ビター☆チョコ

店じまい後も変わらずご訪問ありがとう。
新居をかまえましたので
お近くにお越しの際はお寄りくださいませ。

ラマン 愛人 (DVD観賞)

2008-05-09 | 洋画【ら】行


マルグリット・デュラスの大ベストセラーになった自伝的小説を映画化したものである。

1920年当時、現在のベトナムはインドシナと呼ばれ、フランスの統治下にあった。

インドシナで生まれ育った15歳半のフランス人の少女は、休暇を家族と過ごした後
サイゴンの寄宿舎にもどるためメコン川を渡る船に乗っていた。
飾り気のないシンプルなスリップのようなワンピースにゆるくベルトを結び、男物の帽子をかぶり
足元は、たぶんビーズ刺繍のついた黒いハイヒール。
その黒いビーズ飾りの靴は豪奢に見えるのだけど、つま先が痛んでいたりして
少女の家庭環境があまり恵まれたものでないことを窺わせる。
帽子からのぞく細い三つ編みとは不釣合いな赤い口紅。

そんな姿で船の欄干にもたれて頬杖をつく少女の姿は
ひとりの中国人の青年の目にとまった。
サイゴンの不動産王の息子だという華僑の青年は
少女の「幼さ」の中に潜む「なにか」を感じて、少女に夢中になる。
こうして15歳半のフランス人少女と
12歳年上の金持ちの華僑の青年の関係が始まった。

ずい分前に原作を読んで、原作の中で描かれる独特の世界に夢中になった覚えがある。
その後、映画化されたのは知っていたのだけど
官能的な描写が多いというのがけっこう評判になった映画だったので、なんとなく観そびれ
ビデオになったらなったで、「官能的」は家庭にはなかなか持ち込めないものなのだった。

確かに、官能的なシーンもかなり出てくるのだけど
それ以上に印象に残るのは「水」と「空気」と「湿気」だ。

少女と青年が出会うメコン川のミルクコーヒー色のゆるゆるとした流れ。

少女と青年が忍び会うチョロンの小さな部屋。

チョロンの雑踏から鎧戸一枚とカーテンで仕切られた薄暗い部屋で、少女と青年は毎日抱き合う。
二人の体の上を、鎧戸の隙間からもれてくる「雑踏を歩く人の影」が通り過ぎていく。
外の喧騒と扉ひとつ隔てただけの「密室」の、酸欠になりそうな
空気と湿気。
そんなものが「官能的な描写」そのものよりも、強く印象に残るのだ。

夢中になって読んだというわりには、なんだかところどころ怪しくなっている記憶を辿れば
原作では、少女と青年の関係よりも
少女が貧しい家庭環境に困っていたことや、母親に愛されていないことに悩む様子が多く書かれていたような記憶がある。

お金のために
あるいは一番欲しくても与えられるとこのない「愛」の代わりに
手の届く「愛のようなもの」にすがってしまったのか。。
少女は、自分でもわからないまま、2年という長い年月を青年との逢瀬に費やす。

生まれ育ったインドシナから、まだ見ぬ祖国に帰る船の中で
少女は、わからなかった自分の本当の気持ちに気がつくのだ。
そうして、少女は18歳で年老いてしまった。。。


やっぱり、大きな声ではどことなく言いにくいのだけど(苦笑)
この映画の空気が、すごく好きです。



レッスン! (DVD観賞)

2008-05-05 | 洋画【ら】行

NYで社交ダンサーをしているピエール(アントニオ・バンデラス)は、夜の街角で駐車中の車を破壊してい高校生を見かける。
その高校生はロックという名で、通っている高校でも札付きの不良だった。
ピエールはロックの通っている高校に出向いて高校生に社交ダンスを教えたい、と申し出る。
ピエールの真意を量りかねた校長だったが、誰も面倒を見たがらない不良ばかり集めた「居残りクラス」をピエールに押し付けることにする。

実話に基づいた映画だそうです。
前に観た「ステップ!ステップ!ステップ!」も、ニューヨークの小学生が、学校のダンスの授業を通して成長していく話でした。
ピエールが始めた社交ダンスのレッスンが評判を呼んで、NYの多くの学校で社交ダンスを授業に取り入れるようになったとういことらしいので
「ステップ!ステップ!ステップ!」は、この「レッスン!」のその後の話だったのかもしれませんね。

