教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

使いどころの難しい白馬の王子様

2015-10-27 22:58:15 | オタネタ全般
白馬の王子様とは何か?

ヒロイン(?)が窮したとき、銀河美少年なみに颯爽登場して事態を収拾させる人物、およびそいつがご愛用中の馬を指す。

そしてなぜか馬は白馬でなければならないというルールがある。
栗毛であってはならない。
しかし王子様でなくおっさんの場合は黒馬の場合はある。



さてこの白馬の王子様。

さいきんどこかでご覧になられたことはおありだろうか?

たとえば前クールにやっていた”赤髪の白雪姫”。

この作品はおもしろいにはおもしろいのだが、その登場シーンがあまりにテンプレに忠実で
「うーんwww」
と唸ってしまうこともしばしば。

そういえば同じ少女マンガ系の”それでも世界は美しい”にも全く同じシーンがあったような。
まあそれはいいとして。



このテンプレは半世紀以上前に発明されて以来あまりに使われすぎた。

王子様が白馬で登場するシーンをこれ以上改良する方法はもうないのだろうか。

我々はもはやあきらめの境地に達し、その偉大なるマンネリズムを許容することに慣れすぎていた。

しかし!

このテンプレ・オブ・テンプレを使いこなせる新たなる刺客が人類の前に半世紀ぶりに現れた!

それは何か!?

いまやっているランス・アンド・マスクスというアニメである。

第3話から抜粋したい。






失礼します

(・д・)チッ

不審者が現れたと、報告がありました

なに?

どんなヤツ?

それが… あ… 白馬に乗っていると…

( ゜д゜)ポカーン






すばらしい!
わたしはこういうのを待っていた!!

これの何がすばらしいかって?

そりゃあもちろん、テンプレを安易に使いすぎるヤツらへの強烈なカウンターパンチだからだ。



これと同じニオイのする作品に、プラネットガーディアンというマンガがある。
こいつもテンプレ・オブ・テンプレを過剰に多用しつつテンプレ破壊しながら連載をつづけるという恐るべき作品だった。
興味があればブックオフかどっかで100円で買ってくるとよろし。

本牧に駅ができる日は来るのか?(その2)

2015-10-19 23:59:24 | 経済/経済/社会
トンネルが専門の研究者と話をする機会があったので、本牧駅についていろいろ聞いてみた。

なおこの人は、みなとみらい線や本牧のことは全く知らない。
なので、質問するときに地理的な諸事情を細かく話すことになったのだが、以下のQ&AのQの部分では本牧住人なら当然知っている諸知識は省いて書く。



Q:
みなとみらい線が本牧経由で根岸駅に接続される計画はあったものの、それが元町中華街駅までで行き止まりになっているのは、地元の商店街が反対したからというウワサがある。
しかし、元町までだったら明治時代の埋め立て地なので地盤がやわらかくてサクサク掘れるのに対し、本牧までは山手の丘をトンネルでブチ抜かないと通らないので、掘りやすさの面を考慮して元町中華街駅までにしたのではないか?…という説もある。
トンネル屋さんから見てその説の妥当性を聞きたい。

A:
トンネルを掘るときは、トンネルの断面の形をした工作機械を入れて掘るのだけど、その工作機械の歯は1度取り付けてしまうと交換するのがものすごく大変で、途中で地盤が変わっても交換できずにそのまま掘るしかないということはよくある。
埋立地と丘の下だと地盤がそこで全く変わるのだろうからその問題はありそうだけど、行政が地下鉄を通すときは将来需要を見て決めるので、地盤が固くて掘りにくいかどうかは判断材料にはならない。
ただし民間の資本でやる場合、たとえばJRの第二新幹線とか、そのときは工事費用もちゃんと見積もってからどうするか考えるから計画の段階で議題にのるんだけど。

Q:
元町中華街駅から山手の丘の下ってのと、本牧から根岸までの割と平らなところって、地盤ぜんぜん違うんじゃないかと思えるんだけど、それ簡単に延伸できるもんなん?

