富士山のコケ観察会の続き。
今回、富士山でいろんなコケを見ることができ、
それはもう刺激を受けたわけだが、
もっとも新鮮だなと感じたのは、
参加している小中学生たちが
コケや地衣類にめちゃめちゃ興味をもっていたことだ。
とかくこの時期の少年たちというのは、
ひとつのことにハマルととことん!という節がある。
さらに記憶・吸収する能力も、大人とちがって速い速い。
先生方の説明も一番前で熱心に聴いているし、
私が「このコケ・・・なんだっけ?」と首をひねっていると、
「それは○○ゴケだよ」と教えてくれる。
また誰が○○ゴケを一番先に見つけるかみたいな競技が
彼らのあいだで流行っていたらしく、
大人たちがじっとひと所にルーペを当てている間も、
森を駆け回って「見つけた!」「いや、オレが先だ!」
「先生、これ○○コケだよね!?」・・・と、なんともにぎやか。
また、子どもからの質問を受ける先生も
いつも笑顔で、なんだかうれしそう。
「コケや地衣に興味があるなら、どんな質問にも答えてあげたい!」
という心意気が伝わってくる。
私は今まで研究者の方というのは、
とても頭がかたそうなイメージをもっていたのだが、
今回の先生がたは、いつまでも少年の心を忘れない
遊び心のあふれるお二人で、このことも実は驚きだった。
たとえば、配られた教材には
コケをキャラクター化したイラストが入っていたり、
某アニメ発祥のゲームを生かした(!?)グッズがあったり。
▲折りたたみ式コケブック。見つけたコケをペタッと貼れば、即席標本のできあがり。
各コケの特徴も書いてあるので、復習にも最適だ。
▲アップ。タマゴケの「たまちゃん」。
▲裏には忘れちゃいけないコケの基本情報も。
▲ポケモンカードならぬ「コケモンカード」。講義の後のクイズ大会でもらった景品。
高得点者にもらえる権利があると聞き、私も子どもたちに負けじと本気で勝負した!
「このカード、先生が作られたんですか?」
とコケ専門の樋口先生にたずねたところ、
「え、えぇ。ちょっとおもしろいかなーと思って」
と照れ笑いされていた(正直、この柔軟な遊び心とはにかみに私は萌えた!)。
子どもが理解できて楽しいと感じられるものは、
大人にとっても、やはりわかりやすいし、楽しい。
学びってこういう楽しい経験があってこそ、
真に身につくものなのだなーと思う。
「私もまだまだ。もっといっぱい楽しもう」
若いコケ友たちと大先輩のコケ友、
両者を見てそう思った。