教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

アイマス2の9.18事件その後

2010-09-23 01:24:49 | オタネタ全般
アイマス2の9.18事件のすぐ後、なかなかに秀逸なMADが多数製作された。

やよいがチューしているもの。
春香が肩を抱かれているもの。
美希がパイタッチされて喜んでいるもの。
千早が妊娠して結婚しましたとハガキに記したもの。
・・・そういうものたちだ。

これらは実に良くできていた。
ファンであればあるほどそれに心を揺るがされた。

ある者はそれを見て起こりうる最悪の未来に涙した。
ある者は我々の憤る気持ちをうまく表現してくれたと喝采を贈った。
ある者は自分の大切な伴侶を汚したそのMAD製作者を殺したいほど憎んだ。
ある者はバンナムの間違った仕打ちに対する正当な報復であるとあざけり笑った。

皆・・・ではないかもしれないが、ほとんどの者たちは真剣だった。
だれもアイマスを下品なものにしようとしたり、バンナムを貶めるべく非難をあびせたりしようとしたのではなかった。

なぜなら!

皆、アイマスのアイドルたちに心の底から惚れていたからだ。

わたしはこれらは秀逸なものと感心した。
ただ、amazonのアイマス2の書き込みはクリアされてしまったので、バンナムのご機嫌は損ねてしまったらしい。
なので、あまりおおっぴらにするのは歓迎すべきことでもないようだ。
・・・まあそれはいいとして。



さて。
ニコニコのノベマスでも、アイドルがくっついたりどうだったりという作品は少なからずある。
かくいうわたしのノベマスでも、千早と主人公はけっこうアレな関係にある。

しかし、そのほとんどは視聴者のご機嫌を損ねるようなことにはなってはいない。
ご機嫌を損ねるものも稀にあるが、それは失語症のような難しいテーマを扱ったがゆえに賛否両論を巻き起こしたものであり、ファンの多くに拒否感を植え付けるようなものではない。

それに対してアイマス2の公式はどうか。
あの男キャラに対する拒否感は尋常ではない。

なぜか?

それは視点の違いにある。

ノベマスの多くは主人公とアイドルがくっつく仕様になっている。
ノベマスの読者は主人公視点でそれを観るため、主人公の成すことをそこで擬似体験する。
これはノベマス特有のものではない。
これは映画で古くから使われているのと同じ手法である。

ではアイマス2だけ何が違うのか?

それは、アイドルが他の誰かとくっつくところを横で指をくわえて傍観することを擬似体験してしまうからだ。

バンナムは言った。
アイドルとくっつくような後味の悪いストーリーは存在しないと。
(うるおぼえにつき文面不正確)

しかし問題はそれでは片付かない。
ゲームを購入する前から後味の悪さを彷彿してしまうことに問題がある。

ゲームはワクワクドキドキしなければ買えない。
店で買って家で袋から出すのが楽しみでしかたがないようなものでないと買えない。
わたしのように社会人で独身であれば買って失敗だったと思ってもたかが数千円くらいで長々と落ち込むには値しない金額だが、特に10代のユーザーにとってはゲームを新品で買うのに必要な対価はかなり高額で、喜んで買ったにもかかわらず失敗したと思ったら当分立ち直れないくらいショックがデカい。
だからそんな袋から出す前から後味の悪さを彷彿させてしまうようなものに納得できるはずもないのだ。



我々ニコマスに棲息する民は今後どうなるのだろうか。

1つはこのまま不安がつのりつつアイマス2の発売を待ち、やがて熱狂的ファンが1人また1人と去っていき、そしてコミュニティーが収束し自然消滅に向かう未来。
これはあまり望ましくはない。

もう1つある。
我々にとってのアイマスとは、9.18事件前夜までが全てだったと解釈する未来。
公式とは、2010年9月17日までが全てであり、全ての題材はそれを基本にし、それ以降はガン無視し、自分の認める未来だけを独自に作る未来。
これが望ましいかどうかはさておき、少なくともファンたちの自然発生的に生まれたコミュニティーが自然消滅するのを傍観しているよりはマシであろう。



この問題は誰か1人で解決できるようなものではない。
我々が総体としてどう思うかを我々自身が示していくことで作る未来なのだから。