日々ふさおまき

走って跳んで歩いてます。

12月31日も走りました。

2014-12-31 22:54:34 | 旅行記
クリスマスで風邪をお仕舞いにした私たちは、朝も元気です。
旅行中は毎朝、京都御苑を走ります。
大晦日の今朝は鴨川まで足を延ばし、
多くの京都ランナーたちとすれ違いました。
最近の東京は、レースを目指してますオーラが全身から出ている方が目立つのですが、
鴨川ではもう少し落ち着いたスタイルが多いように感じました。
まあ話を聞いた訳ではないのですが、
マイペースのスピードで、年季の入ったウェアのランナーを見ると、自分に近いものを感じ取れるからでしょう。
私のウェアは、ウインドブレーカーが10年、タイツは15年です。

御所に戻って最後は建礼門院を訪ねて終了。



ああ、西海から戻った、この門の名を冠した徳子が、やがて大原は寂光院で祈りの生涯を送ったのかと、平家物語で歴史物に入り始めた子供の頃の記憶と相まって、思い出深い2014年ラストランとなりました。


三日目12月30日 昼からの京都旅

2014-12-31 21:12:46 | 旅行記
三日目のパワースポット巡りは後半戦。
やはり昼食難民になりながら、たまたまフルーツパーラーを発見しました。
折からの乾燥で喉が乾いていて、ちょうどミックスジュースを飲みたいと二人で話していたので、これはええわ、と言うことになりました。
のどが渇いて歩き疲れた時に体が求めるミックスジュース、関西人なら分かるかな~?
てなわけでジュースとフルーツサンドで満足すると、今出川通りに近い相国寺へ参ります。
禅寺らしい荘厳と静謐の境内は歩くだけで清められていくのですが、特別拝観は年末で休止期間に入り、美術館もしまっています。
またもやリサーチ不足、建仁寺の龍にも会えぬママに続き、禅宗となかなか近づくことができません。

迷いを振り切るために鴨川へ出て、跳びます!





子供を押しのけて飛び石を跳ぶ50代の二人に、明るい未来を授けて下さい!
叫ぶ思いで出町柳から京阪線で南下します。
目指したのは三十三間堂、120メートルの長いお堂と通し矢があまりにも有名です。
この長さを必要にするのが、道内に並ぶ1001体の観音像です。
立体曼荼羅とはまた教えるところは違うといいながら、この現世とかけ離れた仏教世界観の横溢には、感動と圧倒の言葉がでるばかりです。
数は力、後白河上皇の高笑いが聞こえれば、精神的にはバランスがとれそうな感じもいたします。

名高いものには理由が有ります。
パワースポット巡りとはやや趣が変わりながら、高揚した気持ちを抱えて、
京都の旅はこのあと、清水寺へと続きました。





茶碗坂で出会いものの蓋物を買い、石塀小路で着物姿で歩く女の子たちを眺めながら、夜は色を濃くしていきます。

精進落としではありませんが、
このあと六時から、毎年楽しみにしている懐石の晩餐が待っています。
『桜田』さんです。
特に今年は思うところ深いお食事になりそうなのですが、その意味するところはまた別のページで。


終 日の出

2014-12-31 07:25:36 | 旅行記
2014年12月31日は、規則正しい起床で終えることができました。
午前7時25分。
今年最後の日の出を見られたのが嬉しくて、京都の底冷えに結露が目立つ窓越しに写真を一枚。

明日の朝は、実家で寝坊でしょうから。




ちなみに、昨日は清水寺で夕日を拝みました。




洛北を巡る、とは

2014-12-29 21:37:36 | 旅行記
旅のデザインは、行きたいポイントが絞られているときは簡単ですが、
迷うとなかなかまとめにくい。

今日は洛北エリアに出没、って何かの番組のまんまだな。
今出川新町~バスで出町柳に出て、叡山鉄道に乗車、修学院から鞍馬と路線を分けて叡山側の八瀬へ向かいます。
札幌は車で15分も走ればすぐに大自然という土地ですが、京都だって叡電に20分乗れば、山の懐に入り渓谷が目前です。
山の辺散歩で、今日の遠足はスタートしました。
濡れた落ち葉踏みしめながら、どこかひんやりとした山道を行きます。最初に目指した、壬申の乱で矢傷を負った大天の皇子が治療に当たって以来安らぎの地として位置づけられた瑠璃光院は年末のため扉を閉ざし、ガイドブックには出ていないお蔭神社という山中に突如として現れる社に立ち寄り、赤山禅院にうかがいます。こちら赤山禅院さんの印象は、一言『めでたい』!



