島根県で訪問した妻の親戚の一つに,骨董品収集を趣味にしているおじさんがいました。
これまでも何回か訪れたことがあるのですが,子どもが小さかったこともあり,粗相しても悪いので,ゆっくり見せてもらったことはありませんでした。
このおじさんの興味の対象は広範囲にわたり,陶磁器から機械もの,家具,古文書など,なんでもあります。
窓際には明治時代の酒の壺,「サクラビール」という今はなきビールメーカーの大型ビールビン,そのわきには昔の扇風機が転がっています。
特に力を入れているのは蓄音機と時計。
ラッパのついた蓄音機から,エジソンが発明したものと同じタイプの蝋管式蓄音機。LPレコードさえ知らない娘たちは目を白黒させています。
時計のコレクションもすごい。ゼンマイ式の柱時計は数知れず。ウエストミンスター寺院の鐘の音を再現する置き時計は,実際に中を開けて,打鍵される様子を見せてくれました。
そんなに古いものではないですが,「気圧式時計」というレアものもあった。気圧を変化を動力にして,600年間動き続けるという時計は残念ながら故障中。時価100万円でそうです。
その他,明治時代の消防用ポンプとか,がらくたとしか思えないようなものも多いです。
「かじかを飼うだろ。かじかは生きた蠅しか食べないんだな,これが」
「かじか? カエルのことですね」
「で,蠅を生きたままつかまえる機械なんてのもあるんだよ。ある時計屋さんが発明してね」
(…)
かじかを飼う,そしてそのために生きた蠅をつかまえる機械を買う…。とんだ物好きもいたものです。
古いタンスの中に入っていたのは,昭和初期の国民学校の教科書でした。有名な「サイタ,サイタ,サクラガ サイタ」で始まる国語の教科書。びっくりしたのが,こんな古い教科書がカラー刷りだったこと。
そして,
「キグチコヘイハ テキノ タマニ アタリマシタガ、シンデモ ラッパヲ クチカラ ハナシマセンデシタ」
が載っている修身の教科書。
「骨董品には三つの楽しみがあるっていってね。集める楽しみ。そして,子どもの代になると見る楽しみ。孫の代は売る楽しみだ。これがうまい具合に循環して,日本の骨董品業界が成り立っているんだな」
それにしても,これだけのものを集めるのに,ずいぶんお金がかかったはずですが,どうしてこのおじさんがそんなにお金をもっているのかは,妻に聞いてもわかりませんでした。
ところで,私の知り合いに人形の収集家がいて,韓国の起き上がりこぼし(オットゥギ)を探している。私がよく韓国に出張するのを知り,時間があったら探してほしいと頼まれました。
わが社のソウル事務所は仁寺洞にあり,仁寺洞は韓国では骨董品街として知られています。しかし,めぼしい骨董品屋に聞いてもないですね。古い人形なんて,収集の対象になっていないようです。
そもそも韓国には骨董品屋自体が少ない。日本のような「骨董品の循環」は,韓国ではうまく機能していないようです。
これまでも何回か訪れたことがあるのですが,子どもが小さかったこともあり,粗相しても悪いので,ゆっくり見せてもらったことはありませんでした。
このおじさんの興味の対象は広範囲にわたり,陶磁器から機械もの,家具,古文書など,なんでもあります。
窓際には明治時代の酒の壺,「サクラビール」という今はなきビールメーカーの大型ビールビン,そのわきには昔の扇風機が転がっています。
特に力を入れているのは蓄音機と時計。
ラッパのついた蓄音機から,エジソンが発明したものと同じタイプの蝋管式蓄音機。LPレコードさえ知らない娘たちは目を白黒させています。
時計のコレクションもすごい。ゼンマイ式の柱時計は数知れず。ウエストミンスター寺院の鐘の音を再現する置き時計は,実際に中を開けて,打鍵される様子を見せてくれました。
そんなに古いものではないですが,「気圧式時計」というレアものもあった。気圧を変化を動力にして,600年間動き続けるという時計は残念ながら故障中。時価100万円でそうです。
その他,明治時代の消防用ポンプとか,がらくたとしか思えないようなものも多いです。
「かじかを飼うだろ。かじかは生きた蠅しか食べないんだな,これが」
「かじか? カエルのことですね」
「で,蠅を生きたままつかまえる機械なんてのもあるんだよ。ある時計屋さんが発明してね」
(…)
かじかを飼う,そしてそのために生きた蠅をつかまえる機械を買う…。とんだ物好きもいたものです。
古いタンスの中に入っていたのは,昭和初期の国民学校の教科書でした。有名な「サイタ,サイタ,サクラガ サイタ」で始まる国語の教科書。びっくりしたのが,こんな古い教科書がカラー刷りだったこと。
そして,
「キグチコヘイハ テキノ タマニ アタリマシタガ、シンデモ ラッパヲ クチカラ ハナシマセンデシタ」
が載っている修身の教科書。
「骨董品には三つの楽しみがあるっていってね。集める楽しみ。そして,子どもの代になると見る楽しみ。孫の代は売る楽しみだ。これがうまい具合に循環して,日本の骨董品業界が成り立っているんだな」
それにしても,これだけのものを集めるのに,ずいぶんお金がかかったはずですが,どうしてこのおじさんがそんなにお金をもっているのかは,妻に聞いてもわかりませんでした。
ところで,私の知り合いに人形の収集家がいて,韓国の起き上がりこぼし(オットゥギ)を探している。私がよく韓国に出張するのを知り,時間があったら探してほしいと頼まれました。
わが社のソウル事務所は仁寺洞にあり,仁寺洞は韓国では骨董品街として知られています。しかし,めぼしい骨董品屋に聞いてもないですね。古い人形なんて,収集の対象になっていないようです。
そもそも韓国には骨董品屋自体が少ない。日本のような「骨董品の循環」は,韓国ではうまく機能していないようです。
その本にはクイシンと記載されていたかな、鬼神という意味だったかと。
なにか過去にあったのでしょうね。
いわゆるお化けは,韓国語では,トッケビと鬼神(クィシン)と幽霊(ユリョン)があります。
トッケビはよく童話にも出てきて,かわいいイメージがあるようですが,鬼神や幽霊は死者の亡霊のイメージ。
よくトイレなどに「気が感じられる」などといって騒ぐ人がいます。私などはさっぱり感じられませんが。
>>「気圧式時計」
ジャガー・ルクルトの「アトモス」シリーズですね。
ttp://www.timetunnel-jp.com/jaegerlecouq51022012265344.html
犬鍋さんのブログ、いつも拝読しています。最近タイにはまって、タイ関連の記事も楽しみにしています。
デザインがちょっと違っていましたが,たぶんそれだと思います。
ただ,おじさんの説明では気圧の変化を動力源にするということですが,気温の変化のようですね。たぶんおじさんの勘違いでしょう。
今,タイに来ていますので,タイ関連の記事を近々アップできそうです。