「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          今夏の首都圏の電力需給は大丈夫なのか

2012-05-20 06:28:08 | Weblog
今夏の電力需給対策が政府から発表になり7月2日から実施されることになった。しかし、なぜか東日本とくに首都圏の節電には一切触れていないが、果たして大丈夫なのか。僕の素朴な疑問である。昨年3月の福島原発事故の直後、東京電力は突如首都圏に「計画停電」を実施すると発表した。この”無計画”な停電で首都圏の交通機関は混乱し、一時無政府状態になったことは、まだ僕らの記憶に新しい。

原発事故当時経済産業相だった海江田万里氏が先日の国会事故調査会から聴取された内容の一部が新聞に載っていた。”やはりか”と誰もがが思ったのは、事故直後の政府の混乱ぶりであった。緊急事態宣言の発令をめぐって菅総理(当時)の理解が得られず、東電をはじめ関係者間に意思の疎通が欠けていたという。東電の「計画停電」はこんな混乱の中、事故から3日目、国民から見れば降って湧いてきたかのように発表になった。

まったく素人の推理だが、あの当時本当に東電は「計画停電」を実施しなければならなほど電力は逼迫していたのであろうか。東京23区内に住むわが家は幸い、一度も停電はなかったが、落ち着かない毎日であった。最近になって23区内の停電がなかったのは、都内の警察官が大勢被災地の支援にでかけ、停電すると治安上問題が生ずるという理由からであったという。

電力の需要予測はもっと”科学的”根拠に基づくものと思っていただけに驚いた。今思うと原発事故当時の政府の対応は異常であった。官房長官(当時)の発表は変に意識的なところがあり”大本営発表”であった。個人レベルの話で恐縮だが、なぜかわが家には「計画停電」のニュースが発表になる以前から”懐中電灯やローソクを用意したほうがよい”いう知人からのメールが流れてきていた。改めて問うが、電力需給対策は西日本だけでよいのだろうか。