A:
もしそうだとしたら、本牧から根岸まではさっき説明した工法でやって、その間の丘の下はまた別の工法ってことになるかもね。
やりようはいくらでも。

Q:
ふつうに考えたら地下鉄を追い出したなんて原住民はアホなんじゃないかとしか思えんのだが、そういうのに反対派ってのがつく理由がよくわからん。
なんで?

A:
地下鉄に限らずトンネルを掘ると地盤沈下が起こりやすい。
よそから現れた変なヤツが「地盤沈下が起こるぞ!」とか「トンネルで穴あけたら地脈が変わってそこらへんの木や草がみんな枯れるぞ!」っていって地域の住人を説得して回ることもよくある。

Q:
枯れるってwww
そんなことあんの?

A:
ないよwww

Q:
変なヤツが現れた実績って?

A:
それは広島の…(略

Q:
実はそこ朝鮮学校が近くだったような?
実は反対派の音頭取りしてるヤツって日本人じゃないとかじゃね?

A:
うーんwww

Q:
地盤沈下はあるの?

A:
それはあるよ。

Q:
地盤沈下にしても、もし起きても傾かなかったら別にどーでもいいような?

A:
その通り。
1メートルも地盤沈下が起きてもそのまま水平に沈下したんなら誰も気がつかない。
問題は不等沈下だけ。

Q:
地下鉄を掘ると不等沈下が起きやすいってこと?

A:
地下鉄を掘った上がそのままヘコむ。

Q:
もし2度傾いたら人が住めないだろうから大問題だけど、どんだけ傾いたらアウトって線引はけっこう難しそうだね。

A:
1/1000でも傾いたらビー玉が転がって大問題になる。
だいたいは1/1000になったかどうかだね。

Q:
もし本牧に地下鉄が計画通りに通った場合、ヘタすると俺の物件から徒歩1分のところに駅ができるかもしれないんだが、どれくらいの範囲で不等沈下に気を付ける必要があるもんなの?

A:
トンネルの幅の2倍か、トンネルから上にななめ45度の線を引いたところまでって見積もりをふつう使う。

Q:
トンネルができたあとに傾きましたってわかっても困るんだけど、どうすんの?

A:
ふつうは気にする人はトンネルを掘りながらどれだけ傾いたかを常時モニタしてて、傾きはじめたらストップさせて、対策が終わるまで掘るのをやめるってふうにしている。

Q:
どこまで本気にしていいのかアヤシイけど、イトーヨーカドー以降はメインストリートの道路の真下を通過するような感じになっているみたい。
これは道路なら地盤沈下しても誰も怒らないし、もしそのあたりで心配するなら道路のすぐ脇の物件でなかったら安心って理解でOK?

A:
道路の真下を通過させるのには別の理由があったんだけど、今は大深度地下は土地所有者の権利のおよぶ範囲外って法律ができたんで、そういう道路の真下に必ずしもしなくても良くなった。

Q:
法律って、民法とか不動産登記法とかでいう地下地上権のこと?

A:
そういうのは知らん。
(注:こいつは土木の研究者なので)

Q:
つくばエクスプレスみたいなやつがその大深度地下ってやつ?

A:
そうそう。

Q:
だいたいお上のやる土建工事って、工事費用よりも権利の買収費用のほうがかかるから、他の人の権利やら上物の基礎杭を避けるだとかのことを考えなくていいように道路の真下にしてるのかと思ってたよ。

A:
どっちがコストがかかるかはケースバイケースで何ともいえん。
杭を避けるのはもちろんだけど、それは大深度地下で硬い地盤の中を通して上がどうだろうが関係ないってふうに解決するかな。

Q:
まあこんな話してても、みなとみらい線の本牧延伸計画は計画だけあってお上の誰もマトモに相手してないみたいだし、まあ早くて30年後にできればええかってくらいなんだけどさ。
地下鉄ってそれぐらいのスパンなもの?

A:
まず将来需要を見て優先度が高いところからさっさと計画して着手に移る。
ってかマンションって30年後までの話してるのかwww



その1はこちら
本牧に駅ができる日は来るのか?

