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コムラサキ・2~浄瑠璃緑地

 文部科学省が今年6月に発表した 『国立大学の人文系の組織再編』 が、“人文系軽視” と各方面から不満が噴出し、文科省は火消しに奔走している。国立大学から文系学部が消えるわけではないだろうが、この通知に対応して人文系学部の見直しを検討している国立大学は多い。文系の学部を卒業した身としては、いささか気になるところだが、しばし推移を見守ることにしよう。
 私は私立文系を受験したが、その時の入試科目は 『国語』 『英語』 『世界史』 の3つ。そのうち第一志望大学の 『国語』 では、必ず “源氏物語” の一節から出題されるとの評判で、それならとりあえずあらすじだけは頭に叩き込んでおこうと思って、当時刊行された円地文子著 『源氏物語(現代訳)』(全10巻) をすべて読んでおいた。結局入試で “源氏物語” から出題されたかどうかは忘却の彼方だが、その本は今でも書棚にある。
 写真は浄瑠璃緑地の藪から小枝を伸ばしている「コムラサキ(小紫)」。シソ科(←クマツヅラ科)ムラサキシキブ属の落葉低木で、ムラサキシキブよりも小振りで果実が密に付く。ムラサキシキブの名は “源氏物語” の作者の紫式部とはどうやら無関係で、実が付くさまを、シゲミ(重実)と言い、これが “シキミ” に転訛して、 “ムラサキシキミ” と呼ばれていた。その後 “紫式部” の呼び方に変わっていったようだ。
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