
朝ドラ「あんぱん」は、『アンパンマン』の作者、やなせたかし(ドラマでは柳井嵩)を主人公にしたお話。
時代は太平洋戦争期に入りました。
東京で藝術大学を卒業し、製薬会社に就職した嵩(たかし)にも、ついに赤紙が来ました。親友の辛島健太郎が一足先に出征したとき、嵩は「僕は戦争が大っ嫌いだ」と言って健太郎を抱きしめました。
一方、幼馴染の若松のぶは、「愛国の鑑」として母校の尋常小学校の教壇に立ち、子どもたちに「お国へのご奉公」を説きます。
同郷の同じ学校で教育を受けながら、対照的な考えをもつようになった二人…。
少し前、偶然、昭和8年(1933年)から13年(1938年)に発行された尋常小学校の教科書(国語、修身、算術)を入手しました。
教員になったのぶが、小学校で教えていた教科書と同じものでしょう。
日本は1931年に満州事変、1937年に日中戦争に突入し、軍国主義国家になっていく。その時代に作られた、「国定教科書」です。
「修身」(今の「道徳」)の教科書には、天皇陛下や戦死した軍人に対する賛美の文章が目につきます。



大正15年(1926年)生まれの私の父も、同じ教科書で勉強し、「愛国少年」となって「陸軍士官学校」に進みました。
当時の子どもたちにとって、教科書の影響力はまことに大きい。
嵩もまた出征し、軍隊での経験を経て、反戦思想をいっそう強めていく思われます。
やなせたかしは、ドラマの中の発言そのままの『ぼくは戦争は大きらい』(2013年、小学館)というエッセイを書いているそうです。
朝ドラ「あんぱん」の今後の展開が楽しみです。
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