「軍艦島」を鑑賞したあと、ソウルで観光ガイドをしているIさんも呼んで、3人で食事をしました。
場所は地下鉄ホンデ(弘大)から徒歩5分ほどの火鍋の店。
すでに10年前に、朝鮮族が持ち込んだ羊の串焼きがソウルで流行り始めていましたが、最近は火鍋も流行っているようです。
「ニーハオ!」
Iさんは、もともと日本語が上手で、日本人相手の観光ガイドをしていましたが、韓日関係が冷え込んで日本人観光客が減り始めると、中国語の勉強を始めたという勉強家。
「景気はどうですか」
「ぜんぜんです。中国人の観光客も減っちゃって」
中国は、THAAD問題が持ち上がってから、韓国観光を規制し、かつて中国人で賑わったミョンドン(明洞)の通りも今は閑古鳥が鳴いているそうです。
犬「ところで、火鍋って韓国語でなんていうの」
I「シャブシャブ」
犬「それ、日本語でしょう?」
K「フォゴ훠궈ですね。中国語からの音訳のようです」
3人ともひさしぶりの再会なので、近況を報告します。
K「前はこの辺に住んでましたが、引っ越しました、○○洞へ」
I「でも、それって近いじゃない」
K「まあそうです」
青島ビールに、ピーナッツベースのタレをつけて火鍋を食します。鍋は、太極旗の真ん中の部分を思わせる形状で2つに分かれ、一方は白濁、もう一方は真っ赤です。でも色ほどには辛くない。
韓国の焼酎も置かれていたので、後半戦は「ソメク」(ソジュ(焼酎)とメクチュ(麦酒)を混ぜた爆弾酒の一種)に移行。
K「もう一軒行きましょうか」
犬「じゃ、コムチャンオ(ヌタウナギ)でも」
シンチョン(新村)の現代百貨店の近くにある、いきつけのコムチャンオ屋さんにタクシーで向かいました。
犬「あれっ。レイアウトが変わったね」
以前は手前のテーブル席の奥に、オンドルバン(オンドルの部屋)があったのですが、今回はすべてテーブル席になっていました。
I「なんでこうなったかわかりますか?」
犬「いや」
I「中国人のためですよ。中国は腰掛ける文化だから」
K「なるほど」
犬「でも、せっかくの改造も、中国人観光客が減っちゃしようがないですね」
K「そういえば、アメリカの高速道路でコムチャンオを満載したトラックが横転して、道路がヌルヌルになっていましたね」
コムチャンオが死ぬと体から大量の粘液を出します。
犬「そのニュース、ぼくもネットで見た」
K「あれ、全部韓国への輸出用だったそうですよ」
コムチャンオを食べる文化は、韓国にしかないようです。
I「この前、いっしょに食事をしたアガシ、日本語うまかったでしょう?」
犬「そうでしたね」
と言ったものの、あまり覚えていない。韓国のガイドの同僚だったはずです。
I「彼女が、日本語力を生かして別の仕事をしたいんだって。なんかありませんか」
K「日本で働きたいんですか」
I「どっちでもいいって言っているけど、たぶん韓国のほうがいいと思う」
K「ちょっと友人に聞いてみましょう」
犬「日本はビザが難しいよね」
この手の頼みを安請け合いすると面倒なことになるから要注意。
私のほうは、途中から意識混濁の状態。三次会はたぶん行かなかったのだと思います。気がついたときは、ホテルのベッドの上でした。
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