犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

ネット辞書

2012-03-30 23:38:11 | 辞書の話

 タイ語に手頃な辞書がないことを、前の記事で書きました。辞書がだめならネットはどうか。

 あらためて探してみると、いくつかあります。

 まず、「タイ語の簡易辞書」(e-ThaiLanguage.com

 個人で運営しているとのことで、登録単語数は4000語余り。日本語からでもタイ語からでも引くことができます。すべての単語が音声つきであるところがすごい。日本語にも音声が入っているところをみると、タイ人が使うことも想定しているようです。タイ語の子音から検索することもできます。

 また、収録単語がカテゴリー別に分かれていて、カテゴリーごとの一覧を見ることができます。よくできている辞書ですが、例文がないのが残念です。

 前回紹介した『タイ日大辞典』の著者、冨田竹二郎氏の『タイの人々のための日タイ・タイ日辞典』もネット辞書になっていました。東京外語大学が著者の許しを得て電子化しているもので、暫定版ということです。単語は2万語。単語数は多いですが、単語に発音記号がなく、また例文はありません。

 私が前から使っていたのは英語のサイトです。

thai-language.com

 14年前に開設されたとのことで、現在の登録語数5万3千語。うち2万語以上に発音の音声がついています。イラストや写真も豊富。タイ語は多義語・複合語が多いのですが、よく整理されて見やすい。ただ、発音表記は発音記号ではなく独特な英語式で、慣れないと使いにくいかもしれません。

 このサイトの強みは例文があるところ。しかし、この例文は必ずしも辞書の例文として適切なものとはいいがたく、タイ語のテキストをたくさんインプットし、各文に出てきた単語の項目に機械的に振り分けているような感じ。不必要に長い例文が多いように思います。

 最近見つけたのが、ごったい

 こちらは参加型の辞書で、ウィキペディアやウィクショナリーと似た発想。運営者が自分の勉強のために作った辞書をベースにしているとのことです。現在の登録語数、3500余り。タイ語からも日本語からも検索可能。発音をカタカナ表記で入力してあいまい検索ができるので、うまくいけば耳で聞いたタイ語を見つけることもできます。音からタイ文字を推測するのは非常に難しいのでこの機能は便利です。

 私もアカウントを登録し、いくつかの単語を入力しました。ただ、そのためにはタイ文字が入力できなければならない。それにはこちらのキーボードを使っています。

 ごったいのすごいところは、発音記号を簡単に入力できるようになっているところ。音声はついていませんが、声調つきの発音記号があるので発音はわかります。タイ語の発音はカタカナで表記することはまず不可能。音声があればいちばんいいですが、ない場合は発音記号が必要です。

 単語の登録にあたっては、例文を載せることが推奨されていますが、必ずしもすべての単語に例文があるわけではなく、今後の充実に期待したいところです。


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