少し前のあるとき、弟の嫁からマンションを買いたいからというので相談を受けたことがある。
我輩がアマチュアではあるものの不動産投資家であり、これでも宅建に受かったことを頼ってのものだ。
そのとき、弟に不動産屋から重要事項説明書とマンションの管理規約書を持ってこさせ、ネットで相場や立地などを調べ、良し悪しをチェックした。
総括しての返答は、
「重要事項説明書とマンションの管理規約書に記載されている個別項目や立地に関しての問題点は、読んで聞かせたときにそのつど説明したとおりで、今さらもう一度言わんといかんようなところは無い。
ようするに購入をためらうほどヤバい項目は無い。
この物件のほとんど唯一にして最大の問題点は値段だ。
この物件を買うと○○○万円損する。
買う前に絶対にこれだけの損失をかぶってもいいと思えるかどうか考えてからにしたほうがいい。
それでもいいなら買ってもいい。
俺だったら買わん。
だいたい今は長期保有目的の不動産投資家だったら買いすすめようとは思わんほど相場が上がっているしな。」
であった。
この返答に対し、弟の嫁はどう反応したと思う?
「この物件なら大丈夫だってお兄ちゃん(我輩のこと)のお墨付きをもらえた! これで安心して買える!!」
だったのだ。
ちょっと待て。
我輩の意図が半分しか伝わってないぞこれは…。
しっかしまあ、どうしてこうなったんよ!?
これには大いに謎を感じた。
ただ、しばらく考えてみるに、どうもこれは弟の嫁だけに発生する限定的な問題ではなかろうとも思い始めてきた。
ようするに、
「気がついていないだけで自分でも普段から同じことやっている可能性が高いんじゃないか…?」
と思えてきたのだ。
それから少しづつ調査をはじめた。
どこから手をつけていいものやらという暗中模索のなか調査をはじめたが、どうやら行動経済学と認知心理学の境界あたりの領域ではなかろうかということがわかった。
さらに調べてそこでわかったこと。
これは「確証バイアス」という現象なのだということだ。
wikiによると、
確証バイアス - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A2%BA%E8%A8%BC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9
> 確証バイアス(かくしょうバイアス、英: Confirmation bias)とは、認知心理学や社会心理学における用語で、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと[1]。認知バイアスの一種。また、その結果として稀な事象の起こる確率を過大評価しがちであることも知られている[2]。
とある。
つまり、弟の嫁の内心ではそのマンションを買うことは既に決まっていたため、
買うことに対する不安を和らげてくれる都合の良い判断だけ聞こえたということだ。
それに比べると我が家のすぐ近くにお住いの夫婦は、自宅なんて買わなくてもかまわねえくらいのニュートラルなところに自分がいることを心がけているようだ。
はたから見てもわたしが1件目の不動産を買うときよりもさらに冷静で、常にこんな精神状態で自分が投資判断できたらいいもんだと感銘を受けるほどである。
弟の嫁にこうしろと見せてやりたいほどだw
なお弟自身は
「こんなんで決めていいんだろうかと思わなくはないんだけど」
と、うっすら気づきかけているようではあるが、嫁がそれがいいっていうならまあそれでいいという感じで、ブレーキとしては全く機能していない。
ここまで来てようやく合点がいった。
しっかしまあ、確証バイアスとはなんと恐ろしいものかという感じがする。
投資家として見た場合、これだけ激しく損失を発生させた上でその存在に気付かせもしないという恐るべき強敵は他に見たことがない。
たとえば…
自分が買った株の銘柄だけは過剰に楽観的になり、
株価がどんどん下がっていっても近いうちに反転上昇するはずだと信じて損きりせず、
ずるずると含み損を膨らませつづける、
…これは確証バイアスに人類が支配されたから受けた損失に間違いない。
韓国ウォッチャーでも同じ現象がみられる。
中国がくたばると韓国が真っ先に最大級の痛い目に合うと信じて疑わないが、統計から見える姿では台湾のほうが痛い目を見やすい。
中国はもうヤバいと信じて疑わないが、統計から見える姿ではブラジルのほうがヤバい。
これも確証バイアスのせいに間違いない。
よく、投資家はサルにも負けるという。
これも確証バイアスが共犯の疑いありだ。
我々は確証バイアスという強敵を飼っている無意識に支配されやすい。
だが我々にはちゃんとアタマがついている。
アタマが無意識より強ければ、きっといらぬ損失をかぶることも減らせるはずだ。
我輩がアマチュアではあるものの不動産投資家であり、これでも宅建に受かったことを頼ってのものだ。
そのとき、弟に不動産屋から重要事項説明書とマンションの管理規約書を持ってこさせ、ネットで相場や立地などを調べ、良し悪しをチェックした。
総括しての返答は、
「重要事項説明書とマンションの管理規約書に記載されている個別項目や立地に関しての問題点は、読んで聞かせたときにそのつど説明したとおりで、今さらもう一度言わんといかんようなところは無い。
ようするに購入をためらうほどヤバい項目は無い。
この物件のほとんど唯一にして最大の問題点は値段だ。
この物件を買うと○○○万円損する。
買う前に絶対にこれだけの損失をかぶってもいいと思えるかどうか考えてからにしたほうがいい。
それでもいいなら買ってもいい。
俺だったら買わん。
だいたい今は長期保有目的の不動産投資家だったら買いすすめようとは思わんほど相場が上がっているしな。」
であった。
この返答に対し、弟の嫁はどう反応したと思う?
