犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

ロシア語の性

2023-06-03 23:15:11 | 言葉

写真:キリル文字(ロシア語)のキーボード

 ロシア語の名詞には「性」があることは、以前書いたことがあります。

ロシア語は難しい言語か?

性について

 ロシア語の「性」には男性、女性だけでなく中性もあります。

 そして、名詞を修飾する形容詞も名詞の性によって形が変わり、なぜか「動詞の過去形」も主語の「性・数」によって形が変わるのです。

 基本的に、「性」は外見によって、見分けがつきます。

名詞の最後が子音字またはй(イ)で終わるものは、男性。

а(ア)で終わるものは、女性。

о(オ)、е(イェ)で終わるものは、中性。

я(ヤ)で終わるものは、ほとんど女性ですが、そのなかでмя(ミャ)で終わるものは中性。ただしмяで終わる中性名詞は全部で10個ほどしかありません。

 全体的に、中性(アセクシュアル)は、男性や女性に比べて数が少なく、「性的マイノリティ」です。

 厄介なのはь(軟音記号、ミャフキズナク)で終わるもの。

 これは男性または女性。外見では区別がつきません。「バイセクシュアル」と言えるかもしれません。

 一方、男性名詞の中に、а я で終わるものがあるんですね。

 パパ(папа)、おじさん(дядя)、おじいさん(дедушка)など「自然の性」が男であるもの、バーニャ(Ваня)、アリョーシャ(Алёша)など、男性の名前の愛称形です。

 形は女性だが、心は男性。トランスジェンダー(FtM)のイメージです。

〈参考〉ロシアのトランスジェンダーの悩み

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