「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         難関突破しても帰国するインドネシア人介護士

2012-05-09 05:12:21 | Weblog
日本とインドネシアと間のEPA(経済連携協定)に基づき来日、各地の介護施設で働きながら難関の日本の国家試験に合格したインドネシア人の介護士36人のうち7人がすでに帰国したり、近く帰国したい意思を表明しているという。これはNHKの調査で判ったものだが、国家試験に落ちたが、一定の成績を得て、あと1年間の滞在延期を許可された47人のうち半数以上の23人もすでに帰国しているとのことだ

僕はこのニュースを聞いて、ある程度前から予測されてていたもので”やはりか”とそれほど驚かなかった。しかし、介護士受け入れ機関はあらかじめ手を打てなかったのだろうか。介護士不足に悩む全国の施設の中にはは、国家試験に合格して貰うため、特別に時間をさきおカネをかけて彼らに日本語を教えていたところもあった。国と国との協定による事業だから安心していたのにと怒りの声さえ出ているという。

1991年から92年にかけて僕は戦後インドネシアに残留した日本軍軍人軍属の二世、三世の日本における就労支援についてボランティア活動をしたことがある。この支援活動は結果として失敗したが、その理由の一つは、彼らが日本人の血が流れているといっても、日本の就労習慣にうとく一口でいうと、”わがまま”であったことだ。働き先の事情など考慮せず、かってに休みをとり、断食明けの休みには帰国してしまった。

今回の介護士の帰国の理由は家庭の事情とか前から数年で帰国する予定だったというそうだが、日本側の受け入れ機関は前もって、それを知らなかったのだろうか。契約書を交換していなかったのあろうか。日本のマスコミは、日本語による国家試験が難しすぎると彼らに同情的だが、国と国との協定に基づく事業である。なぜこんなことが起こるのか、その原因を究明すべきである。