「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

             自殺予防とマスコミの扱い

2012-09-11 06:47:19 | Weblog
昨日9月10日はWHO(世界保健機構)が決めた「世界自殺予防デー」であった。にもかかわらず首都圏では自殺が多かった。松下忠洋金融相(73)が自宅で首をつった状態で発見された。一方、こちらは大きなニュースにならなかったが、首都圏の宇都宮線大宮駅と西武池袋線大泉学園駅で朝のラッシュ時に飛び込み自殺が発生、交通機関が混乱した。

2012年年度の政府の「自殺対策」によると、日本人の自殺数は1988年以来14年間も年間3万人も越えている。中でも若年層の自殺が急増、とくに19歳以下の学生生徒が前年より1割も増え、初めて年間千人を超えたという。

自殺増の原因については、複合的で一口にはいえないが、2008年WHOは加盟国に対して、マスメディアが自殺をセンセーショナルに扱わないよう規制を設けた。その一つには”自殺報道をめだつように報道しない。過剰に繰り返し報道しない”とある。わが国のマスコミは最近、こいった傾向はないが、その昔、昭和の大恐慌の頃、伊豆大島の三原山の火口に女学生が飛び込み自殺した際、これを煽るような報道して社会問題になったことがあった。

これは僕だけの感じかもしれないが、僕はテレビで交通事故があった際、テロップで”○○線が人事事故で不通”の「人身事故」が気にかかる。人事事故はすべて自殺と限らないが、視聴者は自殺を連想するのではないだろうか。総武線のある駅は、毎月一回ぐらいの割で自殺があると聞く。自殺志望者の情報にならなければよい。いずれにせよ、マスコミはこれまで以上に自殺の報道には配慮してほしい。