【レビュー】ルシファー・エフェクト―ふつうの人が悪魔に変わるとき

2015-10-11 14:55:04 | 経済/経済/社会


ルシファー・エフェクト―ふつうの人が悪魔に変わるとき
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784903212463



みなさん、
「アメリカかどっかの心理学の先生が、大学生をあつめて囚人役と看守役にわけ刑務所ゴッコをはじめたところ、想像のはるか上をいくとんでもないことになって途中で中止せざるをえなくなった…」
なんて話、どっかで聞いたことないだろうか?

「そんな話があるらしいのを小耳にはさんだことはある」
くらいの人は大勢いるのではなかろうか?

ではそのウワサ話の出どころはというと…?

それが本書である。
そしてその実験を仕切った張本人により執筆された初の書籍が本書である。



本書は読む人を選ぶかもしれない。
たしかに百科事典級の殺人的な分厚さの本に立ち向かって平然としていられる読書家でないと読破できないというのもあるが、本質はそこではない。

「そんなことが起きるんだー、まーなんと怖いのかしら…」
なんてくらいにしか思わない人にとっては、日常があれよこれよという間に非日常になるような、あまたある昼ドラの凡作と同レベルにしか見えないかもしれない。

しかし!
我輩にとっては、この本はめっちゃおもしろい!!

どこが?

それはだな。

我輩の経験からいって
「あれと同じじゃないかwww 俺が見た現象まんまそのままwww」
なんてのがすごくたくさん起きているからだ。



たびたび当blogで書いていること、我輩の出身中学の教員。
こいつらは人さまの子供を預かっておいて家畜を扱うような目でこちらを見ていたわけだが、それと全く現象がそこには書いてあった。

こいつらは実験で登場する看守役のヘルマンそのまんまだった。



ある日、わたしの父が中学校前を通りがかったとき、アタマがいかれているので有名な某教員と立ち話する機会があった。

そのときの父の感想は
「○○先生と話してみたけど、いたってふつうだったよ?」
である。

わたしは
「そりゃー父さんがヤツの権力のおよぶ範囲外の人間だからふつうに見えるんだよ。中の者からしたらいたってふつうという感想はありえんから誤解しないでほしいんだけど」
ととっさに答えた。

この現象もこの本に出てくる。

実験を観察しにきた部外者が上記ヘルマン氏がいたってふつうに見えたのに、看守役をはじめたとたんに囚人役をいじめはじめた、その現象そのまんまだ。



校長にしてもそうだった。
直射日光の刺さる炎天下の屋外で児童に直立不動の姿勢を強制させ何時間も独演会をしていられるほど無神経なタフガイで、毎回かかさずバタバタとぶっ倒れて保健室送りにしてもにこやかな笑顔をしていられるほど狂気のやどった冷酷な人でなければ校長になれなかった。

なぜか?

それはこの本の分析で全て明らかになる。
ここでちょろっと解説しても陳腐な伝わりかたしかしないのが悔やまれるが、かいつまんでいうと、本書でいう間化と責任転嫁による精神保護のプロセスが校長に働いたからである。



あるとき新卒の教員が入ってきた。
そのときはまだ、白のワンピースの似合うきれいなお姉さんで、ゲームの話で盛り上がれるほど気さくでもあった。

しかし、あっという間に”教員”になった。
ものの数か月で”お姉さん”には見えなくなった。
わたしはその過程をリアルタイムに観察した結果、将来は絶対に教員にはならないという誓いをより強く胸に抱いたものだ。

この現象は、人へ役割を演じさせようとする場の支配力みたいな形で全編を通して解説される主要テーマである。



そう。
わたしはこの本を読んで
「俺が見た現象まんまそのままwww」
と思わざるを得ない場面に数多く遭遇した。

この本はできればそういう人にぜひ読んでほしいところだ。

しかし、願わくばすべての人がそのように思う経験をしない世の中であることを。






追伸:

本書のスタンフォード監獄実験、イラクで捕虜を虐待したアブグレイブ刑務所、わたしの出身中学、このような醜行に積極的に加担し惨事の張本人となりやすい人間はどういう連中か?

そういう連中はどこから分析してもふつうの人間という答えしか得られなかったが、唯一わかったのはFスケールの高い人間がそうなりやすかったと書かれている。

Fスケールとは何か?