このサイズでは見えませんが、屋根の頂上にちょこんと座っている像が有ります。ましら、つまりお猿さんです。
綺麗に彩られて笑っているようです。
そんな外見だけではなく、参道には直径二メートルを越える数珠があって、その輪をくぐり抜けて神前に進んだり、神域の山中のあちこちに分社があって、弁財天、お狐さん、福禄寿にいくつもの大明神がおわします。中でも夫婦仲良くを願う相生宮では、念入りに頭を下げました。今日はそれほど参拝客は多くありませんでしたが、年末年始はかなりの人が来るようで、沢山の席を用意されていました。正直今日まで赤山禅院さんのお名前も存じ上げませんでしたが(彼女は一度来たかったと申しておりました)、流石に京都とうなります。


続いては、修学院の里山を見渡しながら、少しずつ高度を下げて『曼殊院門跡』へ。八世紀伝教大師草創以来という、特に江戸期になって建築に意匠を凝らした、桂離宮との関連も深い、時代を代表する書院建築だと言います。



建物の中にも入れていただけるので、重要文化財を体感します。一つの違和感もぶれもない、確かにここにあり、確かに私はここにいる、と思える心地よさは、人が暮らすために丁寧に作り込まれた、門跡の建物だからでしょう。
縁側に座ってしばし庭を見つめる時間が素敵です。



洛外巡りに浸ると、昼はとっくの昔に過ぎていました。
昼ご飯を迷いつつ、今晩は五時半に予約しているので、我慢。
修学院駅傍の双鳩堂さんで大福を一つ頂き二人で分け、出町柳まで戻って名曲喫茶『柳月堂』さんでコーヒーにオペラを頂き、疲れを癒やします。

次に目指すは西、北野天満宮です。



昨年も訪ねたのですが、夜になってしまいタイムアウト、厚い門に閉ざされ中に入れなかったので再訪問となりました。学問の神を祀るあまりにも有名な天神さんでは、ただただ学業成就を願って頭を深く深く下げるのみです。

そろそろ日が深く傾いて来ました。
でもご飯まではまだ一時間有ります。そんな時でも、次に行く名刹が有るのが京都、そしてそんな場所をパッと思い出せるのが彼女の大したところです。ありがたく後に続きます。



講堂前の松が建物を隠すほどの、国宝、千本釈迦堂です。
仏の場所として威容を見せつける建築物は、見上げるほどに立派です。本堂は約800年前、1223年着工、1227上棟で、応仁の乱でも焼け残った、この京都でも最古の国宝建築物とあります。
中にも入れて頂き合掌、『おかめの物語』という、こちらの造営を内助の功で支えた棟梁の妻、おかめさんの話は初耳でした。
宝物蔵には快慶作十大弟子像、定慶作の六観音像がずらりと並び、閉館まで10分しかないのが惜しまれるばかりでした。
またゆっくり時間をかけてお目見えしたいものです。

いやいや、ありがたい。
でもお腹はすく。
今晩のお店がある上七軒はすぐそこです。



灯のともった花町の中華料理屋さんです。



『糸仙』さん。
ここにしかない京中華を頂くことにしましょう。
ご主人が一心に鍋を振る様子をみながら、出てくる料理を一瞬の間もおかず頂きます。

はんなりした春巻き、
蜜に輝く酢豚、
羽毛のごとき蟹玉、
打って干し蒸して干した麺が味深い焼きそば、
そして決してチャーハンとは呼べない、米の旨味を大切にしたヤキメシ。

ああ、幸せ。
これだけ食べでも、お腹が重くならないのが、京都の中華に魅せられる一つの理由です。





12月29日  京都御所をぐるりランニング

2014-12-29 10:18:16 | 旅行記
厚い雲がなんとか水をたたえたまま空で耐えているような今朝。
昨晩は遅くまで本を読みながら、朝早く起きてしまうのは、楽しい旅の途中だからでしょう。
ブライトンホテルに泊まるからには、京都御所のランニングと決めていました。
スマホのランニングアプリを起動して走り始めると、犬の散歩中のご婦人に『御所の周り走るの?行ってらっしゃい』と見送って頂きます。

後は、信号のないくるりを機嫌よく一周、所々の門から御所内の神妙な林を眺めたり
周囲にある同志社大を初めとした何れも歴史を経た建物をみて、
あきるまもなく34分、4.3キロのランニングでした。


