昨日は韓国サッカー国家代表チームの評価戦。「評価戦」というのは耳慣れないですが,本番のワールドカップを前にして,同じ組のチームと似たタイプの国と行う練習試合のこと。日本では「強化試合」と呼ばれているようです。
今回の相手はボスニア・ヘルツェゴビナ。スイスと似たタイプとして選ばれたようです。数日前,トーゴを念頭に置いて選ばれたとおぼしきセネガルに,リードしながら終了10分前に同点に追いつかれ,無勝負(ムスンブ=引き分け)に。今回は必勝を期して,市庁前広場にも赤いTシャツを着た大応援団が試合開始の何時間も前から「デーハンミンクク」の気勢をあげていました。
家で一人で見るのもつまんないので,韓国人の友人T氏に電話したところ,約束はないとのこと。我が家でタイ料理をつつきながら観戦することに。ところが前日,材料を買って家についたとき,嗅覚の鋭い日本人の友人K氏が,何カ月かぶりに電話をくれた。翌日,やはり空いているというので,別の友人を連れてくるという。2人分の材料しかないので,予定のタイカレー以外に,もう一品作ることにしました。
タイカレーに,タイスキ,タイ米,タイの酒…,タイづくしですね。
皆が勢ぞろいして、タイ米を炊いていると
「おっ,タイの匂いがする。これ好物なんですよ」とK氏。
「この米はちょっと特別でね。フランスの香りもついてるんだよ。」
タイからの帰り、わがスーツケースが辿った数奇な運命をちょっと紹介しました(4月23、24日のブログ参照)。
さて、カレールーは緑,黄色,赤がありましたが,人気の緑は使いつくし,今日は黄色で,チキンカレー。新世界百貨店の地下で買ってきた,鶏肉にピーマン,ナス,名前のわからないキノコ。
それにしてもデパ地下の野菜は立派ですね。ナスなんか,形といいツヤといいほれぼれしてしまいます。
ココナツミルクとカレールーで,しばらく鶏肉を炒めたあと,残りの材料をすべてぶち込み,仕上げにナンプラーで味の調整。慣れてしまえは簡単なもんです。
そして酒。食前酒は,T氏持参のビール,ハイトプライムとサッポロ黒ラベル。料理の出来てからはタイの得たいの知れない酒をあけました。壜一面にタイ文字が書いてあるのですが,まだ勉強を始めたばかりの私には,解読不能。
「カンパーイ」
「うーむ,これは……」
「なかなかですね」
「なんか小学校の予防注射を思い出すなあ」
「いや、キンカンだよ、これは」
「なつかしい味ではある」
原料は米ではなく,なんかの雑穀のような気がします。とにかく,カレーを食いながら見た前半戦は,双方無得点のまま終了。
後半戦のメニューは,タイスキ風おでん。というか,まったくの日本のおでん(冷凍食品)を,タイ製のタイスキのタレにつけていただくという趣向(まあ,つけなくてもいいんですけど)。
はじまってまもなく,韓国ソル・ギヒョンの先制ゴール。
「あ,入れたね」
「ほんとだ」
ちっとも盛り上がらない!
改めて聞くと,韓国人のT氏は,サッカーにほとんど興味がない,という珍しい韓国人だったのでした。
2002年,韓国×イタリア戦で賭をして,みんなが韓国に賭けたのにただ1人イタリアに賭け,もうちょっとでイタリアが勝つところだったのに,終了直前に同点,延長戦で例の安ジョンファンの劇的なシュート。「あのときはほんとにくやしかった」というT氏は,ただ者ではない。
おでんの箸は進むものの,酒が一向に進まないのに業を煮やした私は,金庫の中から秘蔵の酒をとりだしました。マッカラン10年。日本の通販で見つけ、前回の出張時、日本から持ってきた貴重な酒です。これかいかにすごい酒かを解説したあと(4月20日プログ参照),
「この酒は,タイ酒を飲み干した人だけが飲めます」
と宣言。みなさん,目をつぶって,鼻をつまんで飲み干してましたね。
「ところで,何で酒を金庫に入れてるわけ」
「えっ。いやそうしないと掃除のアジョシに飲まれちゃうからね」
「え,うそだろ?」
いや,実はこれほんと。半年ほど前,免税店で清水の舞台から飛び下りる気持ちでジョニーウォーカーブルーラベルを買い,家で大事に大事に飲んでたんですね。ある日,異変に気がついた。なんか昨日より減ってるような気がするぞ。そして,その日ははっきりとどこまで飲んだかを記録しておいた。次の掃除の日の翌日,確認しました。一センチ減ってる!
それ以来私は,開封後の高級酒は,セーフティーボックスに入れることにしたのです。
そうこうするうちに,韓国が二点目のゴールをあげ,終わってみれば韓国完勝。みな,ちっとも見ていなかったくせに,
「じゃあ祝勝会をしなくちゃ」
といって,夜のソウルの街に繰り出したのでした(その後の記憶はほとんどない。タイ酒が効いたようです。気がついてみれば,朝ちゃんとベッドの上で寝てたんですが,どうやって帰ってきたものやら。実は,これを書いている今も頭が痛い)。
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