いまググったところ、権威主義的パーソナリティというもののようで、どんだけ権威に従順で、どんだけファシスト(全体主義者)になりやすいかを示す性格診断尺度だとか。

ちなみに中学校時代に権威(教員)に対して手の施しようのないほどめちゃくちゃ反発していた我輩が↓このweb診断をやってみたところ、



アドルノF尺度
http://cloudy9.fc2web.com/fscale.html



びっくりするくらい低い値(=権威に対立しやすく権威に加担しにくいという性格診断)がでやがった。
ああやっぱりねと思う次第である。
(たしか当blog読者の某氏にもそんなこと言われたことがあるような…)

TPPで日本が得る最も大きなもの

2015-10-09 23:53:07 | 経済/経済/社会
何人かからTPPの話があったので、ここで私見をまとめたい。

まずTPPの話になると必ず話題にのぼるのが、
「TPPって日本にとって良いの? 悪いの?」
ということだ。

報道を見るかぎりにおいては、いろんな人がいろんなことを言っていて錯綜気味な感じではある。

こういうときは原文をあたらないとホントのことは見えてこない。
ということで原文の仮訳を読んでみた。



環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉 | 外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/tpp/



ここでわかったこと。

日本がやたら非関税化を嫌っていて特に「聖域で断固死守!」といっていた米は、ほぼ断固死守そのもの。
「TPPが自由貿易とかいってるくせに、あんがい関税障壁残したままじゃん!」
という印象だ。

ただし、日本の農家にとって相対的にダメージが小さく、かつアメリカの農家にとって重要となる牛肉あたり、これはほぼ無血開城というほど譲歩。
いま肉用牛の畜産やってる人は今すぐ転職を考えたほうがいい。

アメリカにとっては工業製品の関税を合意した最終値になるのが25年も先である。
これ見たときは「なんなのさこれはwww」と思った。

コミケにかかわる著作権法関連は完全敗北。
どうなることやら・・・。

東南アジアの国有企業には適用外という項目がいくつかあった。
そいつらにとってはこれが聖域だったのね…というのがはじめてわかった。



原文を読んでわかったのはこんな感じ。
それぞれのケーススタディーでどういうのが望ましかったのかまでは我輩風情では知恵がまわらない。

しかし!

TPPの本質はそこではない。

では何なのか?

TPPとは、TPPの外側にいるヤツに対しての武器として行使できる力こそが本質である。



TPPとは、”米帝様とゆかいな仲間たち”が自分たちだけの仲良しグループをつくり、仲良しグループ以外のヤツらを排斥して自分らだけ儲けようというものである。

これはユーロ圏とおなじようなブロック経済化だ。
ユーロがあれだけ問題になっているくせに東欧諸国でユーロに加盟したがっている国がいまだにあり、我々からすると
「なんでギリシャ問題でムチャクチャになってるユーロにいまさら入りたがるわけ? こいつら脳ミソついてないの?」
と思うかもしれないが、それはブロックの外にいるのが問題だからというのもある。
TPPとは、そういう効果がある。
(ただしユーロの欠陥である通貨同盟は取り入れていない点だけいってもユーロよりマシ)

つまりだな。
TPPの外にいるヤツらに対し、自分たちのルールを押しつける交渉力ができたということだ。



たとえばロシアは、仲良しグループはあかんでしょと言ったり、TPPに対して軍事的脅威を感じたりという感想だ。
ただワルシャワ条約機構やってたあんたらがそれを言っていいのかwwwとも思うのだがね。

中国は、これは対中国経済同盟だとたぶんわかっているはずだ。
だが中国は都合がわるくなるとダンマリを決め込むのが常套であり、いまもそうしている。

韓国はあせっている。
これまで韓国は、アメリカと仲良くしつつも中国に取り入り、アメリカと中国の両方の威を借りて日本たたきしているつもりで大喜びしていた。
だがこの一件でアメリカは韓国よりはるかに日本と仲が良いことが韓国の国民にさえバレてしまい、あせっている。

