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電子部品大手7社、4~12月期は営業減益 6社が通期予想を下方修正、円高・タイ洪水響く

2012-02-10 | 電子部品業界



 電子部品大手7社の2011年4~12月期連結決算が9日、出揃い、本業の儲けを示す営業利益は全社が減益となった。

 景気低迷で受注が落ち込んでいるほか、円高やタイの洪水の影響も重しとなっており、通期はローム以外の6社が業績予想を下方修正した。各社はスマートフォン向けなど成長分野へのシフトを急いでいるものの、受注減をコスト削減でしのいでいるのが現状。


●業績回復には時間

 4~12月期決算は、タイの洪水で生産が滞ったHDD(ハードディスク駆動装置)用モーターの落ち込みを他製品で補った日本電産以外の6社が減収となった。

 最終損益は、TDKと9日に発表したロームが赤字に転落。残る5社も減益となった。

 ロームは薄型テレビなどのAV機器に使われるLSIの受注が低調だったほか、タイの洪水で工場の操業が停止したため100億円の特別損失を計上した。

 京セラは半導体の販売が幅広い分野で減少し、太陽電池も中国メーカーなどとの価格競争激化で採算が悪化。村田製作所は主力のコンデンサーなど全分野で減収となった。

 12年3月期の最終損益はTDKが3期ぶり、ロームは1983年の上場以来初の赤字となる見通し。日東電工は液晶パネルに使われる電子材料など受注が低迷しているため、今期だけで3度目となる通期業績見通しの下方修正に踏み切った。

 7社のうち唯一、通期予想を据え置いたロームも「先行きが不透明で、タイ洪水の保険料収入額も未定のため」とする。厳しい受注環境が続き、下方修正に踏み切る可能性もある。

 各社とも欧州の経済不安や超円高は今後も続くと予想。タイの洪水で操業を停止した各社の工場は生産再開のメドがつきつつあるが、顧客の完成品メーカーまで含めると生産が完全に戻るのは春頃になる見通し。

 このため、「部品受注の回復は春以降になる」(久芳徹夫京セラ社長)との見方が大勢を占めており、業績回復には時間がかかりそう。





【記事引用】 「SankeiBiz/2012年2月10日(金)」

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