日々ふさおまき

走って跳んで歩いてます。

週末夜鳴きの蝉と織田フィールド

2012-09-07 22:08:05 | マスターズ陸上(オス)

焦りながら仕事を終えて、20時ちょっと前に織田フィールドに着きました。

金曜の定例夜間開放、あと閉門まで一時間しかありませんが、人出も引いていく時間帯なので、

比較的たっぷりとグラウンドを利用できます。

 

ナイターのあかりで浮かび上がる赤い走路に立つ自分、うっとりします・・・

ほど自己陶酔はしませんが、ちょっと舞台に立つというシチュエーションには高揚します。

さっさと走りたいと思いつつ、怪我を抱えている体に焦りは禁物。

どうしてもスピードがでるJOGも押さえつつ、下半身のストレッチをたっぷり入れます。

落ち着くために寝ころんで、足を左右に振って腰もストレッチ。

さらには、軽くパワーを使って筋肉を目覚めさせるという金 哲彦流アレンジを試みます。

V字腹筋、腕立て伏せ、その場ジャンプ。

瞬発力をすこし使った筋肉は確かに繊維の間の距離を縮めて、

次のドリルがリズミカルにこなせました。

 

ますます気持ちよくなって、まずはいつものコーナーからの130m流し。

分厚い底のナイキズームではスピードの出しようもありませんが、その分着地の踏み込みを

はっきりと感じ取ることができます。

ゴールまで回転もほとんど落ちないので、さらに気分が良くなります。

続けても一本走り、スパイクに履き替えます。

今日はいつもより短いピンをつけています。

足への衝撃を少なくするためなのですが、意外にスピードも落ちない気がします。

というより、長いピンを使いこなせないからかもしれません。

ウレタンゴム素材のトラックをくぼませるのがピンの役目ですが、長すぎるとその分深くゴムをしならせねばならず、

当然パワーが必要になります。

でも、私の下腿筋肉には9mmピンなどを押しつけるだけの力がないようなのです。

中途半端な深さで止まったピンは、ちょっと不安定なまま地面から押し返されてしまい、

十分な走力に結びつきません。

それに対して、5mmピンならウレタンゴムトラックに奥まで押しつけ、

靴底前部も表面にタッチするため、すべての地面反力を受け取ることができると考えられるのです。

たわむゴムが浅い分、当然反力は小さくなりますが、使いこなすことができるので無駄がないのです。

 

だから短いピンだとゴールまで足が動き続けます。

130m×3本、息は上がりますが、体は元気です。

さあ、次は何をしようかと歩いていると、後ろから声をかけられました。

あ、久しぶり。

東京マスターズの幅跳びと5種競技仲間、同じ時期にマスターズ競技に参加し始めた

T橋さんです。

お目にかかるのは7月の千葉マスターズ以来、織田フィールドでは1年ぶりかもしれません。

最近のレースのことを話しつつ、2週間後の岡山全国大会のことをうかがいました。

T橋さんは幅跳びとヤリ投げに出場されるそうです。

ランシャツが重そうに汗を吸っている様子を見ると、今日もかなり練習をされているようです。

では岡山で、と別れて、私は200mのスタートに向かうことにしました。

頑張っている仲間を見れば、練習にも力が入ります。

岡山で今年初めて走る200m、少しは追い込んでおかないと。

だからスタートもクラウチング姿勢、MAXで飛び出し、思い切り上半身で引っ張りながら

絶対スピードは落とすまじと、最後の50mは使い切っていない大腿四頭筋に意識を集中して、

走りきりました。

MAXな分、ゴールでの息は荒れまくり、でも時間は20時42分。

もうすぐ照明が落ちます。

あと一本。どうするか・・追い込めるか?

歩いて息を整えながら考えます。

大丈夫、あと一本なら、

300mにしました。

さすがに休憩2分でクラウチングをもう一度とるのは無理でしたが、

リズムだけは作り姿勢を高くたもってバックストレートを駆け抜けます。

そこからあとは、頭が真っ白、

機関車のようにハアハア声を出していたような気もします。

崩れるな膝、下がるな腰、腕を高く大きく・・・

はい、倒れ込んでゴールです。

 

そのままゆっくりJOGに入り、少しだけ体操。

すぐに照明も消えました。

結局着替える時間もなくなり、ランニングウェアのまま家路についた夜には、

蝉の声がいつの間にか消えて、虫の音が静かに響いているのでした。