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月4万円だった健康保険料が「定年退職後」に月9万円に… (PRESIDENT Online 2024/08/01)

2024年08月02日 | ネット・ニュースなど
月4万円だった健康保険料が「定年退職後」に月9万円に…体験しないとわからない「国保負担」のすさまじさ「所得640万円」では「年88万円」を求められる (PRESIDENT Online 2024/08/01)


あまりの高さに絶句し、払えないと思った

今年度の国保料(国民健康保険の保険料)の決定通知書が届いた頃ではないだろうか。金額の高さにびっくりしている人もいるかもしれない。

私も3年前はそうだった。もちろん今も高いと感じているが、3年前の2021年に自治体から通知書を受け取った時は、あまりの高さに絶句し、払えないと思ったのだ。

当時の国保料は、年間で88万円。国保料は6月から翌年3月までの10回払いが基本のため、月々8万8000円である。

知人に話すと、国保料は前年の所得に基づいて決定されることから「稼いでいるんでしょう」と指摘された。

私は原稿を書く仕事をしているが、その前年、2020年の年収は890万円。けれどもこれは交通費や資料代など取材経費を含めた額であり、経費を引いた所得は640万円である。

筆者撮影令和3年の筆者の国民健康保険料。あまりに保険料が高額なので、一昨昨年8月から「文芸美術国保」に移行。保険料は約半額になった。

つまり640万円が実質の私の生活費だとして、ここから88万円を支払わなければならない。

88万円といえば、本一冊分の原稿料を超える額でもある。当時子どもの教育費もあり、どう考えても捻出できなかった。

国保料を支払えない人は、どうすればいいのか

そこで居住地の区役所に相談に行った。同じようなフリーランスの人に聞いてみた。もちろんインターネットでも調べた。専門家が執筆する本も探した。収入がほとんどない人は「軽減」という手段がある(しかし、出産月の前月から4カ月分を除き、基本的に「全額免除」はない)。

けれども私のように定期的な収入を得る仕事をしている人が国保料を支払えない場合、どうしたらいいのかという「答え」はどこにもなかった。

また国保の話になると、会社員は「関係ないこと」と思いがちだ。しかし今は会社員であっても、退職後は国保が選択肢のひとつに挙がる。

国保に加入しないにしても、ほとんどの人がその「保険料の高さ」に驚くことになる。

今回は退職した後の保険料について取り上げたい。

まずは4年前に出版社を定年退職した60代男性の話から。彼は当時、退職前に加入していた健康保険の被保険者(任意継続被保険者)を選んだ。

定年前の健康保険料は月額およそ4万円。在職中は労働者と使用者(事業主)が労使折半で負担する仕組みだが、退職後の任意継続被保険者は全額自己負担になる。

簡単にいえば、定年後にそれまでの健康保険を引き続き利用する場合、“在職中の倍の健康保険料”を支払うということだ。

つまりこの男性の場合は、退職後に月約8万円の健康保険料になるはずだが、当時は在職中と変わらず4万円程度だったという。

「無職になったので安いとは思いませんでしたが、払えない額ではなかった」と彼は振り返る。

「退職した身で、とても払えないですよ」

退職して1年ほど経った頃、勤めていた出版社が人手不足に陥り、「再度働けないか」と持ちかけられたという。

男性は定年後に大学院に入学して学び直しをしていたのだが、悩んだ末、休学することに。そして今度は契約社員として、定年退職した会社に再就職した。健康保険は任意継続被保険者から、通常の被保険者になった。

そして2年後の昨年秋、ついに2度めの退職をした。休学していた大学院をきちんと卒業したかったため、会社員生活に区切りをつけたかったという。健康保険は再び任意継続を考えていたが、月々の保険料を聞いてびっくり仰天したという。

毎月9万円台の健康保険料というんです。退職した身で、とても払えないですよ。それで居住地の市役所に行き、前年収入を伝えて国保料を尋ねてみると、6万円ということでした。国民健康保険のほうが、任意継続被保険者よりも安かったわけです。だから国保を選び、昨年秋から今年3月まで毎月6万円ずつ払ってきました。昨年の年収ですか? ちょっと言いたくないのですが……ただ年収1000万円には全くおよびませんよ。普通の契約社員ですから。そんな私にとって任意継続の9万円よりも安いとはいえ、国保の月額6万円の支払いもかなりの負担です」

「退職前は考えなかったが、実際に払ってみると本当にきつい」

男性は白内障の再手術をしたため、現在月に一度、病院で検査を受け、点眼薬などを処方される。その窓口負担額(3割負担)が1万円。つまり国保料と合わせて毎月7万円を医療に費やしていることになる。退職し、現在は無収入であるのだから、たしかに厳しいだろう。

「会社員は退職後の健康保険料の支払いとして、せめて50万円くらいは貯めておいたほうがいいと思います」と、男性は語る。

「住民税なども含め、最初の1年で100万円近い健康保険料、税金の支払いがあっても、半分の貯金があれば何とか乗り切れるんじゃないでしょうか。これは実感としての金額です。もちろん貯金は多いにこしたことはありません。退職金などがあっても、定年退職する頃は親の介護などいろいろお金がかかりますから」
それにしても……、と男性はつぶやく。

「健康保険料や窓口負担金って払う側の裁量がないでしょう。とにかく絶対に納めなければならないもの。退職前は考えもしませんでしたが、実際に払ってみると本当にきつい。30年以上前、国保に加入していた時があるのですが、その時は国保料の負担感はそれほどなかったんです。当時安月給でしたけどね。今は給料が安くても、また平均収入以上を得ていても、健康保険料は誰にとっても高いのではないでしょうか。任意継続も、たった数年でぐっと高くなった印象です。月に9万円台ですよ。いやぁ驚きました」