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大真空、水晶光学部品の生産体制を再編 LPFの生産を中国に移管

2009-12-29 | 電子部品業界



 水晶デバイス大手の大真空は、水晶光学部品の生産体制を再編する。

 2010年3月末までに神崎工場(兵庫県市川町)での生産を終了し、製品納入先の承認を得たうえで生産設備を中国の天津工場(天津市)に移す。

 神崎工場は水晶光学部品の研究開発拠点として存続させる。中国への生産移管で製造コストを抑え、将来の生産拡張にも備える。


●海外生産比率拡大

 神崎工場の主な生産品目はデジタル一眼レフカメラ用の水晶光学ローパスフィルター。デジタル一眼で画像補整に使う主要部品の一つ。国内外に10カ所ある大真空の工場で同部品を製造するのは神崎工場だけだった。

 ローパスフィルターの需要は拡大傾向にあるため、工場の拡張余地がある天津工場に生産機能を・移管する。

 神崎工場の生産を終了するのに伴い、水晶光学ローパスフイルターの生産にかかわる30人ほどの従業員は近隣の西脇工場(兵庫県西脇市)などに配置転換する。

 神崎工場は水晶光学部品の研究開発に特化する。天津工場はコンパクトデジカメ用などの汎用光学部品を生産しているが、今後はデジタル一眼用など高付加価値品の製造にも注力。

 これまでデジタル一眼用の光学部品は国内メーカー向けの販売が中心だったが、中国生産でコストを抑えることにより、現地メーカー向けの販売も視野に入れる。

 大真空の海外売上高比率は約7割を占めるが、海外生産比率は5割程度にとどまっている。09年4-9月期は円高に伴い5億円あまりの為替差損を計上し、経常損益が赤字に陥る要因となっている。

 同社は為替リスク対策も兼ねて、海外売上高比率と同じ水準の7割前後まで海外生産比率を拡大する方針。





【記事引用】 「日経産業新聞/2009年12月24日(木)/4面


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