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犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

韓国便り~マンネフェチプ再び

2025-03-21 22:06:04 | 韓国便り(帰任以後)

写真:南大門市場の刺身屋、マンネフェチプ

 三日目の昼は、昨年の出張でも行ったことのあるワンビチプ・ユッコジョム(王妃家肉好店)。

 今風でおしゃれなハンシク(韓食)の店です。

韓国便り~肉好店

 頼んだのはチャドルパギ定食とトッカルビ定食。韓国風に分け合って食べました。チャドルパギは現在の大統領府のある三角地に峯山家(ボンサンチプ)という名店があるのですが、こういう状況(大統領罷免審判中)なので、今回は近づかないことに。



 この店のチャドルパギもなかなかイケました。トッカルビとは牛ひき肉をハンバーグのように成形して焼いたもの。「トク」は餅で、「餅のようにやわらかい」ということなんだろうと思います。

 ご飯は飯で出てきて、最後におこげ湯も作れます。

 値段はやや高めで日本円で2000円ほど。韓国の物価が上がったのと、円安のせいでしょう。ただ、円ウォンレートは100円が960~970ウォンで、落着いています。

 夜は、これまた前回の出張で満足した「マンネフェチプ」。お刺身の店です。

韓国便り~マンネフェチプ

 南大門の奥まったところで、日本人観光客のあまり来ない、ディープなお店。

 狭くて、高さが一段ごとに微妙に違う階段を上っていくと、アジュンマが

「オソオセヨー! またいらっしゃいましたね!」

と迎えてくれました。

「覚えてるんですか?」

「当たり前です。私は一度来たお客さんのこと、忘れませんから」


 日本人が少ないこと、韓国語をしゃべる珍しい日本人ということで、記憶に残ったのかもしれません。

 今回の出張の会食で人数がいちばん多く、日本人3人に韓国人6人、計9人。

 オンドル部屋に全員座った後、注文しようとします。

「もう準備してますよ。モドゥム三つ

「えっ、まだ頼んでないのに…」

「この人数ならそのぐらい食べなくちゃ」

 モドゥムというのは盛り合わせ。ヒラメとメバルと何かでしょう。

「ま、いっか」

 例によって、テーブルを埋め尽くすようにミッパンチャン(無料のおかず)が並びます。

 辛い物が苦手の日本人にも食べられるものがあって幸いでした。



 メインの刺身は、ヒラメ、メバル、ブリでした。

 お酒はテラ(ビール)、チャミスル、百歳酒。 チャミスルと百歳酒は別の容器にまるごと投入して爆弾酒にします。今回、百歳酒のデザインが変わっていました。



「結局、尹大統領の弾劾審判はなかったね」

「来週になりそうですね」

「デモもやってないみたいだね」

「平日はやりません。週末だけです」


 デモが一番盛んなのは光化門(クァンファムン)広場。

「ホテルの目の前が市庁前広場だけど、なんか囲いがしてあった」

「冬の間、スケートリンクが設置されるんです。まだ片付けてないかも」

 集会が開けないように、わざと片付けを遅らせているのかもしれません。

「デモには行くの?」

 すると韓国メンバーが顔を見合わせます。どうも政治的な話はしないことにしているようです。

「私は〇〇さん(このとき来ていないメンバー)と行きましたけど、あんまり人が多くて、息苦しくなって、それからは行ってません」

 150人以上の犠牲者が出た、2022年、梨泰院圧死事故が頭をよぎりました。

「弁当が出るっていう話だね」

「ハハハ、それが目当ての人もいるかも」


「トッポッキが無料、ピクニックかと思った」…尹大統領弾劾集会に参加した台湾女優に批判(中央日報日本語版3月20日付)

 最近、韓国の景気が悪く、若年失業者が増えているというニュースをよく目にします。

(仕事もないし、デモにでも行くか。弁当も出るし…)

なんていう人が多いのかも。しかし、弁当代は誰が出してるんだろう。罷免賛成派の集会は野党「ともに民主党」で、反対派は与党「国民の力」なんでしょうか。

 おおかた刺身を食べ終わったところで、サンナクチを追加しました。

 サンナクチは活きダコ。小ぶりのイイダコが生きたまま供されます。切ってあるのにグネグネと動いている。塩とごま油をつけて口に放り込むと、舌や上あごに吸盤で吸い付いたりする。その食感(?)が野趣あふれる食べ物です。

「私、この歳になるまで、食べたことないんです」とある韓国人。

「あれ? コムチャンオは食べていたでしょう?」

 コムチャンオとは日本名ヌタウナギ。やはり生きたまま出てきて、炭火の上でのたうち回ります。

「あれは死んだ後に食べるじゃないですか? 生きたまま食べるのはちょっと」

 勇気を振り絞って口に入れ、飲み下しましたが、それ以上、箸はつけませんでした。

 最後のメウンタン(魚の辛いあら汁)を食べ終わるころ、お店のアジュンマが出てきて、大声で

「そろそろ帰りましょう!」

 店の外に行列ができているようです。

「冗談ですよ!」

と付け加えましたが、われわれは席を立ちました。

 9人で、しめて24万ウォン。単純割り勘で一人2600円ちょっと。安くて涙が出ます。

 店を出たところに屋台のマンドゥー屋さんがありました。



ヒョジャソン・ワンマンドゥー

「ヒョジャソン? 孝行息子の手?」

「孫の手ですよ」
日本語の堪能な韓国人女性が説明してくれます。

「孫の手って、背中を掻くやつ?」

「はい、韓国語では孝子の手っていうんです」

 韓国では餃子もマンドゥーと呼びますが、ワン(王)マンドゥーは日本の肉まん(関西の豚まん)。日本人の一人が全員におごってくれました。

 お開きになった後、日本人三人と韓国人男性1人で、コムチャンオ(ヌタウナギ)に店に。

 酔っぱらっていたので何を話したかは覚えていません。

 ただ、私以外の日本人2人は、翌朝、腹具合がよろしくなかったようで…。飲みすぎでしょう。

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