しかし日本からすれば、たとえば日本のコンテンツの流通制限をしている韓国がTPPに加入すれば即裁判、しかも韓国がブッチすれば韓国政府の持つ米国債差し押さえという、対韓国ではびっくりするほど都合がいい条件がいくらでもそろっている。
だから韓国は
「ウリが加盟しようとしたら日本がジャマしてくるに違いないニダ!」
と、いつものように日本のせいにすでにしはじめた。
(上に書いたように、日本としては韓国にこっちのルールを強制させたうえで加入してもらうのが一番良いわけで、ジャマする意図は持たなくてよい)

周辺国の反応だけでもある程度わかろう。
対中・対韓・対露においてもTPPは日本が得るものは大きい。

我輩としては、よくここまでたどりついたものだと感じる。
音頭取りが民主党だと不安がいっぱいだが、いまなら不安が”いっぱい”というほどではない。

ブラジル底割れキター!

2015-10-08 23:54:23 | 経済/経済/社会

http://www.nikkei.com/markets/company/chart/chart.aspx?scode=1325&ba=1&type=10year



さいきん中国の変調っぷりばかり報道されているが、実は中国は新興国の中ではまだマシなほうかもしれない。
なんせ、もっとヤバいヤツらがたくさんいるからだ。

上図を見てほしい。
もうブラジル市場は円換算だとリーマンショックの底値を通過してしもうたのだ。

中国ニュースにくらべてブラジルニュースは入ってくる頻度が少ないから意外に気づきにくいが、ニュースの少なさのわりにえらいことになっているのは一目瞭然である。



なぜこうなった?

その原因の一端は・・・
アメリカの金利引き上げ観測によりドルの借り手の首の締まりはじめ、
ブラジルの格下げ、
ブラジルの主要輸出品目のコモディティー全般の下落、
ブラジル代表企業のペトロブラスのお家騒動、
政治家は日本人かと思わせるような遅々として進まない改革、
・・・などなど。

これは知ってる人なら有名な話で、あらためて書くような特記事項でもない。

いまわたしが注目しているのは、まだ下がり止まったとはとても思えない状況下ですでに底割れしたということだ。

さあいったいどこまで下がる?
中国が爆発し終わってからが買いか?
原油が30ドルまで下がるのを待ってから買いか?

これはこれで興味が尽きない。

超高速手のひら返し フォルクスワーゲン編

2015-10-06 22:25:17 | 経済/経済/社会
今年の春ごろだったか。
当時、フォルクスワーゲンはやたらとマスコミから褒めたたえられていた。

なぜか?

第一に、世界販売台数がトヨタを抜くという話。
第二に、技術、とくにディーゼルと環境技術で先行しているという話。
・・・そんなことを言っていた。

もうちょっと詳しく書こう。



販売台数の件。

トヨタはリーマンショック前の世界的に絶好調だった時期までに、借金を増やして世界中のあちこちに生産設備を増強し、販売台数を急上昇させた。
トヨタがGMを抜いたというニュースが出たのはちょうどその頃である。

ところがどっこいリーマンショックが起き、トヨタであろうと生産調整せざるをえなくなった。
リーマンショック後、トヨタは販売台数を負う戦略にブレーキをかけると明言し、その後の推移を見るにちゃんとそのとおりに推移している。

ではフォルクスワーゲン。
リーマンショック後にも増強しつづけた。
あっという間にトヨタに追いついた。
そして今年中にトヨタを追い抜きそうだという話になった。

しかしマスコミは言った。
「トヨタはフォルクスワーゲンに追い抜かれた」
と。

マスコミはトヨタが停滞したとなじった。
なぜフォルクスワーゲンがすばらしく、なぜトヨタが停滞したか、そんな記事が連発された。
客観的に見ればトヨタはふつうに好調なのだが、なぜかトヨタは敗北しつつある会社だということになっており、それは日本の構造的な欠陥の代表例だとでもいう感じで書かれている記事もたくさん見てきた。

しかし!

今はどうだ!?

「販売台数でトヨタに勝つことに固執したフォルクスワーゲンは金の亡者で大悪党だ! トヨタは保守的ですばらしい!」

なんなのさこれはwww

実は案外ほとんどの人が指摘していないのだが、フォルクスワーゲンがトヨタに勝つために取ったリスクのうち、当事者だったら吐きそうになるくらいヤバいものが1つある。

それは何だと思う?

