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村田製作所、海外生産比率2倍に 高周波部品中心に積極的に設備投資、12年度30%目標

2012-02-07 | 電子部品業界



 村田製作所は、13年3月までに海外生産比率30%の目標に向けて海外生産を増強する。

 12年3月期通期で700億円、うち20%を海外に充てるとした期初設備投資計画を変更せず、140億円を海外生産の増強に充てる。

 これにより、現在15%の海外生産比率を12年3月末に20%に引き上げ、13年3月までに30%を目指す。


●高周波部品を増強

 藤田能孝副社長は「円高に関係なく、中期3カ年経営計画に沿って海外生産比率を引き上げていく。」と力を込める。

 また、「セットの多機能化で搭載数が増えている積層セラミックコンデンサ(MLCC)、高周波化、多機能化で需要が拡大しているEMI部品、ワイヤレスLAN向けに大きく売上げを伸ばしている高周波部品の増強を中心に積極的に海外工場に設備投資を続ける」と話す。

 MLCCは、11年3月に竣工した中国・無錫工場のMLCC専用の新棟でのMLCC一貫生産ラインを本格稼動させ、12年3月末に11年3月末比で25%増産するとしていたMLCCグローバル生産能力増を予定通り進める。

 EMI部品は、11年5月に竣工したタイ工場の新棟(延べ床面積8100平方mの2階建て)でEMI部品の増産を10月から開始した。三端子コンデンサ、フェライトビーズ、コモンモードチョークコイルなどを増産している。

 高周波部品は中国・深川工場に11年6月竣工した新棟(延べ床面積3万200平方mの4階建て)で翌7月から無線LANモジュールの増産を開始、順調に生産を増やしている。

 藤田副社長は「無線LANモジュールは生産を日本から深圳に移して約1年になる。量産規模、不良率低減、労働生産性向上に非常に貢献している」と一連の海外工場増強が計画通りに進んでいることを説明する。


●国内外で生産増強

 同社では、13年3月期の主要セット市場を携帯電話が前年比5-10%増(スマートフォン同35%増)、PC同10-15%増、テレビ同5-10%増それぞれ伸びると予想。

 セットの多機能化、高機能化に伴う部品点数も増加。スマートフォンのMLCCの1台当たりの搭載個数増で年間数量5%のプラス要因とみている。

 藤田副社長は「11年度第4四半期が業績の底で4月以降受注は上向き、業績も回復する。工場操業度も11年度第3四半期は92%、第4四半期は88%の見込みだが、第4四半期を底に3月には90%に戻り、4月以降は90-95%に戻ってくる」と予想。

 国内外で生産を増強。海外生産はもう一段の増強が必要とみて、海外生産比率30%プラスアルファに向けて、さらに増強を続ける考え。





【記事引用】 「電波新聞/2012年2月7日(火)/1面」


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