三夜の夕飯 第一夜は洋食屋さん

2014-12-28 21:32:54 | 旅行記
雨は夜更け過ぎではなくて、午後三時半には傘が要るくらいの降りになりました。
宇治から京阪線で黄檗乗り換え、JRです京都に出ました。
ここで私たち、意外な行動に出ます。
南側出口から新しくできたイオンモールに向かいました。目指すはユニクロ。
なんでわざわざ旅先で、と自分でも突っ込みたくなりますが、理由は今日明日限定で二千円割引になっている、フード付きのダウンパーカです。
実は二年前に同じものを買ってたのですが、薄さと軽さが冬のランニングにはうってつけで、寒がりの私には欠かせないアイテムになっています。
でも、二年着ていれば汗を吸い込みます。天日干しをしたりファブリーズ漬けにしたりもしましたが、そろそろ限界です。
その上、ユニクロのダウンは結構特売に出るのですが、フード付きだけは決して値段が下がらず、ほとんどディスカウント待ちの辛抱合戦(自分の独り相撲です)。
それが今朝の織り込みチラシに、2日限定として、然も緊急入荷とまで銘打って売り出しになりました。
我ながら、ユニクロフリークではないかと思います。でもこのシグナルを見逃すわけには行きません。

そんなわけで、わざわざ京都駅で途中下車してまで目指す服を買い、気分良く今日のお宿、今出川は御所の西にあるブライトンにチェックインしました。
この数年、年末の京都旅行は蹴上のウェスティン都ホテルでしたが、ブライトンは、かつて敬愛する叔父上が京都で指折り、と高く評価していたので、
一度泊まってみたいと思っていました。
住宅街に突如として現れるホテルは、一歩中に入り、高い吹き抜けと、心地よい人々の行き交うざわめきに迎えられると、社交という言葉が頭に浮かび、やや晴れがましい高揚感に包まれます。
スタッフの方はもちろん礼儀正しく、身のこなしもキレのいい人ばかりです。
案内された部屋はリニューアルされたばかりの、リビング付きの広いお部屋です。
デザインもアクセントありで、楽しく内装を見渡すことができます。









喜びがお腹をすかせたのでしょうか。
風邪気味で食欲不振な二人で、リビングに座り、関西の雑誌『meets』とネット検索で空想を巡らせます。
蒸し寿司、お好み焼き、パンとスープ?
絞り込んでいくうちに、第一夜は徒歩圏内を条件に(雨ですから)、胃袋八割くらい食事量で、京都だから、という特別感も有る店にしようということになりました。

テクテク、ザーザー。
京都府庁前を南に下り、丸太町通りを渡って夷川通りにぶつかったら東へ。
こりゃ、彼女がいなけりゃ迷子になってるな~、カッパの集会に迷い込んでも不思議手はないな、という程に家々の間を抜けて20分近くは歩きました。



『デミ』さん。ハンバーグメインの洋食屋さんです。
美味しいのはもちろん、これが京都、という味が隠れています。
それは、味の引き算。
これほど食後の印象がいいハンバーグをこれまで私は知りません。
息が香辛料に色づき、脂の膜が口の内側に出来てしまうような体験は、美味しいハンバーグを食べたと思った食後にもよく感じることでした。
それが、『デミ』さんでは全くない。
挽き肉は、肉をミンチにした味わいの広がりだけで特徴となり、決して複雑な香辛料やつなぎで味を足したりはしていません。
ニンニクやラードを使わずに調理する、京都中華とつながります。

ドミグラスソースは、食べ終わりになっても固まらない。つまり、油脂が少ない。そして甘ったるくなく、本当に肉にはない旨味を補い、相乗効果を生むためのソースなのです。
そう、鰹節のイノシン酸と昆布のグルタミン酸の関係!

大きな満足で、腹八分目なれど胸は一杯。
食後のバーに行ければ大人の夜ですが、下戸な私たちは、もう少し夜の街を歩いて、静かに灯りを輝かせる珈琲店に入ったのでした。



『王田珈琲店』 
夷川御幸あたり。


私はブレンド、彼女はカフェオーレ。
カウンターに座って、豆を挽き、ネルで10分近くかけてドリップしてくれるマスターの技を眺めさせて頂きました。
コーヒーのエキスを凝縮した、雑味のない味わいです。
ゆっくりゆっくり、お湯に味を写していく淹れ方、という感じです。

この味があれば四方山話も弾み、一時間ほどスツールで憩わせて頂いて、
夜の御所を回り込むようにして、
ホテルに戻ったのでした。