日々ふさおまき

走って跳んで歩いてます。

2009年最後の旅 京都旅行 二日目

2009-12-30 21:50:47 | 旅行記


すっかり朝寝坊した旅行2日目の朝。
ウェスティン都の朝食バイキングは、洋食和食とも
種類が多く、卵料理はシェフが注文ごとに焼き上げてくれる
「ホテルとして形の整った」自己選択式食事なのですが、
2階の吹き抜け部分に沿った「回」字型の席配置は
ウェイターたちの姿が見えにくい一方で、料理をとったりする
人の動線とテーブルの並びが全く同じになっている点で
落ち着きがないのが欠点です。
それでも、パンがトースト、ロールパン、バジルパンに
カイザーロールにデニッシュも数種類と楽しい選択が
大好きで楽しくいただきました。

とはいえ時間がありません。
なんといっても、今年は奈良のお寺めぐりで
年を締めくくるという、一年がかりの夢がかなう日なのですから。
もちろん、奈良へ行ったことがないわけではありません。
関西で小学校から高校までをすごしたのですから、
遠足で奈良の社寺は回った記憶があります。
あれは確か小学校、大好きだったMさんの姿ばかりを
目の端に入れてバスに乗っていたっけ・・・彼女が歴史好き
なのもあの時知ったな、とかね、思いではあります。
最近では「鹿男あおによし」の本を読みドラマを見て、
ああ懐かしいと思っていました。
それに今年は東京で最高の入場者を得たという「阿修羅展」もありましたし。

だから、近鉄に乗りました。「きーんてーつ とっきゅうー」です。
京都から35分しかかからないのですが、子供のころから憧れだった
近鉄線の特急は、大人になってから知った小田急ロマンスカーとは
思い入れが違い、乗るだけで胸躍る、近テッチャン状態です。

近鉄奈良駅は、時代の流れを素直に受け入れ、緑色のすりガラスに壁面を覆われた
立派な駅ビルに建て変わっていましたが、若草山へと続く緩やかな上り坂を
数分行けば、奈良公園に入りなつかしい鹿がのんびり草を食み、道に人恋しく
出張ってくる姿が目に入り、すっとタイムトリップしてしまいました。


そこからはもう、目くるめく仏様との邂逅。
国宝の建造物と、質感に富みそれぞれに表情としぐさが個性的に表現された
菩薩如来観音神将などの彫刻。
しらぬまに、自らの胸の前に小さな両手のひらを一つにあわせ
頭を下げてしまうのです。
ありがたいこと・・・
無力なること・・・
弱きこと・・・
何事かとわからぬものも、何かと心得、有形無形に理をほぐし、
空となす。

言葉の断片を自分に投げかけ繰り返していきます。
もしここで、朗々たる立派な僧侶の読経でも始まれば、
私はもっていかれたかもしれません。

そんな思いを一日抱いた、
興福寺→東大寺→春日大社を巡る一日なのでした。


イメージキャラクター「遷都くん」は駅でも寺でもどこででも 少々興ざめか





2009年最後の旅 京都旅行 一日目

2009-12-30 00:43:46 | 旅行記
今日から6連休。
休みとなったら飛び出します。
2ヶ月前から予約したお気に入りのホテルと
今私たちが知る最高の懐石料理が待っている京都へ。

6時30分に目覚ましをかけ、さすがに
朝ごはんを食べるまもなくゴミだけを抱えてマンションを出たのは
7時過ぎ、品川発は8時7分なのでかなり余裕があります。
品川のエキュートはまだほとんど開店前ですが、おにぎりやサンだけは
あいていました。おすすめNO1のくるみ味噌焼き握りとしゃけ握りを
買って乗車、指定はほとんど埋まっているようです。
N700の列車は揺れがほとんどないので乗り心地が良いのと、
全席禁煙なので子供とのどの弱い人が利用するようで、なぜか
咳やくしゃみ多いのが特徴でしょうか。
快晴の車窓はまぶしいほどで、きっと目を覚ましていたら富士山が
今年最後の旅行を最高の笑顔で見送ってくれたのでしょうが、
あえなくふさおまき(めす)と二人で撃沈、名古屋までは
寝ていました。

その先はそう、二人がかつて出会い、仕事の主戦場にしていた
滋賀エリア。山にかかる雲、瓦屋根の多い住宅、ロッテやヤンマー
記憶を触発する光景を目にするたびに話が弾みます。
やっぱりそのうち滋賀もゆっくりと旅したいものです。

