なんかつくってりゃしあわせ

なんかつくってりゃしあわせ。。。

息子、二十歳。

2012-11-18 20:25:46 | 息子シリーズ
2012年の11月17日 つまりは、昨日だ。

息子、淳生(すなお)の二十歳のお誕生日だった。


仕事が終わったあとに、二人で待ち合わせて
上等のダッフルコートかピーコートをプレゼントする予定で待ち合わせ
買い物が終わったら、二人で初めての酒宴とシャレこもうと打ち合わせていたのだった

BEAMSで紺色のダッフルコートをショップの店員さんに出してもらい
ピーコートなどと試着をする

ダッフルコートは2タイプあって、値段も良い値段ながら、ダッフルコートとしてはお手頃価格。
カタチも質感もいいのだけど、残念ながら水牛の角は使っていない
店員さん曰く「ここだけ水牛の角使ってしまうと、とたんに値段があがってしまって、企画が通らなかったのです」

まぁ、そうだろう。

山田孝之似の店員さんを全面的に信用して
息子はそこの水牛の角を使ってはいないが、上質の紺のダッフルコートに決めた。

紺色は、誰が着ても
おそらく誰が着ても賢そうに見える色である。
ずるい色である

賢くて、しかも堅実に見えてしまう貞操の色である

こういう押さえのモノを持っておくと便利である。

もし、万が万が一にでも「紺色」を着て尚且つも賢そうに見えなかったりする人があればだ
それは注意をしたほうが良いと思う


ダッフルコートを買い、そしていつも履いてるブーツの底がすり減っているので、ティンバに行きブーツを見る。
息子は気に入ったものが無かったようで、すぐ隣の紳士靴コーナーで普段履きのブーツを買い、すぐ履き、
いままで履いていたティンバをリペアにほかほかのまま出す

通学用のリュックを買い、仕事用のスニーカーを買い、やっと買い物が終わって帰途につく

地元についたら外は土砂降り。
息子は大きな買い物袋をみっつもぶら下げている

私は
「雨振ってるから、駅から離れたところじゃなくて駅近で飲もうか?」と人生初の飲み会に息子を誘ったところ

「土砂降りだし、オレはどうしても今日飲みたいわけじゃないから帰ってもいいよ。ママだって疲れてるだろう」

なんて言われてしまった。


オトナだ。




完全に私を労っておる。



息子がオトナになっちまったぜ



弁当箱は忘れて洗わないが、気はいっぱしに使うオトナになってしまった


私は冷蔵庫に隠し持っている日本酒があったのを思い出し

「そんじゃ、家に帰って祝杯をあげよう」
と言って二人で土砂降りの中をチャリで移動
普通に傘をさして乗っていても息子のほうが断然早く、時々止まっては私を待っていてくれるのも
小癪なくらいオトナになった



家に帰り、落ち着いた時に
冷蔵庫から日本酒を出して息子の部屋に行く

息子はおちょこ。私はコップで
いちおう日本酒の講釈を少しだけ垂れてから
お酒を注いで渡す

「とりあえず、おめでとうだね。二十歳のお誕生日おめでとうございます」
「はい、ありがとう」

息子はおそるおそる口をつけ

「へえ、美味しいものだね。ちょっときついけど」

私はなんとなく嬉しくなり、コップ酒を飲み干す

息子は少しづつちびりちびりとおちょこを空け、私がもう一杯注ごうとしたら

「オレはもういいよ、初めてだしさ。そのかわり、台所に出てたアップルパイ食べていい?」と飲み会終了

アップルパイを大きなところ二切れ皿に載せて、なみなみのアイスコーヒーをミルクで割って
嬉しそうに食べ始めた


私はそんな様子が嬉しくてまたもコップ酒をあおって(ここらへん母親として駄目さ加減が色濃く出ている)
そしてその酔った勢いで

「息子。ママの息子で良かった?」と聞くと

「うん。良かったよ」
「どんなところが」
「まぁ、勧められてやったことが良かったな、たとえばいまのバイト先とかさ。なんか広がるっていうかさ」


そんな言葉を聞いて、とりあえずここまでは順調に育ったなと
私にとっては感慨深い誕生日だった