大阪で猪を食べました。
私のゲテモノ好きを知っている知人が予約しておいてくれた店です。場所はなんば。実は、もっとリーズナブルな店があったということですが、調べてみたらつぶれていたらしい。興亡の激しさはソウルと似ているのかもしれません。
行った店は、猪専門店ではなく、すっぽんと馬と猪の三本立て。丸鍋、桜鍋、牡丹鍋のどれも五千円で、飲み放題にすると二千円プラス。
カウンターのほかに、テーブル席が三つほどの狭い店。要予約です。
猪肉の鍋のことは牡丹鍋と言いますね。
鹿肉の鍋は紅葉鍋。
猪鹿蝶か。
鹿は紅葉で、猪は牡丹…。
いや、待てよ。牡丹は蝶じゃなかったっけ。
花札では、猪は萩のはずです。
あとで調べてみると、猪の肉は、赤身と脂身の白の色の対照が鮮やかで、鍋が出てくるとき、丸皿にちょうど牡丹の花のように紅白の猪肉をあしらうからなのだそうです。
コースの最初に出てきた刺し身の盛り合わせをつつき、生ビールを飲みながら待っていると、本命の登場です。確かにわれわれが頼んだ牡丹鍋も、肉は牡丹の花様に皿に盛られていました。
鍋は味噌仕立て。肉とともに、豆腐、ねぎ、白菜、えのき茸などを投入し、煮立ったところで弱火にして、いただきます。
生を二杯空けたところで、ひれ酒に。
肉は、豚肉よりしっかりしていて、ややクセのある、野趣あふれる味わい。
猪の肉は季節もので、今が旬とのこと。私は知りませんでしたが、関西では丹波が猪の産地として有名なんだそうです。ところが、ご主人に聞くと、この店の肉は高知から仕入れるらしい。今シーズンは、脂の乗った良質の肉が入ったとのことです。
猪は、狩猟で射止めたものばかりなんですかね。飼育ができれば、もっと安くなりそうなものですが。
ところで韓国語で猪は、メッテジといいます。テジは豚。メは古語で山の意味。日本語の「やま」に当たります。
現代韓国語では、山を言うときに漢字語の山(サン)を使い、固有語のメは廃れてしまいました。わずかに、「山」という漢字の意味を覚えるとき、メー・サンと言うぐらい。あとは、メッテジのような複合語にその片鱗を残しています。
韓国では、ソウルの日本式居酒屋のメニューに「イノブタ」の串焼きがあるのを見たぐらい。メッテジは野生動物で、「食べ物」という認識はないようです。
韓国の昔の小説に、狩猟を題材にしたものがあり、その中で猪が狩猟の対象になっていましたから、昔は食べたのでしょう。
ひれ酒を2杯、3杯と空け、飲み放題二千円の元をとったあたりで、早、店じまいの時間。われわれは二次会に、天王寺に向いました。
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コメントありがとうございます。
多産みたいですけれど、性格が凶暴そうだし、飼育者の安全のためのコストもかかるのかもしれませんね。