かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

山歩き再デビュー@金峰山 その1

2013-07-30 10:06:38 | 山登りとコケ

▲倒木をコケが覆う。(山梨県・大弛峠 7月)


ここ数年、コケを見るのが楽しくて、
山に入っても山頂を目指さず、
麓やら中腹やらをウロウロしていたのだが、
こないだの週末、久々に山頂めがけて登ってきました、
山梨県にある標高2,599mの金峰山(きんぷさん・きんぽうさん)。

夜中に都内を出て深夜に山梨県と長野県の
境に位置する大弛峠(おおだるみ)の駐車場に到着。

この峠は、自動車が通行できる日本最高所の峠である。ここで標高は2,360m。
そして、ここから尾根道を4~5キロだけ歩けば金峰山の山頂にたどり着く。

山歩き再デビューにはもってこいのお手軽登山ルートなのである。


車の中で寝て、朝6時に起床。
買っておいたパンを食べて、
6時半頃から歩き始める。

都会の朝と打って変わって、山の朝は空気が澄んでいてなんとも涼しい。
夜明けの山道を歩き出すだけでもう満ち足りた気分になる。


▲亜高山帯の森の中。最初はゆるやかな坂道を登る。自分はいつものごとくコケを見たいので列の一番後ろ


峠の森の中は、予想していた以上にコケがたくさん。
地面にも木にも岩にも、それぞれの場所をお気に入りの住処としたコケたちが、
そこここに独特の形の群落をつくっていた。



▲亜高山帯といえば、このコケ。オオフサゴケ。八ヶ岳界隈でもよく出会ったなぁ


▲オオフサゴケのアップ。植物体は立ち上がる。なんとなくクリスマスツリーに見えてくるのは私だけだろうか・・・



▲こちらも亜高山帯ではおなじみのコセイタカスギゴケ。胞子体が出てます


▲雌株の影には、少し背が低めの雄株が。もう婚活を終えたあとかな?!



▲山道の横手には倒れた木の根っこが壁を作っていて、そこをまたコケたちが住処として活用している


▲近寄ってみると・・・こちらはおそらくフウリンゴケ。古い胞子体と若い胞子体が混在している。胞子体の柄はくねくね。
 垂直面の土の上が好きで、生育場所はまったく違うが、実はコセイタカスギゴケの親戚筋。同じスギゴケ科の仲間だ



▲こちらはイワダレゴケ(ちょっと乾燥気味)。倒木や岩が好きなコケなのだが、ここではコセイタカスギゴケに乗っかちゃってます。
 よく見ると「孫の手」みたいにひょろりと立ち上がった新しい茎が見える。前年度の茎葉の上に毎年1度新しい茎葉を作るのがこのコケの最大の特徴



▲チシマシッポゴケ(おそらく)。この子たちもかなり広い範囲で林床を覆っていた。シッポゴケのなかでもとくに大型で、葉は同じ方向に曲がる



▲こちらも同じくシッポゴケの仲間。カモジゴケの一種かな。倒木の枝に突如現れた「天然の針山」といったかんじ



▲同じくシッポゴケの仲間。樹幹を覆うあたたかなブランケットのよう。濃緑色なところをみるとタカネカモジゴケだろうか。


こんな調子で歩けば歩くほどコケ・コケ・コケのコケ三昧。

こうも苦労しないで、あなたたちと会えるなんていいのかしら?!
と嬉しさがこみ上げてきて、歩きながらも思わずニヤニヤしてしまう。

みんなの列に遅れぬようコケを見ては(ニヤニヤし)早足で追いかけ、
またコケを見ては(ニヤニヤし)早足で追いかけを繰り返し・・・。

急に視界が開けたと思ったら、
向こうには黒々とした富士山が見えた。


▲夏の富士山は山頂の雪もほぼ溶けて、わりと地味。いまごろ大勢の人が登っているのだろうなぁ。


顔を上げたついでに辺りをよく見れば、ツガの美しさもなかなか。






▲新芽は明るい黄緑色。古いのと新しいの、こんなにもはっきり色が分かれているものなのね

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