チャイナリスクである。

トヨタはとても保守的な会社である。
だから中国と心中する気はさらさらなく、中国がくたばったり日中で紛争になったりしても会社がくたばらないような程度にチャイナリスクを控えてある。
その裏返しとして、トヨタは中国でのシェアは低い。

対してフォルクスワーゲン。
こいつはドイツの会社のはずなのだが、販売台数の半分は中国である。
このことは案外知られていない。

いま中国がおかしいのは常識であろう。
中国の自動車販売台数はすでにマイナスになっている。
フォルクスワーゲンは中国と心中する気でチャイナリスクを取って販売台数を増やしたのだが、さてこれからが楽しみだ。



ディーゼルと環境技術の件。

トヨタのワールドワイドでの評判がどうなのかは知らんのだが、少なくともハイブリッド車の技術で先行しているのは間違いなかろう。
その後ろに追従しているのはホンダだけで、それ以外はバックミラーでは点にしか見えないほど離れている。
フォルクスワーゲンにしたって同じだ。

しかしマスコミは言った。
「ハイブリッド車が売れるのは日本だけだ。ヨーロッパをはじめとして世界ではディーゼルエンジンの時代だ。ハイブリッドに注力するトヨタの環境技術はガラパゴスで時代遅れになる! それにひきかえ素晴らしいのはクリーンディーゼルのドイツ、特にフォルクスワーゲンだ!」
と。

いまにしてみれば笑うところだが、当時はそういうコピペ記事がいくらでもあった。

ではドイツ車に積まれているというクリーンディーゼルは何が素晴らしいのか?

とくにドイツ車のクリーンディーゼルをほめちぎる程度がひどいものであればあるほど、どうすごいのかという技術的な話題は何も書いていない。
こいつはドイツ製だからすごいはずだという時代遅れの舶来信仰が根拠なんだろかと思うほどの記事が多かった。

ようするにまあ、あれだ。
「ドイツの科学力はァァァァァァァアアア 世界一ィィィイイイイ」
というのがアタマのなかでサブリミナル的に効いているヤツが書いた記事だ。

なので当時調べてみたことがあったんだが。

どうにも些末な違いしか出てこないのだよ。

「うーん・・・ 何がすごいんだかよくわからん・・・」
というので当時調査を打ち切った。

しかし!

今はどうだ!?

「ハイブリッドで遥か後塵を期しているヨーロッパ勢はディーゼルに賭けるしかなくなっていて、既に半分窮地に落ちかけている。トヨタの環境技術はすばらしい!」

なんなのさこれはwww

まあ、唯一フォルクスワーゲンを褒める記事に妥当なやつを見たことがある。
それは、フォルクスワーゲンの推進するモジュラーデザインについてのものだ。

すり合わせ技術のかたまりと考えられている自動車の設計においてモジュールの共通化を高いレベルで実現し、カンタンに派生車種を投入できるようにする。
それは本当にトヨタより優れているかもしれないとは思った。
だいいちフォルクスワーゲンがそういう概念を公開したとき、トヨタや日産も追従して似たようなことを言い始めた。
それを見たときはトヨタや日産のモジュラーデザイン化の遅れに懸念がよぎったものだ。

だがそれだけだ。

ドイツ車のクリーンディーゼルの何がすごいのかをいくら調べてもわからなくてそれが正しかったのだ。



このようにマスコミのフォルクスワーゲンに対する超高速手のひら返しを見ていると、マスコミの言うことなんて鵜呑みにするに値しないことが実によくわかるものだ。

【艦これ】鶴姉妹でいく5-5

2015-10-04 23:58:57 | オタネタ全般




5-5攻略当初より、当鎮守府では鶴姉妹のみを使って勲章をもぎとってきた。
それはなぜかというと、加賀や大鳳より圧倒的に回避が高い鶴姉妹のほうが有利なはずだという持論があったからだし、
当鎮守府では最近までリングのついた正規空母は鶴姉妹しかいなかったからだ。

ときに現代。
かつてわたしが5-5攻略にはじめて取り掛かったころに比べ、ゲームのルールがチェンジした点がある。

それは何か?

