
写真:韓国憲法裁判所前で「罷免」「弾劾却下」の立て看板をもつ与野党議員(ハンギョレより)
昨年「非常戒厳」を宣布して、その後「弾劾決議案」が可決、職務停止になっている尹錫悦大統領に対する「弾劾審判」が、明日(4月4日)、憲法裁判所によって宣告されます。
早ければ3月17日と予想されていたものが、延び延びになって、やっと明日宣告されることになったわけです。
「憲法裁判所」とは韓国の国家機関で、法律が憲法に合致しているか、政治家の弾劾が妥当であるか、などについて判断します。裁判所は 裁判官9人で構成され、任期は6年。
昨年10月に3人が任期満了となり、欠員が生じました。
裁判官がどうやって任命されるかというと、9人中3人は大統領が指名、3人は大法院長(最高裁長官)が指名、3人は国会が指名。それを大統領が任命します。
任期満了を迎えた3人は、いずれも国会が指名した人物だったので、後任の裁判官も、国会が指名します。3人は、与党、最大野党、少数野党がそれぞれ1人を推薦し、国会で承認を受ける慣例です。ところが、現在の国会は最大野党共に民主党が圧倒的多数を占めているので、3人中2人を共に民主党が推薦し、国会で賛成多数で承認。
一方、新任裁判官が指名されても、12月後半に任命権者の尹大統領の職務が停止されていたので、任命ができない。本来なら、大統領の権限を代行する韓悳洙(ハン・ドクス)首相が任命するところですが、韓悳洙代行は任命を拒否。野党は韓悳洙に対する「弾劾決議案」を可決して、大統領権限は「代行の代行」である崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相兼企画財政相に引き継がれました。
崔相穆代行・代行は仕方なく、今年の1月1日、3人の国会指名候補者のうち、与党推薦の一人と野党推薦の1人を任命しましたが、もう一人、野党が推薦したマ・ウニョクの任命を拒否したのです。
野党推薦のマ・ウニョクが憲法裁判所裁判官になると、尹大統領の弾劾審判で「罷免」決定が出される可能性が高まるからです。
そのため、現在の裁判官は定員9人から一人欠けた8人。大統領の罷免は、6人の賛成がなければならない。欠員が生じていてもそれは変わりません。
現在の裁判官は、次の通り。名前の次にあるのは指名した人・機関。その次は、韓国のマスコミによる裁判官の「性向」(進歩か、保守か、中道か)。
【現職】
ムン・ヒョンベ문형배 文在寅 進歩
イ・ミソン이미선 文在寅 進歩
キム・ヒョンドゥ김형두 キム・ミンス 大法院長 中道
チョン・ジョンミ정정미 キム・ミンス 大法院長 中道・進歩
チョン・ヒョンシク정형식 尹錫悦 保守
キム・ボッキョン김복형 チョ・ヒデ大法院長 中道・保守
チョ・ハンチャン조한창 国会・国民の力 保守
チョン・ケソン 国会・共に民主党 進歩
【任命保留】
マ・ウニョク마은혁 国会・共に民主党 進歩
憲法裁判所の裁判官は、純粋に法理に基づいて審判を行うはずなので、だれに指名されたとか、「性向」がどうであるかには関係ないはずですが、韓国のマスコミは、進歩性向の裁判官は罷免に賛成、保守は反対するとみています。
性向で分類すると、進歩寄りが4人、保守寄りが3人、中道が1人。
尹大統領の罷免が可決されるためには、進歩寄りの4人に加え、保守・中道からも2人の賛成が出なければなりません。
6対2なら罷免、5対3なら尹大統領は職務復帰を果たします。
進歩系のマスコミであるハンギョレは、満場一致で「罷免」を予想、朝鮮日報、中央日報、東亜日報など保守系マスコミは、「可能性は半々」と見ているようです。
かつて朴槿恵大統領が「満場一致」で罷免されたとき、罷免に反対する一派が騒動を起こし、4人の死者が出ました。
このため、韓国の治安当局は、宣告が下される4月4日午前11時前後の時間帯に周辺地域を封鎖、賛成は・反対派の衝突を防ごうと厳戒態勢を敷いています。
少し前は「罷免賛成派」の世論が圧倒的でしたが、最近は「反対派」も盛り返しており、結果がどうなるかわかりません。どちらの結果が出ても混乱は必至です。
宣告の様子はテレビで生中継されます。日本の放送局が中継するかどうかわかりませんが、結果が注目されます。
キム・ボッキョン김복형 チョ・ヒデ大法院長 中道・保守
チョ・ハンチャン조한창 国会・国民の力 保守
チョン・ケソン 国会・共に民主党 進歩
【任命保留】
マ・ウニョク마은혁 国会・共に民主党 進歩
憲法裁判所の裁判官は、純粋に法理に基づいて審判を行うはずなので、だれに指名されたとか、「性向」がどうであるかには関係ないはずですが、韓国のマスコミは、進歩性向の裁判官は罷免に賛成、保守は反対するとみています。
性向で分類すると、進歩寄りが4人、保守寄りが3人、中道が1人。
尹大統領の罷免が可決されるためには、進歩寄りの4人に加え、保守・中道からも2人の賛成が出なければなりません。
6対2なら罷免、5対3なら尹大統領は職務復帰を果たします。
進歩系のマスコミであるハンギョレは、満場一致で「罷免」を予想、朝鮮日報、中央日報、東亜日報など保守系マスコミは、「可能性は半々」と見ているようです。
かつて朴槿恵大統領が「満場一致」で罷免されたとき、罷免に反対する一派が騒動を起こし、4人の死者が出ました。
このため、韓国の治安当局は、宣告が下される4月4日午前11時前後の時間帯に周辺地域を封鎖、賛成は・反対派の衝突を防ごうと厳戒態勢を敷いています。
少し前は「罷免賛成派」の世論が圧倒的でしたが、最近は「反対派」も盛り返しており、結果がどうなるかわかりません。どちらの結果が出ても混乱は必至です。
宣告の様子はテレビで生中継されます。日本の放送局が中継するかどうかわかりませんが、結果が注目されます。
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