キラキラ

毎日の生活を写真と共に綴っていきます。

壇ふみ著 まだふみもみず

2014-05-04 06:29:35 | Weblog
壇 ふみさんの著作の本を初めて読みました。

それが『まだふみもみず』











(この本は、労災病院の書架からお借りしました。)







以前、高峰秀子さんの著作本を読んだ時はとっても感動して

すぐにファンになちゃいましたが・・・。





その生い立ちや、性格・スター生活など、ドラマチックそのものでした。

また、文章がとっても上手いなぁ~。

と思いましたが・・・。

その後、すぐに亡くなられてしまって。





壇 ふみさんは言わずと知れた、壇一雄さんの娘さんです。

女優になるのを勧めたのもお父さんとのこと。










(着物がよくお似合いの壇さん)






日頃の生活の中での出来事や、海外ロケで経験されたことを

歯切れのよい、簡潔な文章で表現されていました。











お父さんやお母さんや甥っこさんとの関わりもユーモアも交えながら

描かれています。








この本のタイトルは、百人一首の中の小式部内侍(こしきぶのないし)の歌

『大江山いく野の道の遠ければ まだふみもみず天の橋立』

からとっています。








(お若いですねぇ~。21歳の壇さん、まだ大学生です。)






この歌については、こんな文も




小式部内侍は、小さいころから和歌にすぐれていた。しかし、小式部の母親は

美貌の天才歌人、和泉式部である。歌に恋にと、お母さんがあまりにも有名だから

娘の歌も、実はお母さんが詠んでやっているのだという、まことしやかなウワサが流れていた。






その母が、新しい夫について丹後の国に下ってしまった。

それから、間もなくして都で『歌合わせ』が行われることになった。









(お父様の壇一雄氏)






バカでお節介なオトコが、小式部内侍のところにノコノコやってきて、言った。

「アンタ、歌は大丈夫なの? お母さんから何か言ってきた? おや? まだ何にも?

 そりゃまた? 心配だねぇ」

そのオッチョコチョイの袖をつかんで、ピシャリと詠んでやったのが、くだんの歌だという。





母の住む丹後の国は、大江山、生野と通ってゆく、遠い道の向こうですから、あの名高い

天の橋立も、まだ踏んだことはありません。遠いので、母からの手紙も、まだ見ておりません。



『まだふみもみず』の「ふみ」には「踏む」と「文」が掛けてあり、「いく野」には地名の

「生野」と「行く」とを掛けてある。

当意即妙な歌に、言葉を失ったオトコは、返歌もできずに、オタオタと逃げて帰ったということである。

(この方の文には、句読点の読点が多いかな?)






(父の縁側、私の書斎 も読んでみようかなぁ~。)






本書のタイトルには、もうひとつの「ふみ」、つまり、私の名前が掛けてある。

ということで~す。

オチョコチィのオトコにピシャリと詠んでやった というのがいいですねぇ~。





また、章の最初には『あやし』『あさまし』『ゆかし』などの古語の解釈があり

その語に関連してのエッセイが綴られています。




とっても読み易い一冊でしたねぇ~。

(今日の写真はHPからお借りしました。)



















コメント
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