「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      気になる二つの統計「自殺願望」と 「生涯未婚」

2012-05-04 06:49:00 | Weblog
大型連休中の新聞の社会面にちょっと気になる統計記事が二つあった。一つは内閣府が行った「自殺対策に関する意識」調査だが、これによると、20歳代で”自殺を考えた経験がある”と回答した者が28.4%と、前回2008年度に比べて4.3ポイントも増加していることだ。もう一つは政府の2012年度版「子ども.若者白書」原案で明らかにされたものだが、2010年の生涯未婚率が男性20.1%、女性10.6 %と初めて男性が2割、女性が1割台になったことだ。30年前の1980年には男性は2.6%、女性4.5%だから。なんと男性は約8倍の急増で、5人に1人が生涯未婚ということになる。

最近、僕の周囲でも大学入試に失敗したまだ10代の若者が命を絶った。成績優秀の少年だったが家族からの期待が大きかっため、これにこたえられず自殺したものだが、一浪や二浪など長い人生にとっては、どうといことはない。誰か事前に相談できなかったのだろうか。若者の自殺は今に始まったことではない。昭和初期の世界経済恐慌の時にも伊豆大島の三原山の火口が自殺の名所になったことがある。昭和8年には一年間に129人も火口に飛び込み自殺している。今の「自殺願望」も経済不況と関係があるみたいだ。

「子ども.若者白書」では全国の15ー29歳男女に対して、働くことへの不安を質問しているが、回答のあった「とても不安」「どちらかといえば不安」の82.9%が”十分な収入が得られない”からで、ついで”老後の年金がどうなるか”が81.5%であったという。若者の生涯未婚率が低い原因もこんなところにあるに違いない。収入.年金の不安が8割もあっては、未婚者が増えるの当たり前だ。国家にとっては一大事である。