以下4点である。



①翔鶴が改Ⅱ, 改Ⅱ甲になった。

翔鶴を改Ⅱのまま運用するならば、今までどおり。
改Ⅱ甲で運用するならば、火力が上がったことに加えて中破でも攻撃可能となり、全滅しないスロットに艦攻か艦爆を搭載することによるメリットが増えた。



②艦載機に熟練度システムが搭載されるようになった。

どの艦戦でも熟練度MAXなら制空値+25のようだ。
したがって優勢ギリギリだった制空値にも余裕ができる。
ということは、艦戦はノーマル烈風をたくさん積むのが必ずしも良いのではなく、制空値がそこそこ高くて他のパラメータが上昇する機体の重要度が飛躍的に増すということだ。



③零式艦戦21型(熟練)に回避+2が追加された。

その、制空値がそこそこ高くて他のパラメータが上昇する機体、それこそが零式艦戦21型(熟練)である。
烈風に比べ制空値はマイナス1だが、命中+2、回避+2、索敵+1と、熟練度システムが実装された現在では烈風より重要な機体となった。
(5-5では索敵+1はどーでもいいのだが)

我輩は2015夏イベントが終了した直後より蒼龍×2匹の牧場に着手。
今月の5-5攻略では元から持っていたぶんとあわせて零式艦戦21型(熟練)を4スロット運用することに成功した。
もちろん支援艦隊でもついでに増えた九九江草を活用した。



④全滅による熟練度リセット。

艦戦はなかなか全滅しないのでこの際あまり考慮しない。
しかし艦攻や艦爆はすぐ全滅する。
これを回避するためには、全滅してもいいヘボい艦載機を搭載するか、全滅しない程度に多いスロットに入れるしかない。



ではどう積めばよいのか?

[隼鷹改Ⅱ]
24:烈風601
18:烈風
20:烈風
4:彩雲

[瑞鶴改]
24:天山村田
24:烈風601
24:零戦21(熟練)
12:零戦21(熟練)

[翔鶴改Ⅱ甲]
34:烈風改
21:天山村田
12:零戦21(熟練)
9:零戦21(熟練)

翔鶴改の時代でも12機のスロットではよく全滅していた。
なお今回も12機のスロットで全滅することがあることを確認済。
したがって翔鶴改Ⅱ甲に天山村田を積む場合には第一スロットか第二スロットに入れたい。

この場合、艦載機数の減った翔鶴改Ⅱ甲で、なおかつ制空値のわずかに低い零戦21(熟練)を使いながら、制空優勢がとれるかどうか…?
それが焦点になってくるわけだが。

上記編成で5-5ラスダンでも大丈夫なことは確認済(1回だけだが)。

翔鶴の火力をより有効活用するためには天山村田を34機の第一スロットに入れたいところではある。
だが、制空優勢ギリギリでは昼連撃の発動率が低くなるような気がする(体感)し、そうすると烈風改のうまい使いどころがなくなるので、まあそこまでせんでも何とかなるからこれでいいだろうくらいのものである。

それ以外にも、蒼龍牧場をあと2匹やることで、隼鷹からもノーマル烈風を完全に追い出してしまうという案もありうる。
(ただし、旗艦の隼鷹は道中大破撤退要因になる確率が低く、かつ上記運用では攻撃手段を持たないので、命中と回避が上がる艦戦を積むメリットは薄い)

まあこのへんは好みによる。



かつて熟練度システムがない時代、
鶴姉妹で5-5ラスダンに挑むとすれば、
上3スロットに烈風系、
第4スロットは艦攻ではなく爆戦でなければ制空優勢とれない場合があり、
かつ爆戦が全滅して鶴姉妹が置物になることもよくあった。

しかたがない。
かつてはそう諦めていた。

しかしこれからはそうではない。

翔鶴の火力が上がり、
しかも翔鶴は中破でも攻撃し、
制空優勢をとりつつも、
艦攻を入れても全滅せず、
なおかつ零戦21(熟練)を鶴姉妹に各2機づつ運用することで、命中を+4、回避を+4づつ上昇させることができるようになったし、
(翔鶴から烈風601を追い出して隼鷹に積むことになったので、隼鷹とあわせての上昇分)
いまや天山友永より強い天山村田が2つもある。



でだ。
どれくらい強くなったかというとだな。

なんと今月は5-5は出撃6回で終わりやがった!
支援艦隊には正規空母も戦艦もいない軽いのしか出していないにもかかわらずだぞ!?

