教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

半導体の歩留りについて

2010-09-17 00:02:46 | 科学
半導体屋さんの話をしたい。

企業Aの歩留りは99%だった。
企業Bの歩留りは80%だった。

企業Aの選別前の生産コストは150円/個だった。
企業Bの選別前の生産コストは100円/個だった。

さて、どっちが優秀な企業か?

企業Aの最終コストは151.5円/個。
企業Bの最終コストは125円/個。

企業Bのほうが優秀に決まっている。

企業Aは日本の半導体メーカーの考え方に近い。
企業Bは韓国の半導体メーカーの考え方に近い。

だから負けたような気もする。

しかし!

不良ではないが、ギリギリで動いているもの。
出荷時には不良ではなかったが、しばらく使っているうちにすぐ不良になるような潜在的不良品。
そういうのはどっちが多く含むだろうか。

そりゃあ企業Bのほうが多く含むに決まっている。
だからほんの少し安い事よりも高信頼を要求する産業用の用途には企業Bは採用されない。
たった26.5円をケチッたおかげで数千万円の機械が出荷してすぐに動かなくなったなんてことは許されないからだ。

これは個人でも同じことである。
少し安いからといってギリギリ動いているようなものを掴まされる確率が高いようなものは買うべきではない。
個人の場合には買いに行く手間の機会コストのほうが多額にかかるので、少し安いくらいでは選ぶ意味はない。
わたしはサムソンのメモリーの市場不良の多さを知っているからこそ、韓国製でなくなるなら喜んで割増料金を支払う。
そして日本企業のものを選べば、部品単体の性能としては期待以上のものが手元に来ている可能性が高まるのだ。

企業Aは自分の利益よりも顧客や顧客の顧客のことを第一に考えているといってもいい。
企業Bは自分の儲けにだけしか注目しない。
顧客第一主義は一概に儲けに直結するとは限らないわけだ。

どちらが倫理的に優れた企業か。
どちらが存続を期待されるべき企業か。