韓国に在外同胞庁という政府機関が新設されたということです。
在外同胞庁が発足 初代庁長「敷居低くしコミュニケーション強化」
(聯合ニュース2023年6月5日)
在外同胞というのは、韓国以外に住む韓国系の人たち。
韓国外交部(外務省)のホームページには、二種類の定義が載っています。
一つは「在外同胞財団法」の定義で、
1.大韓民国国民として外国に長期滞在していたり、外国の永住権を取得した人
2.国籍にかかわらず、韓民族(韓民族)の血統を持つ人で、外国に居住・生活している人
もう一つは「在外同胞の出入国と法的地位に関する法律」の定義で、
1.大韓民国の国民として外国の永住権を取得した者または永住する目的で外国に居住している者(「在外国民」)
2.大韓民国の国籍を保有していた者(大韓民国政府樹立前に国外に移住した同胞を含む)またはその直系卑屬で、外国国籍を取得した者のうち大統領令で定める者(「外国国籍同胞」)
どちらも大同小異で、韓国国籍を持っているかどうかに関係なく、「韓国人の血を引いている人」ということのようです。
でも、韓国籍を離脱した人を把握するのは、けっこう難しいと思いますが。
記事では、在外同胞は世界に730万人いて、在外同胞庁の仕事は「世界各地の在外同胞との交流や在外同胞社会への支援」。
初代庁長、李基哲(イ・ギチョル)氏は
「在外同胞3世、4世になると(自分を)韓国人と思えない場合が多いと聞いている」、
「ハングル教育も行わなければならないが、祖国である韓国がどれほど誇らしい国かを知らしめることができれば(在外同胞庁設立の)目的を達成できるだろう」
と述べました。
発足後の最初の事業は、在日韓国人被爆者の韓国への招請だそうです。
「730万人」の内訳は、外交部によると下記の通り。
2015年との比較では、コロナ禍もあってか、世界では減っているところが多いですが、北米(アメリカ、カナダ)だけは増えています。
日本にいる「在外同胞」は約82万人で、アメリカ、中国に次いで3位。
一方、民団の資料(リンク)によると、2015年の在日コリアンの数は、491,711人。帰化した人は2014年までの累計で355,274人。
韓国の在外同胞は、帰化者も含んだ数字なんでしょう。
国籍に関係なく、韓国人の血統をひいている人たち全員を「支援」するというのは、韓国の「血統重視」の現れです。
一方、こんなニュースもありました。
出生率は世界最低なのに…海外養子縁組は世界3位の韓国
(朝鮮日報2023年6月3日)
1958年から2022年までの65年間で、韓国から海外に渡った養子は公式統計だけで17万人いる。
韓国は世界で最も多くの児童を海外に送り出している国だ。
2020年に266人を養子縁組で海外に送り出しており、これはコロンビア(387人)、ウクライナ(277人)に続く世界第3位の記録だという。
1950-60年代の韓国では児童福祉に期待することはできなかった。1961年に路上生活していた子どもは公式統計だけで4453人いた。米軍兵士と韓国人女性の間に生まれた子どもは1300人を超えた。韓国が経済的に苦しかった1970年代まで、海外養子縁組は養育を放棄された子どもたちが現状から脱出するための突破口だった。
海外養子縁組は戦争や災害などの特殊状況下で短期間行われ、社会が安定するにつれて減少していくのが一般的だ。ところが、韓国は休戦から30年たった1980年代半ばに海外養子縁組がピークに達した。1985年には8837人が海外に送られた。これは出生児100人に1.3人に相当するもので、世界でも類を見ない数字だ。
今回の「在外同胞庁」の発足は、このような韓国の恥ずかしい歴史を埋め合わせるためのものかもしれません。
〈参考〉
赤い靴は海外入養の歌?
今回の「在外同胞庁」の発足は、このような韓国の恥ずかしい歴史を埋め合わせるためのものかもしれません。
〈参考〉
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