文化庁の平成23年度「国語に関する世論調査」によると、日本人の漢字を正確に書く力は、携帯電話や電子メールの普及によって衰えてきたという。40代では79.5%の人が衰えたと回答している。80代の統計はないが、多分加齢も加わって同じ傾向にあるのでは。最近、読む力が衰えたとは感じないが、たまに文書を書く時など辞書のお世話になることが出てきた。
戦前、多少なりとも漢文教育を受けた僕らの世代は、戦後生まれに比べて「漢字力」はあると自負している。今のように教育漢字とか常用漢字とかいった制限があったかどうか寡聞にしてしらない。しかし、小学校では今の教育漢字(1008字)以上は教わった気がする。毎日のように漢字の書き取りの宿題があり試験があった。
敗戦時の中学3年までは「漢文」が必修だった。白文を学ぶため「レ点」や「一」、「二」点など返り点を隠して読む道具があった。昨日、この文を書くに当たって、親友にこの道具の名前を尋ねたが彼も名前を忘れてしまっていた。「大字源」などの漢和辞典も今より日常的に使用した記憶がある。字画によって漢字の意味を調べ、筆順を学んだものだ。
漢字が正しく書けなくなった理由の一つは、手紙やはがきによる知人、友人とのコミュニケーションの機会がめっきり減ってきたことだ。周囲にIT器械に弱い高齢者が多い僕らでも返事を書く時は、パソコンを使いコピーして送ることが多くなった。数年前までは、印刷した手紙では失礼という感じがしたが、印刷した字のほうが鮮明で、年寄りには読みやすい。
日本人全体が正しく漢字が書けなくなってきた、この傾向は社会的にどんな影響が出てきているのだろうか。戦後の国語改革で、字画の多い難解の漢字に代わって略字が多数誕生したが、どうも今回はそういったことで解決できる問題ではないようだ。
戦前、多少なりとも漢文教育を受けた僕らの世代は、戦後生まれに比べて「漢字力」はあると自負している。今のように教育漢字とか常用漢字とかいった制限があったかどうか寡聞にしてしらない。しかし、小学校では今の教育漢字(1008字)以上は教わった気がする。毎日のように漢字の書き取りの宿題があり試験があった。
敗戦時の中学3年までは「漢文」が必修だった。白文を学ぶため「レ点」や「一」、「二」点など返り点を隠して読む道具があった。昨日、この文を書くに当たって、親友にこの道具の名前を尋ねたが彼も名前を忘れてしまっていた。「大字源」などの漢和辞典も今より日常的に使用した記憶がある。字画によって漢字の意味を調べ、筆順を学んだものだ。
漢字が正しく書けなくなった理由の一つは、手紙やはがきによる知人、友人とのコミュニケーションの機会がめっきり減ってきたことだ。周囲にIT器械に弱い高齢者が多い僕らでも返事を書く時は、パソコンを使いコピーして送ることが多くなった。数年前までは、印刷した手紙では失礼という感じがしたが、印刷した字のほうが鮮明で、年寄りには読みやすい。
日本人全体が正しく漢字が書けなくなってきた、この傾向は社会的にどんな影響が出てきているのだろうか。戦後の国語改革で、字画の多い難解の漢字に代わって略字が多数誕生したが、どうも今回はそういったことで解決できる問題ではないようだ。