に入りのタオルである。大急ぎで

戻ってみたが無い!!!。誰かが持ち去ってしまったか、5分も経っていないのに・・・。

仕方なくあきらめて宿へと車を走らせたのでありました。

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草津温泉の湯畑

「温泉巡り紀行」こちらから

 

 

 

 

 


229.大槌北小学校が新聞記事に

2012-09-13 | 東北ボランティア

今日、9月13日(木)の毎日新聞

その社会面に岩手県・大槌北小学校の関連記事がでていて、懐かしく紙面を読みました。

大槌北小学校を活動拠点にして元新聞記者と学生ボランティアが地紙を創刊するというという記事でした。

月1回の発行を目指し、町内全戸に配布する計画とのこと。

継続的に発行するため、町民自らが記者になってもらう町民リポーターを募集し、

9月1日に町民8人が参加して初の写真教室が開かれた。

その様子が写真記事なっている。その教室は、今夏、私達が泊まった隣の教室です。

そういえば新聞発行に向けて女子学生たちが自転車でよく取材にでかけてましたね。

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旧大槌北小学校

・・・・・・・・・

話はかわりますが、

津波に耐えながらも枯死した陸前高田の「奇跡の一本松」。

きのう12日伐採されましたね。

愛知県内の製材工場で9分割され、芯をくりぬかれた後、防腐処理されて来年2月末、「希望の象徴」として現地に復元されるとのことです。

今年の8月13日に訪れたときの一本松です。帰省客や全国から来た観光客で賑わっていました。

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高田松原の奇跡の一本松(2012年8月13日)

 

 

 

 


228.草津温泉&サークル合宿

2012-09-11 | 温泉探訪

群馬県草津温泉に行ってきました。

大学時代のサークル合宿にOBとして参加するためです。

なんのサークルですかって?

琴、三弦、尺八の邦楽を愛するクラブサークルなんです。名前は「竹桐(ちくとう)会」。

尺八の素材の「竹」と琴の素材の「桐」から先輩達が命名し、昭和39年からほぼ半世紀近く学内で部活動が続いている。

以前にも書いたように奇人変人倶楽部と陰でいわれていたこのサークルには本当に変な人(私も含めてですが)、人間的に面白い人が多かった。

私は昭和41年に入学して以来、卒業まで6年間在籍し、部長をやったり勉学そっちのけでサークル活動にのめり込んでたのは、そうした連中との日々がすごく快適で楽しかったからだ。

合宿場所の「草津高原ユースホステル」に夕方5時ころに到着した。横浜から車で約230㌔だった。

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ユースホステル                   草津温泉の象徴、湯畑

受付に現役の学生がいて部屋に案内してくれた。音を出すサークルなので全館貸し切りとのことだ。

やぁ、どうもどうも、お久しぶりですぅ、全然昔と変わってませんねぇ

30年ぶりくらいに会った矢野くんも60を超えてるはずだ。

あなたこそ昔と同じくらいに若いよ、髪もふさふさで全然変わらないしね。

不思議なもので、あっという間に昔の学生時代に戻ってしまう。

ほかに安川さん、黒羽さん、蛯原さん、そしていつもハイテンションでエネルギッシュな吉田は夕食時に到着。

皆、40数年前のサークル仲間だ。血圧だ、糖尿だ、痛風だと年相応に薬の厄介になってるけれどそれなりの生活を送っているようだ。

食事後、現役の学生さん15人(女子10、男子5)と懇親会。

自分の子どもよりも若い学生さんと話ができるのもサークルのお蔭です、

と誰かが云っていたが、ほんとにそのとおりだ。

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食堂です                        後輩の話しを聞くOBたち
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新入生の自己紹介

温泉の話は次回にまわします