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コケ界の異色イベント「苔道入口」開催。

2011-11-05 07:03:26 | 文系女子のコケ目線

▲『苔道入口』の出演者たち。左から石倉良信さん、私、苔路姉妹の葉子さん、和子さん。


久々のまともな更新です。

秋になるとまたコケが見頃になり、
あちらこちらへ“コケ見”に行っているので、
つい更新がおろそかに・・・。

まぁそうはいっても
相変わらずマイペースにいきます。


さて、まずは先週土曜日に行われた
コケイベント、『苔道入口』のレポートから。

今回のイベントは、長年シティー派のコケを愛し、
ご自宅でも数十鉢ものコケを育てている、
コケ好き舞台俳優・石倉良信さんが主催したもの。

コケが地味ながらいかに奥が深く魅力的かということを、
少しでも多くの人に知る機会を持ってほしいと、
石倉さんがずっと心の中で温めてきた企画だった。


場所は代官山のカフェ「山羊に、聞く?」で、
コケランチ付きのトークイベントスタイル。



▲美味しいと絶賛だったコケランチ。豚肉のグリル バジルソースのせ、アボカドとひじきのサラダ、
 緑のテリーヌ(何味だったか失念)、ホウレンソウのキッシュ、青のり付きライス


普段石倉さんの舞台を見に来られているお客さんを中心に、
コケ好きの人も何名か、20~60代くらいまでの幅広い世代が集まった。

ちなみに参加者ほぼ全員が女性(一人だけ、女性の同伴者らしき男性がいらっしゃったが)

やはり女性は年代問わずフットワークが軽いですね。


今回、私はゲスト出演という形で参加させていただいたので、
自分の出番までは会場の後ろでこっそり見学。

なんでも石倉さん、なんせ本業が俳優なので、
今回のためにオリジナルの芝居もやるとか。

もちろんコケがテーマのお芝居、
でもいったいどんなことをするんだろうと思っていたら・・・

↓こういうわけだった↓





そう、苔男、つまり石倉さん自身のコケ的日常を
一人芝居で見せるというわけ。

愛犬との散歩中、しゃがんでコケに夢中で見入るあまり(写メなんかも撮ったりして)、
通りすがりの人から怪しまれる石倉さん。すかさず犬の世話を焼いているフリをする。

その様子を小道具も使わず身一つで表現される演技力はさすが。



▲通りすがりの人に「何してるんですか?」と聞かれて、必死に弁解する苔男。


私なんかは見てて「あるある!」と同感することしきりだったのだが、
やはりコケ観察をしたことがない方々にとっては、
この行動が、怪しい・奇妙以外のなにものでもないらしく、
会場は一気に大きな笑いで包まれていた。


そのあとは、私から少しコケ話。

ごく初心者向けにコケとはどんな生き物かという話と、
コケを見る楽しみ、コケとの親しみ方について、お話しさせてもらいつつ、
石倉さんの撮りためた写真を見ながら、身近なコケ風景をプロジェクターで鑑賞。


そして、そのあとはいよいよコケ観察。
石倉さんのご自宅でなんと3年も休眠していたという
スナゴケにご登場いただき、
みんなでいっせいに霧吹きで水をかけて、
葉が開く様子をルーペで観察した。


▲このたび3年ぶりに目覚めることになったスナゴケとルーペ。


それまでカチカチにかたまっていたスナゴケが
水をかけた途端にパァっと葉を開く姿は、何度見ても感動する。

私の話を聞いていてもイマイチな反応だった人も、
このときばかりはキラキラと目を輝かせて
「すごーい!」「きれい!」と興奮している姿は、
こちらも見ていて本当にうれしくなる。

やはり普段、コケの美しさに自発的に気づく人はまだまだ少ないし、
またコケもコケで興味を持ってくれた人にしか
その美しい姿を披露しようとはしない。

だから、このようなイベントを通して、
少しでも自分が両者の橋渡しに役立っているなら、
こんなにうれしいことはないと思う。


そして再び石倉さんの一人芝居「苔男の日常<家編>」を挟んだ後は、
(トップの画像を見て、気になっていた方も多いと思うが)
きらびやかな緑の衣装をまとった苔路姉妹(こけじしまい)のご登場。





ちなみに彼らは歌舞伎町を抜け出してきた
ドラッグクイーンではない。

今回のイベントのために特別に結成された
苔への愛を歌うシンガー&ギタリストのデュオなのである。

※タネを明かすと普段はお二人ともプロのバンドマンとしてバリバリ活動をされています。


ちなみにこのビジュアルから繰り出される音楽や、
いかにハードコアかと思いきや、
なんとふたを開ければお耳にやさしいボサノバ調。


「コケ♪コケ♪ コケ♪コケ♪」

と、「コケ」のフレーズとボサノバ特有のリズムが何とも心地よい。


▲葉子さんのしっとりした歌声がまた、水に濡れたコケを思わせる。


文字ではこれ以上なんとも表現しにくいのだが、
この曲のすばらしさはもう聞いていただくしかあるまい。



そんなこんなで芝居にトークに観察にライブ演奏。
もりだくさんだった「苔道入口」。

さらに今回はその名の通りまだ「入口」なので、
今後はいよいよ苔道の中に入っていく内容のイベントも、
石倉さんは構想中なのだとか。

次はどんなイベントになるのかいまから楽しみだ。




●おまけ



▲石倉さんお手製のコケースター(コースター)。石倉さん、なんと刺繍がご趣味なのだとか。
 アスファルトに見立てたフェルト生地に、石倉さんデザインのコケの刺が施されている。
 ギンゴケ、ホソウリゴケ、ハマキゴケの3種があった。

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