かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

私の心のふるさと。

2014-03-07 15:59:05 | コケの本棚

最近そんなに忙しくなかったはずなのに、あっという間に時は過ぎゆき、
気づけばブログの更新がまた月をまたいでしまった・・・。

「行く1月」「逃げる2月」が今年もまた本当に目の前をぴゅーっと
通り過ぎて行ったことに呆然としているのだが、
今月もまた「去る3月」であっという間に過ぎてゆくのでしょう。

さて、3月2日から昨日まで、日本蘚苔類学会の恒例行事となっている
コケフォレー(コケの採集会のこと)で屋久島へ行っていた。

昨日、地元・関西に帰ってきたら
雪がちらついていて驚いたのだが、
あちらはいよいよ春です。

滞在中は何度か雨に降られつつも、
吹く風は日ごとにあたたかさが増し、
街道の寒緋桜はまさに見ごろ。

宿舎では冬眠から目覚めたのであろうカエルが、
渡り廊下に鎮座している姿を見かけた。


あぁ、屋久島がどんどん春に向かって新しくなっていく。
水も緑も蟲たちも命をみなぎらせて輝く季節に入っていくのだなぁ。

夜、顕微鏡でコケを見つつ雨風が窓を激しく打ちつける音に、
ひそかに胸を高鳴らせながら、そんなことを考えていた。

今回で通算6回目の屋久島旅行だったが、毎回屋久島の空気には心が解放される気がし、
島の緑がもつ生命力には元気をもらう(もちろんコケを筆頭に!)。

また今回も地元のOさん、Yさんにもあたたかく迎えていただき、
楽しい時間(もちろん内容はほとんどコケについてのことなのだが)を過ごさせてもらった。

生まれ育った場所ではないのになぜか何度でも
訪れたくなる心のよりどころのような場所。

そんな心のふるさとを自分の中に持っていると、それだけで人生はおトク、
心強く、そして心豊かに生きさせてもらっているなぁと
改めて感じながら帰路に着いたのだった。


  
   ▲コケフォレー中に出会ったハネムクムクゴケとヒノキゴケの群落



さて、屋久島レポートはまたおいおいするとして。

本当はコケフォレーの前に書こうと思っていたことを
これから何回かに分けて書きたいと思う。


まずは、日本の「隠花帝国」といわれる(おそらくこちらが元祖でしょう)
青森県・奥入瀬渓流からうれしいニュースをひとつ。

奥入瀬渓流オリジナルの「コケ散歩ガイドブック」がこのたび完成したとのこと。


  


ちなみに屋久島が「南の心のふるさと」なら、
奥入瀬は私にとって「北の心のふるさと」とでもいおうか。

コケのことで地元の河井大輔さん(この5月からNPO法人奥入瀬自然観光資源研究会理事長)から
お声がかかり、初めて奥入瀬を訪れたのはたった2年前のこと。

しかし、その2年の間に4回も現地を訪れる機会に恵まれ、
カツラやトチなどの落葉高木と隠花植物が共存する独特の森を好きになり、
またその森をこよなく愛し大切に考えている人々の情熱や心の優しさ、
そしてチームワークにもすっかり魅了されてしまい、
以来、東京にいても、さらに離れて関西にいても、
物理的な距離を越えた心の近さを感じている場所なのである。

そんな奥入瀬渓流が昨年は「日本の貴重なコケの森」にも選ばれ、
どんどん認知度が高まっている中、訪れた人に森で出会えるコケをより理解してもらう、
楽しんでもらうために作られたのが、今回のガイドブックだ。

ピンクが基調のデザインとかわいいイラストながら、
コケの基礎知識や葉の形や胞子体についての細かな特徴まで書かれていて、
初心者からコケの世界にすでに一歩踏み込んだ人にも親切な内容となっている。

  


このガイドブックは平成26年度以降の奥入瀬自然観光資源研究会主催の
イベントや環境教育の場で教材として配布される予定とのこと。

地元ではコケの知識に長けたガイドさんも着々と育っているし、
近い将来、この北の心のふるさとが「コケ好きさんの聖地」になりそうな予感。

これからも陰ながらですが、心より応援しています。

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ブログのトップにも書いてありますが、3月23日(日)から始まる自由大学の連続コケ講座、
ありがたいことにどんどんお申し込みをいただいております。

いまなら若干名席があるとのことなので、ご興味がある方、お早めのお申し込みをお待ちしています。
こんなに豪華な講師陣での連続講座、他にはなかなかないと思いますのでこの機会にぜひぜひ。

自由大学「苔に学ぶ」



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