ピエールが社交ダンスを教えるようになった高校は、地域の中でも学力が低く低所得の家庭の子供が多く通ってる学校でした。
貧しさは親から子供へと引き継がれ、よほど運が良くなければこの境遇からは出られないということが
子供達にも分かっていました。

夢を見るのをあきらめ
なんとかその日を凌いでいるような若者には
自分を大切にすることも、人を大切にすることも思いつきもしません。
誰も、そんなことは教えてくれなかったから。

ピエールが教えようとしたのは、ダンスの技術じゃなく
自分を、そして人を大切にする、ということだったのです。

ダンスの授業に反対するPTA役員の前で
ピエールは、そっと校長(女性)の手を取ります。
そして、こう、話すのです。

こうして歩き出してダンスは始まります。
校長は、私を信じて私にリードを任せます。
でも、校長は、私よりも自分を信じている。

もし、16歳の娘さんが、自分を信じていたら
ばかな男に身を任せるようなことをしますか?

もし、息子さんが女性を丁寧に優しく扱うことを知っていたら
人に暴力を振るうことが出来ると思いますか?

人と人との関係は鏡にたとえられる事がありますけど
それは本当なのかもしれないですね。
苦手な相手にイヤな態度を取れば、相手だってそれとなく察してとげとげしくなります。
ピエールは、最初はピエールを馬鹿にしていた高校生達にも
丁寧に誠実に接して
いつの間にか社交ダンスの魅力だけじゃなく
心の壁を取り払うことも教えてしまうのです。

オチは読めるのだけど(笑)
だからこそ安心して楽しめる、そんな映画でした。
濃ゆいイメージのアントニオ・バンデラスなのですが、なんかとっても今回はソフトでした。
ダンスもとっても素晴しい。
いつもながら思うのは、体の中に組み込まれてるリズム感とか
そういうものが違うんだろうなーというような動きでした。(ほれぼれ)

信念は秘密兵器。
ワタシもそう思います。
人は「見ている方向」に進むものだから、
どんなに凹んだ時でも
明るいほうを向いてれば、ちゃんとまた歩き出せる、と信じてます。






恋愛睡眠のすすめ

2007-05-10 | 洋画【ら】行

ステファン(ガエル・ガルシア・ベルナル)はフランスに住む母の元に引っ越してきた。
メキシコで一緒に暮らしていた父が亡くなったから。
ステファンは絵を描いている。
でも母の紹介で就職した会社では、ステファンの絵を誰も理解しない。
フランスに来て早々にステファンは凹んじゃう。
なんにもいいことがないから。
そんなある日、隣の部屋に引っ越してきたステファニー(シャルロット・ゲンズブール)にステファンは恋をしてしまう。

ステファンは子供用の小さなベッドで眠っている。
昔、子供の頃、まだ家族が一緒に暮らしていたときのままの子供部屋で
大人になったステファンが足をベッドからはみ出させながら眠る。

ステファンは夢を見る。
ステファンの希望や夢に現実の苦いエッセンスを加えたような夢だ。


目覚めた時に、今まで見ていたらしい夢の断片を覚えていることがある。
それは突拍子もない夢のことが多いのだけど、
よく考えてみると、微妙に現実のことが混じっているのだ。
ステファンの見る夢が
なんだかとても、自分が夢を見て目覚めた時に覚えていたものと微妙に重なるのだ。
同じような夢を見たわけじゃないけど


ダンボールのテレビカメラ。
ダンボールの車。
セロファンの水。
ステファンの夢の中の小道具はとってもチープな作りだ。
でもそのチープさは貧乏くさいってことじゃなくて
幼稚園の子供達が一生懸命考えて、大人の手も借りて
大騒ぎして作ったような、あったかなチープさなのだ。

夢と現実が交差して不思議な感覚になる。
リアルじゃないはずなのに、時にすごくリアル。
あ~。。。ここでもまた自分の言葉が足りない。。。
説明できないから、気になる人は映画館へどうぞ。(投げやり/笑)

