「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         ”人生90年時代”の到来というけれど!

2012-09-08 06:05:30 | Weblog
”人生90年時代”到来と銘打った政府の「高齢者社会大綱」が昨日閣議決定された。団塊世代が65歳を迎えたのを期に11年ぶりに中後期の高齢者対策の見直しをしたわけだ。たしかに少子高齢化が急に進んで、今までの高齢者社会大綱では、あまりにの時代遅れになってきた。

僕の周囲でも90歳を越えた人生の先輩たちが増えてきている。頂いた今年の年賀状を数えてみたら98歳を先頭に8人もおられた。しかし、これから先も超高齢者は増え続け、本当に”人生90年時代”がやってくるのだろうか。81歳の僕からみるとすこし疑問である。今年の日本人の平均寿命は、女性が85.90歳、男性79.45歳で、前年比で女性が0,40,男性が0.90歳縮んでいる。男女とも2009年が最高だったが、ここ2年続けて縮小傾向にある。厚労省は昨年の東日本大震災による一時的なものとみているが、子供の時食糧難を体験した世代である。これまで通り長生きできるだろうか。

たしかに、これまでの「大綱}は時代に即していない。例えば日本では大方の企業が60歳定年なのに、60歳ー64歳の就業率は57.3%ににすぎない。60歳で定年をむかえても年金が支給されるまでの間、どうやって生活するのか。人によって多少違うが、60代初めはまだ現役並みである。新しい「大綱」は2020年までに、この就業率を63%に引き上げようというものだ。これでも十分ではないが”人生90年時代”ならば当然である。

しかし、一方において僕が心配なのは若年層の非正規雇用の増加である。30歳ー39歳男性の非正規労働者の未婚率は75%もあるという。定年後の就業率を上げることも、もちろん重要だが、日本の将来にとって、この若年層の非正規労働のほうがより重要である。社会保障の問題はそれぞれに関連してして難しいが、差し迫った問題である。