10時過ぎに京都に着くと、八条口近くにある「ウェスティン都 サテライトコンシュルジュ」
というホテルの出先で大きなかばん2つを預け身軽になって
京都のたびへ。


まずは、東寺。おなじみ新幹線から見える国宝・五重塔のあるお寺です。
近鉄で一駅のって、広い道を歩いていくと、正月飾りが外壁を彩っています。
南大門を見上げながらくぐり、

まずは金堂へ。こちらは桃山時代建立の国宝。
薬師如来様が日光月光を両脇に従えてらっしゃいます。
続いて講堂。こちらの建物は重要文化財ですが、祀られた仏像が荘厳です。
曼荼羅図を具現化するという空海のディレクティングがあったそうです。
講堂内曼荼羅諸尊・立体曼荼羅などと表現されるとか。
大日如来を中央に、21体の仏像が安置されています。
帝釈天、梵天、不動明王、どれもサンスクリット語、つまりバラモンと
関係するストーリーで理解されるものだと、なぜか英語説明文には
書いてありました。

さて、昼になりました。
夕飯がたっぷりになりますから、うどんかそばでも食べましょう。
ということで、彼女が7条通り西院あたりに
ほんに街中の麺どころを探してくれていました。
ね、これです。

頼んだのは、しっぽくうどん

と肉そば。

いや、だしもしっかり、いやつるっといけます。
肉は甘辛に炊いた味がネギとからんで、噛むと味が染み出します。
これでしっぽくが380円、肉が400円ですから、
京都の街中でご近所さん相手の商売というのは
なんとも背丈も目線も低いのです。
お代を払って、おおきに、といわれると払った額以上に
得した感じがしてしまいます。


おなかから暖まったあとは、三十三間堂です。

超有名なこの国宝の誕生は、平清盛と後白河法皇の
信仰と現世支配の力比べの背景があります。
原動力に大きな力が集まるとき、提示される表現体は
驚くべき形となることがあるものです。
100メートルを超えるお堂を作ろうとしたのではなく、
1000体という観音様を作り安置するためにそれだけの器が
必要になったということだそうです。
良く見るとお顔も千手の所作も少しづつ違う仏様は
前に並んだ神将とともに見遣っていると、なかなか前へ進めません。
時間をかけ、安静な表情の数々と対峙していると、
心も鏡となり滑らかに落ち着いていきます。

三十三間堂をでて祇園方面へ歩き、お菓子や小物に
お洋服などを買い物しながら、ホテルまで歩きます。
東山にちかい蹴上のウェスティン都ホテル。
2ヶ月前に申し込んだご褒美は11階のクラブラウンジへの
アップグレード。京都の町並みを見渡します。

そして18時、いよいよ年に一度のお楽しみ。
烏丸駅から数分の「桜田」さんへ。
今年の京都ミシュランにも星つきで掲載された、
八日市は招福楼出身のご主人が作る料理は、綺麗な出汁に
象徴される素材と繊細な気配りが身上。
美味しい料理をたんと食べるとき、出されたものはすぐに
食べたいから、さすがに写真はとれません。

覚えているだけ書いていくと・・・
①ふぐの白子あんかけ・・・寒い日の最初に心からあたたまるお料理。
 濃厚にしてなめらかな具合に仕上げた白子は、ふわりと餡に包まれて
 熱いまま最後まで口に運ぶことができます。
②ハマグリのしんじょ・・・たっぷり空気を含んで歯ごたえのふうわりとした
 感じが心地よくうきうきとします。
③おつくり・・・ブリは辛味おろしとともに、タイはわさび、カワハギは肝とともに
④かに蒸し寿司・・・錦糸玉子がたっぷりと、そして甘めの寿司飯が京都ですな
⑤焼き物などの皿もり・・・鰆の柚庵焼き、くわいチップス、煮ゴボウ、イクラ
 ナマコの海鼠腸和え
⑥フォアグラの蕪巻き・・・緑の切子合わせはミキモトパールつきの取っての器から
 現れる、清新な中に一流しの濃い奔流。蕪のジュースで満たされて最後はさっぱり。
⑦ゆず釜・・・おだしとウニときのこは目の前で最後の一煮立ち
⑧牡蠣ごはん・・・陶器の釜で一組ごとに炊き立てを供してくれます
 赤出汁を八丁と呼び、具はコンニャクというのが楽しいのです
⑨香の物・・・メロンとオレンジ(マドンナ)とブランマンジェ
⑩お菓子・・・そばの金団はお抹茶とともに

良い年末をすごさせていただきました、と女将にごあいさうつ。
外に出ると主人も店先まで出てきてくれて、角を曲がるまで頭を
下げてくれるのでした。
お腹いっぱい、満足度もいっぱい。
満たされた心地とつぶやきながら、ホテルまで歩くのでした。