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犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

やなせたかしが学んだ教科書

2025-06-06 22:15:10 | 朝ドラ


 朝ドラ「あんぱん」は、『アンパンマン』の作者、やなせたかし(ドラマでは柳井嵩)を主人公にしたお話。

 時代は太平洋戦争期に入りました。

 東京で藝術大学を卒業し、製薬会社に就職した嵩(たかし)にも、ついに赤紙が来ました。親友の辛島健太郎が一足先に出征したとき、嵩は「僕は戦争が大っ嫌いだ」と言って健太郎を抱きしめました。

 一方、幼馴染の若松のぶは、「愛国の鑑」として母校の尋常小学校の教壇に立ち、子どもたちに「お国へのご奉公」を説きます。

 同郷の同じ学校で教育を受けながら、対照的な考えをもつようになった二人…。

 少し前、偶然、昭和8年(1933年)から13年(1938年)に発行された尋常小学校の教科書(国語、修身、算術)を入手しました。

 教員になったのぶが、小学校で教えていた教科書と同じものでしょう。

 日本は1931年に満州事変、1937年に日中戦争に突入し、軍国主義国家になっていく。その時代に作られた、「国定教科書」です。

「修身」(今の「道徳」)の教科書には、天皇陛下や戦死した軍人に対する賛美の文章が目につきます。







 大正15年(1926年)生まれの私の父も、同じ教科書で勉強し、「愛国少年」となって「陸軍士官学校」に進みました。

 当時の子どもたちにとって、教科書の影響力はまことに大きい。

 嵩もまた出征し、軍隊での経験を経て、反戦思想をいっそう強めていく思われます。

 やなせたかしは、ドラマの中の発言そのままの『ぼくは戦争は大きらい』(2013年、小学館)というエッセイを書いているそうです。

 朝ドラ「あんぱん」の今後の展開が楽しみです。


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