「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

              「直葬」より「家族葬」を!

2012-09-27 05:44:33 | Weblog
義理の弟がなくなった。82歳。僕と同学年である。高校を出て中央官庁に入り夜間の大学を卒業した苦労人である。10数年前事故で連れ合いに先立たれ、晩年も苦労された。が、昨夕お通夜に列席して、子供や孫に囲まれながら、静かに眠る死に顔をみて人生は終わりよければ、全てよしではないかと思った。

お通夜は東京都内の民間の式場で行われた。列席者は30人程度の「家族葬」だったが、生まれ故郷の寺から僧侶も出てきてくれて、ふるさとの暖かいぬくもりのあるお通夜だった。お通夜の精進落ちの席で、僕は僧侶に一献ささげて話をしたら、共通の知人の話も出て、60年も前の昔のことを思いおこさせてくれた。
                                                              ” ”そろそろ”お呼び”の年齢である。僕は帰宅してから式場のHPを開き葬儀の値段を調べてみた。「家族葬」でも葬儀一切と飲食接待費を含めて2百万近くか必要だ。HPによると、これでも東京23区内の平均よりは60万円ほど安いとある。話には聞いていたが、あの世へ無事到着するには大変である。このため最近は「直葬」(ちょくそう)が都会では流行しているようだ。宗教儀式一切なしで、遺体安置所から火葬場へ直接遺体を運び火葬炉の前で家族が手を合わせる”葬儀”のことだという。これだとHPによると「家族葬」よりも一桁安くできるみたいだ。

葬儀にカネをかけても葬儀屋や坊主を儲けさせるだけだ、という人もいる。だけど一度限りの人生の最後である。できれば暖かくお送りしたいものだ。