ステファン役のガエル・ガルシア・ベルナルは
今回は、いつもの危険でセクシーな顔を隠してる。
カラフルな編みこみの帽子や
着ぐるみ姿や



可愛い耳あての似合うこと
「変態」って言われてベッドにつっぷして泣いてみたり
「ママ」って語尾をあげる話し方とか
やたらと可愛くていじらしいのだ。

でも、それはガエルが演じたから、だと思うよ。
ガエルじゃなかったらただの変態男だし
ガエルだからこそ、変態になる一歩手前でとどまってるような。。
まぁ、これはこれでいつものガエルとは違う方向に「危ない」んだけど。
結局、ガエルは、どこにどう転んでも「危ない」のだわ。(結論)

わかったような
わからないような
でも、それでいいような
不思議な不思議なステファンの物語でした。




 


ラブソングができるまで

2007-04-25 | 洋画【ら】行


アレックス( ヒュー・グラント)は80年代に一世を風靡したポップスターだった。
しかしそれは遠い日の栄光。
今は往年のギャル達相手のしょぼい営業で食いつなぐ日々だ。
そんなアレックスに返り咲きのチャンスがやってきた。
人気歌手のコーラから新曲を依頼されたのだ。
とはいえ、長年の営業で作曲は久しぶり。
おまけにアレックスには作詞のセンスが全くない。
困り果てていたアレックスは、バイトで植木に水をやりにきていたソフィー(ドリュー・バリモア)に
作詞の才能があることを発見する。

ヒューの魅力が全開。
軽快なテンポで物語は進んでいく。
もう~~!!
とにかく・もう~~ ヒュー♪ヒュー♪ヒュー♪

ヘタレで(笑)
いいかげんで
プレイボーイで
それでもどこか憎めなくて
こんな役をやらせたらヒューの右に出るものはいない(笑)
いつも思うのだけど、ヒューはもう一生このままで、この線で行って欲しいと強く思う。

80年代、どんな歌が流行ったのかとっさに思い浮かばないのだが
そう、この80年代って時代はポップスが不毛の時代だったそうな。(なにかで読んだ記憶が)
それでもヒューが演じるアレックスの妙な腰振りダンスと
スカッと突き抜けたような脳天気な歌と
微妙な衣装が、80年代の空気を感じさせてくれる。

そしてアレックスは時代が変わった今も、その過去に生きている。
ソフィーもまたつらい過去の恋に縛られたまま生きている。
そんな二人が出会って
二人でラブソングを作るのだから、
これはもう「恋」が生まれないはずがない。

だから観客は安心して
ヒューの魅力に酔うことができる。

踊りと笑いと、そしてほろりとさせられちゃう歌と
ソフィー役のキュートなドリューも
脇で光ったコーラとソフィーの姉も
隅々まで楽しむことができる。

ここまで楽しませてもらって
エンドロールまで楽しませてくれるとは
すごい大サービス、なのでした。








 


ラストキング・オブ・スコットランド

2007-03-15 | 洋画【ら】行

1971年、ウガンダ。
クーデターを経てアミン将軍(フォレスト・ウィテカー)が大統領に就任した。
彼のカリスマ性に国民は熱狂するが、権力を手にした男は次第に猜疑心と人間不信にとらわれてしまう。

ウガンダにアミン大統領が誕生しようとしたその時期に
スコットランドの青年ニコラス・ギャリガン(ジェームス・マカヴォイ)はウガンダに医師として派遣される。
ウガンダにやってきたのは、ほんの偶然。
ただ厳格な家庭で親の望みどおりの道を歩いている自分が息苦しくなったからなのだ。

そんなニコラスが偶然にアミン大統領の怪我の手当てをしたことで
大統領の主治医に取り立てられ、政治的な顧問の役割まで果たすことになる。

国民の熱狂的な支持を受けた大統領は
その権力が頂点に達すると何度も暗殺されそうになる。
そしてそのたびに人間不信に陥り、猜疑心の塊になっていく。
小さな疑いが芽生えたら忠実な側近すら殺し、
最後には30万というウガンダの国民まで虐殺してしまう。

