ビター☆チョコ

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バタフライ・エフェクト

2006-09-18 | 洋画【は】行



エヴァン(アシュトン・カッチャー)は7歳の頃から時々記憶が欠落するブラックアウトという症状が出るようになる。
精神科の医師は治療のためにエヴァンに日記を書くことを薦める。
13歳になったエヴァンは悪友のトミー(ウィリアム・リー・スコット)とその妹ケイリー(エイミー・スマート),レニー(エルデン・ヘンソン)と一緒にある事件を起してしまう。
4人が起した事件は結局犯人がわからないままになってしまうのだが、4人の人生はその事件で大きく変わることになる。
しかしエヴァンにはその瞬間の記憶が全くない。
その事件で町の治安に不安を持ったエヴァンの母は町を去ることにする。
虐待傾向のある父や粗暴な兄と暮らすケイリーに心を残し、「必ず迎えに来る」という約束を残して町を去るエヴァン。

大学生になったエヴァンは記憶喪失になることもなくなり、ケイリーとの約束も忘れていた。
ある日、幼い頃の日記を見つけたエヴァンは、自分の欠落した記憶に興味を持ち始める。
そして、自分にある不思議な能力に気がつく。
日記を読むとその日記に書かれた過去に戻ることが出来るのだ。

映画のタイトルは、地球の裏側で蝶が羽ばたけば竜巻が起こる。というカオス理論を例えた言葉。
カオス理論とは、初期条件のわずかな違いが、予想もつかないほどの大きく違った結果を生む現象。

分かったよう分からないような、およそ私のチョイスとは思えない映画ではある。

誰だって1度は思ったことがあるのではないだろうか。
あの時こうしていれば良かった。
あの時別の道を選んでいたら、今とは違う人生があったのではないのだろうか、と。
そんなことを思うのは、不意に人生に陰りを感じた時だろう。
なにもかも順調な時は、そんなことは思わないものだ。
そんなことを思っても過去に戻ってやり直せるわけもなく、私達はただ今の状況で選べる最良の選択をして前に進むしかないのだ。

エヴァンの持っていた能力は、その不可能を可能にしてしまうことだった。
自分が約束を忘れて不幸にしてしまった初恋のケイリーの人生を幸せなものにするため、自分が失った記憶を思い出すため、彼は過去に戻って細工をしてしまう。
その結果、エヴァンとケイリーは幸せの絶頂を迎えるのだが、その幸せの絶頂の時にエヴァンがケイリーの兄を殺してしまう。
ケイリーの代わりに自分の人生が悲惨なものになってしまうのだ。

納得できないエヴァンは、また過去に戻り細工をする。
何度過去に戻っても、誰かが幸せになれば誰かが不幸になり、
皆が幸せになれば自分が不幸になる。
ケイリーと愛し合う幸せを体験してしまったエヴァンは、ケイリーが不幸になることも自分が不幸になることも耐えられないのだ。
愛する人が幸せになるためには、過去のどこに戻ればいいのか。
エヴァンは必死で考える。
そしてエヴァンがケイリーの幸せのために選んだ道は。。。胸が震えた。

良く考えればエヴァンはとてもエゴイストだし、多少の謎もあるのだが、
とてもテンポよく展開するので、とてもそんなことは考える余裕もなく
ただただ鳥肌を立てながら観ていました。(感動の鳥肌です)

DVDには別バージョンのラストシーンも2つ収録されていたのだが、やっぱり劇場版のほうがいいと思う。
別バージョンだったらエヴァンは全く学習能力のないただのアホだし、
人生ってそんなに何もかもうまくいかないものだと思うから。

過去は修正できないからこそ、今できることをきちんとやろうよ。
どんな過去でも、その過去が今の自分を作ったのだから否定は出来ない。ともいうけれど、
消してしまいたいような過去なんかないに越したことはないのだ。