「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          車で埋まってしまうジャカルタの交通渋滞

2012-05-05 06:47:48 | Weblog
インドネシアで発行されている邦字子紙「じゃかるた新聞」が現地の有力紙「コンパス」の報道として先日、首都ジャカルタの交通渋滞を伝えていたが、このまま車が増え続けると、2014年には道路は、二輪車、四輪車で埋まり、ニッチもサッチもならなくなる”Grid rock"状態になってしまうという。

ジャカルタの交通渋滞は今に始まったことではない。僕が滞在していた昭和41年(1966年)から、その兆しは見られた。しかし政府が決定的な策をとってこなかったため、2010年の渋滞による損失額は過去最大で、日本円にして年間約4千億円に上るとのことだ。渋滞解決策の一つとして10年近く前から朝晩のラッシュ時には、市内に入る乗用車(タクシーを除く)には三人以上乗車すべし、規制した。この”Three
in one"という制度はある程度の効果はあったが、”Jocky"(乗り手)というアルバイトの懐の足しになっているにすぎないという悪口もある。

この40年間ほど、毎年1回はこの国を訪れているが、、行くたびに渋滞は深刻になっている。解決策は色々と聞くが、やはり政府のモータリゼーションに対する予測が甘かったことはゆがめない。初代のスカルノ政権は、日本から当時としては莫大な額の戦争補償金をもらったが、インフラ整備にはほとんど目を向けずホテルとかデパートの建設などに使用した。”建設の父”と呼ばれた二代目大統領スハルトも、有料道路の建設などには一生懸命だったが、首都の渋滞解決はなおざりにした。

日本の首都東京の公共交通網は世界に冠たるものがある。友好国の一つとして世界一と言われるジャカルタの交通渋滞解決に今こそ手を差し述べるべきではないだろうか。