かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

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冬のAKM48 その3

2012-03-16 15:45:20 | コケをめぐる旅

▲ケチョウチンゴケ。(2012年2月三重県・赤目四十八滝にて)


赤目四十八瀧での思い出をもう一つだけ。

雪がとけて岩肌にお目見えしたのは
ケチョウチンゴケの群落。


ケチョウチンゴケ(毛提灯苔)とはその名の通り、
まるで毛のような仮根(かこん)が特徴のコケである。

仮根といえば、土や岩などにしがみつくために
たいてい茎の根元に生えているものだが、
このコケについては、茎の上部にまで仮根が生え、
しばしば葉の上にまで広がることがある。

ちなみに「チョウチン」とつくのは、
の形が提灯の形と似ているからだそうだ。


数年前、初めてこのコケを目にしたときには、
そのコケらしからぬお毛々っぷりにかなりの衝撃を受けたものだったが、
今回、その大きな群落を眺めていたところ、
当時の衝撃を上回るのではないかと思われるほど
一角が大変なことになっていた。




▲おぉ、どうしたどうした。



とくに写真の真ん中あたりの子らなんて、
もはや自身の体までも覆い尽くさんばかりの毛深さ。

私の観察史上最高のモジャモジャっぷりである。

あんたたち、どうしてまたこんなことになっちまったのと、
見ているこちらがオロオロしてしまう。


しかし、冷静になって考えてみれば、
人間界では「ムダ毛」という言葉があるくらい、
一定基準量を超えた毛をムダとみなして気にするものであるが、
コケにとってはこのモジャモジャの仮根、
それなりに何か理由があるのかもしれない。

何度かこのコケに出会っていると、
みんながみんなモジャ公というわけではなく、
毛深さの程度は個人差(群落差?)がある。

生える場所の違いか、はたまた季節が関係するのか。

図鑑によると、実はこの仮根の先には、
小さな糸状の無性芽がついているとのこと。

もしかしたら毛深いやつほど
無性生殖に精を出しているのかも!?

手持ちの図鑑にはその意図までは触れられていなかったが、
このモジャモジャ仮根について、すでに研究されている学者の方がおられるかもしれない。

今度どなたかにお会いしたら、ぜひ伺ってみたいなぁ。




●おまけ

一触即発!?ケチョウチンゴケとムクムクゴケのお毛々対決!



▲モジャモジャとムクムク、(コケ好きには)奇跡のツーショット!



▲ケチョウチンゴケとムクムクゴケ、よく見るとどうもお互い陣地を取り合い、せめぎ合っているように見える。


※記憶をたどるとこのバトル、実は昨夏から続いていたのでした。

「ジャゴケ.vs.ムクムクゴケ」(ケチョウチンゴケの登場は記事末尾に)
http://blog.goo.ne.jp/bird0707/e/aed44112e256a4242e6e4e41e2118b90


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