「この物件なら大丈夫だってお兄ちゃん(我輩のこと)のお墨付きをもらえた! これで安心して買える!!」
だったのだ。
ちょっと待て。
我輩の意図が半分しか伝わってないぞこれは…。
しっかしまあ、どうしてこうなったんよ!?
これには大いに謎を感じた。
ただ、しばらく考えてみるに、どうもこれは弟の嫁だけに発生する限定的な問題ではなかろうとも思い始めてきた。
ようするに、
「気がついていないだけで自分でも普段から同じことやっている可能性が高いんじゃないか…?」
と思えてきたのだ。
それから少しづつ調査をはじめた。
どこから手をつけていいものやらという暗中模索のなか調査をはじめたが、どうやら行動経済学と認知心理学の境界あたりの領域ではなかろうかということがわかった。
さらに調べてそこでわかったこと。
これは「確証バイアス」という現象なのだということだ。
wikiによると、
確証バイアス - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A2%BA%E8%A8%BC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%B9
> 確証バイアス(かくしょうバイアス、英: Confirmation bias)とは、認知心理学や社会心理学における用語で、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと[1]。認知バイアスの一種。また、その結果として稀な事象の起こる確率を過大評価しがちであることも知られている[2]。
とある。
つまり、弟の嫁の内心ではそのマンションを買うことは既に決まっていたため、
買うことに対する不安を和らげてくれる都合の良い判断だけ聞こえたということだ。
それに比べると我が家のすぐ近くにお住いの夫婦は、自宅なんて買わなくてもかまわねえくらいのニュートラルなところに自分がいることを心がけているようだ。
はたから見てもわたしが1件目の不動産を買うときよりもさらに冷静で、常にこんな精神状態で自分が投資判断できたらいいもんだと感銘を受けるほどである。
弟の嫁にこうしろと見せてやりたいほどだw
なお弟自身は
「こんなんで決めていいんだろうかと思わなくはないんだけど」
と、うっすら気づきかけているようではあるが、嫁がそれがいいっていうならまあそれでいいという感じで、ブレーキとしては全く機能していない。
ここまで来てようやく合点がいった。
しっかしまあ、確証バイアスとはなんと恐ろしいものかという感じがする。
投資家として見た場合、これだけ激しく損失を発生させた上でその存在に気付かせもしないという恐るべき強敵は他に見たことがない。
たとえば…
自分が買った株の銘柄だけは過剰に楽観的になり、
株価がどんどん下がっていっても近いうちに反転上昇するはずだと信じて損きりせず、
ずるずると含み損を膨らませつづける、
…これは確証バイアスに人類が支配されたから受けた損失に間違いない。
韓国ウォッチャーでも同じ現象がみられる。
中国がくたばると韓国が真っ先に最大級の痛い目に合うと信じて疑わないが、統計から見える姿では台湾のほうが痛い目を見やすい。
中国はもうヤバいと信じて疑わないが、統計から見える姿ではブラジルのほうがヤバい。
これも確証バイアスのせいに間違いない。
よく、投資家はサルにも負けるという。
これも確証バイアスが共犯の疑いありだ。
我々は確証バイアスという強敵を飼っている無意識に支配されやすい。
だが我々にはちゃんとアタマがついている。
アタマが無意識より強ければ、きっといらぬ損失をかぶることも減らせるはずだ。