かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

研究者の遊び心

2010-06-02 12:44:04 | 山登りとコケ

富士山のコケ観察会の続き。


今回、富士山でいろんなコケを見ることができ、
それはもう刺激を受けたわけだが、
もっとも新鮮だなと感じたのは、
参加している小中学生たちが
コケや地衣類にめちゃめちゃ興味をもっていたことだ。


とかくこの時期の少年たちというのは、
ひとつのことにハマルととことん!という節がある。
さらに記憶・吸収する能力も、大人とちがって速い速い。


先生方の説明も一番前で熱心に聴いているし、
私が「このコケ・・・なんだっけ?」と首をひねっていると、
「それは○○ゴケだよ」と教えてくれる。


また誰が○○ゴケを一番先に見つけるかみたいな競技が
彼らのあいだで流行っていたらしく、
大人たちがじっとひと所にルーペを当てている間も、
森を駆け回って「見つけた!」「いや、オレが先だ!」
「先生、これ○○コケだよね!?」・・・と、なんともにぎやか。


また、子どもからの質問を受ける先生も
いつも笑顔で、なんだかうれしそう。


「コケや地衣に興味があるなら、どんな質問にも答えてあげたい!」

という心意気が伝わってくる。



私は今まで研究者の方というのは、
とても頭がかたそうなイメージをもっていたのだが、
今回の先生がたは、いつまでも少年の心を忘れない
遊び心のあふれるお二人で、このことも実は驚きだった。



たとえば、配られた教材には
コケをキャラクター化したイラストが入っていたり、
某アニメ発祥のゲームを生かした(!?)グッズがあったり。





▲折りたたみ式コケブック。見つけたコケをペタッと貼れば、即席標本のできあがり。
 各コケの特徴も書いてあるので、復習にも最適だ。





▲アップ。タマゴケの「たまちゃん」。






▲裏には忘れちゃいけないコケの基本情報も。






▲ポケモンカードならぬ「コケモンカード」。講義の後のクイズ大会でもらった景品。
 高得点者にもらえる権利があると聞き、私も子どもたちに負けじと本気で勝負した!




「このカード、先生が作られたんですか?」


とコケ専門の樋口先生にたずねたところ、



「え、えぇ。ちょっとおもしろいかなーと思って」


と照れ笑いされていた(正直、この柔軟な遊び心とはにかみに私は萌えた!)。




子どもが理解できて楽しいと感じられるものは、
大人にとっても、やはりわかりやすいし、楽しい。


学びってこういう楽しい経験があってこそ、
真に身につくものなのだなーと思う。



「私もまだまだ。もっといっぱい楽しもう」


若いコケ友たちと大先輩のコケ友、
両者を見てそう思った。

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