これは強い!!!



世間では5-5は戦艦1の空母5というアグレッシブな攻略スタイルがあるとも聞くが、
比較的保守的な従来どおりの軽空母ルートでもかなり強化されたことがよくわかる事例である。

不動産投資家から見たふつうの人(その2)

2015-10-03 14:04:23 | 経済/経済/社会
前回記事関連内容に反論があったので掲載したい。
なお回答者はその1の本人ではない別人で、自宅所有者ある。



Q.
この物件を買うといくら損するということを金額ベースで説明してもイマイチ関心が薄かったのだが、なぜなんだ?

A.
俺は不動産に関してはリスクを取らないことにした。
建てたのは○○、新築で、35年固定金利。
俺もそうする。



Q.
それ以外にもさ。
契約時には重要事項説明書で建築基準法やら都市計画法やらの法的な制約を業者からガッツリ説明されるはずなんだけどさ。
ふつうの人がいきなりそれを読んでもわからんってなるのはしかたがないにしても、それについて自分で読もうともしないみたいなんだよ。
35年も拘束されるような決定を下すのにそんなに気軽に決めて平気なのに、むしろ俺がビビるくらいなんだが?

A.
それは俺も読んでもわからんと思ったので、ちゃんとしたところから買うことでそのリスクを回避した。
うちは○○。
そのために少し割高になってもやむを得ないと思った。



Q.
でだ。
ヘタすると年収に匹敵するくらいの額の損失が発生しうるわけだが、その損失、借り入れ額が増えることによるローンを払いきらないかもしれないという可能性、そのリスクについては?

A.
どのリスクを減らしたいかは人それぞれだ。
俺は俺が減らしたいリスクを減らした。



Q.
じゃあリスクがあるというのはどういうヤツのことを指す?

A.
そこらへんの街角で賃貸募集してそうなちっちゃな不動産屋から中古物件を買うことだ。






ここまで来てようやくわかった。
これは、スティグリッツのいう情報の非対称性にプレミアムを支払うというものだ。

つまりどういうことか?

はじめて家を買うという個人は不動産についての知識はほとんどない。
だから変な不動産を売りつけられる可能性を減らすために、既に実績と名声という無形資産を獲得していて、それを無にするようなことをするのにコストがかかる業者だけから割高でもいいから買う。

それが”不動産投資家から見たふつうの人”の本質である。

我々は、プロなみとはいかないにしても、重説を読んでもそれなりに意味がわかる程度の知識はある。
だから重説を読むなり相場と比べるなり現地調査するなりすることで、変な不動産を売りつけられるリスクを減らし、かつ割高であるというリスクも減らす。(排除できるとは言ってない)

なぜこれができるかというと、こちらの戦闘力が高ければ情報の非対称性の程度を多少なりとも縮めることができる。
その情報の非対称性の圧縮はそのままコストの圧縮となる。
違いはこれだったのだ。






こんだけ偉そうなことを書いておいて何だが、わたしだってプロなみとはいかない。
自分自身のことを振りかえったって、これからはじめて買う人に対して我々と同じくらい知識を持って挑むべきだなんて到底言えない。

これはやむを得ないところはある。

しかし!
世の中にはそれを食い物にする商品がある!!

投資信託なり個人向け社債なり。
自宅とは異なり、投資商品は儲かるか儲からないか「だけ」なので、情報の非対称性に支払うプレミアムの正当化はますます難しくなる。
あれはホントにソロバンはじいて市場価格を自分で概算できるヤツなら絶対買わんだろってヤツがゴロゴロしているのだ。



いまの日本は自由が重視される良い世の中になったものだ。
だが自由とは情報の非対称性に支払うプレミアムと引き換えである。