村田製作所は水晶デバイスの強化を目的に、東京電波に追加出資することを決めた。東京電波の発行済み株式200万株を取得し、筆頭株主になる。
水晶デバイスの搭載数の多いスマートフォンの普及で、同デバイスの市場も急拡大している。東京電波の持つ水晶素子に関する技術と、村田製作所の生産技術の組み合わせで、この成長市場の取り込みを目指す。
●新製品の展開図る
両社は2009年に資本提携し、水晶製品を共同開発している。今回、東京電波の創業家が個人保有している株式を取得し、出資比率を10.6%から31.9%に引き上げる。
資本関係を深め、後継デバイスの開発力を高める。販売面でも提携するほか、生産性の向上やコスト低減にも取り組む。村田製作所の藤田能考副社長は会見で「セラミックにこだわらず新しい製品の展開を図りたい」とした。
スマートフォン市場の拡大を背景に、水晶デバイスの需要は大幅に伸びている。
日本水晶デバイス工業会によると11年度の水晶デバイス生産量は前年度比11.6%増の125億8000万個に達する見込み。
【記事引用】 「日刊工業新聞/2011年5月23日(月)/2面」