「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

                軍旗喪失 罪該萬死

2012-09-01 05:37:15 | Weblog
丹羽宇一郎駐中国大使襲撃事件について北京の公安当局は”偶発的な個別的行為であると日本側に伝えてきたようである。果たしてそうであろうか。国旗をつけた大使の公用車を意識的に追いかけまわし、襲撃したあげくに日の丸まで強奪している。あくまで確信犯であり”偶発的な個別的行為”とはいえない。昭和33年の長崎事件とは異なる。

アナクロ(時代錯誤)かもしれないが、戦前日本軍には連隊単位に軍旗があった。軍旗は天皇陛下から親授されたもので、、いわば天皇の象徴であった。かりに軍旗を紛失したり、敵に奪われたりしたら、連隊長は”罪該萬死”であった。これは日清日露の役以来の日本軍の伝統であった。先の戦争末期、各地で玉砕という悲劇が起きたが、連隊長は玉砕前に軍旗の奉焼を命じた。

戦前の日本人は国旗についても同じような気持ちを持っていた。小学生だった僕も日の丸が天皇陛下の御真影(お写真)と同じように大切にされていたのを覚えている。出征兵士を送る武運長久の寄せ書き以外、日の丸に落書きすることなどもってのほかであった。いわんや、日の丸が敵に奪われたりしたりしたら、これまた”罪該萬死”であった。

事件後の丹羽宇一郎大使の言動をみると、どうも丹羽大使には国旗を奪われたことに対する責任も恥もあまり感じられない。容貌はかなりお年のように思われるのだが、調べてみると昭和14年1月うまれ、敗戦時は小学校1年生で、戦後の混乱期に教育をうけ、日の丸、君が代蔑視の変な時代に育った世代なのだ。”罪該萬死”とは言わないが、更迭人事の前に自分から職を辞してはどうか。