物語はいつもニコラスの目線で描かれる。
ヒーローでもない、
どちらかいうと小心者で、小賢しくて、若さゆえの無謀さも持っている青年。
そんな青年が大統領の顧問として何不自由ない暮らしをしていたのだから
30万もの人間が同じ国で殺されているなどとは知るすべもない。
しかし、かつてのカリスマが人間不信に陥り
その猜疑心と冷酷さ残虐さが自分に向けられたとき、
彼は権力の恐ろしさと、それを手に入れたものが陥る地獄を垣間見るのだ。

いかにも軽薄なニコラスに本来なら同情する余地はないのだが
アミン大統領の非情さに、ついニコラスに同情してしまう私がいる。
それでもアミンが大統領になった頃は
国民の信頼を集め、異邦人であるニコラスでさえも心酔させた人物なのだ。
かなり魅力のある人物であったのも確かなことなのだ。

祖国を発展させよう、平和で自由な国にしよう、その志の軸がどこでどうずれてしまったのか。
それとも、冷酷で残虐なのが彼の本来の姿なのか。
権力を持つということが人格までも変えてしまったのか。

圧倒的な個性の持ち主であるアミンの姿に
凡人である私は、ニコラスと同様にただ戸惑い、逃げ惑い、呆然とするしかなかった。





ラッキーナンバー7

2007-01-18 | 洋画【ら】行

失業してアパートに帰ってみればアパートはシロアリ被害で取り壊しが決定。
恋人の部屋に行ってみたら恋人は浮気の真っ最中。
なにかと不運な青年スレヴン(ジョシュ・ハートネット)は友人を頼ってNYにやってきた。
NYに到着早々、強盗に殴られ、友人の家に着いてみれば友人は姿を消している。
スレヴンの不運はまだ続く。
友人と間違われ敵対する2つの大物マフィア、ボス(モーガン・フリーマン)とラビ(ベン・キングスレー)に拉致され、身に覚えのない借金の返済をせまられる。
そのうえ、殺人事件を追いかけるNY市警にも嫌疑をかけられ、スレヴンはどんどん追い込まれていく。

昨日の映画始めは予定外で2本観ることになってしまいました。
たまっていたポイントの期限ギリギリだったので、ポイントで「リトル・ミス・サンシャイン」を観ようと思って行ったんです。
ところがどうやらポイントカードを忘れて来たらしい。。。
うわ~ん、バカバカ~。。と思いながらチケット買ってから、ポイントカードを発見しました
こうなったらもう1本観るしかないでしょ。
期限はギリギリだし(爆)
何の予備知識もなく、ただ出演者があまりにも豪華だったので選んでしまいました。

物語はいくつもの出来事が目まぐるしく起こります。
どこがどう繋がっているのか、気を抜くと眠気が襲ったりもします。
気をつけて観ていれば、最後に解き明かされる謎の伏線として後になってちゃんと生きてくるような仕掛けられ方です。

ただ。。。。こういう謎解き的な映画ってどうも苦手なので、あの「シークレットウインドウ」ですら最後まで全然気が付かなかった私が、
どうしたことか今回は中盤で読めてしまいました。
ジョシュ演じるスレヴンの、とんでもない犯罪に巻き込まれてるのに妙に飄々とした態度と、
冒頭に出てくるこの物語の鍵になる出来事の男の子の顔が、結末を想像させてしまったのです。

クライム・サスペンスが苦手な人でも楽しめる映画だと思います。
ジョシュと恋に落ちる役がルーシー・リューで、たぶんかなり年齢的には開きがあるのに
ジョシュと違和感なく可愛らしく見えました。
アジア系ってやっぱり若く見えるのかもしれません。
この役がバリバリの金髪美人だったりしたら、ちょっと興ざめだったかもしれません。

謎解きよりも、前半はジョシュのバスタオル姿に目が釘付けになり(笑)
いいお年玉だったかなー、なんて思いました。
ジョシュって今までノーチェックだったんですけど、
これからはチェックが必要かもしれません。








リトル・ミス・サンシャイン

2007-01-17 | 洋画【ら】行

アリゾナに住むちょっと太目の女の子オリーブ(アビゲイル・ブレスリン)の夢は美少女コンテストで優勝すること。
麻薬常習者でエッチなおじいちゃんの指導の下、ミスコン出場を夢見てダンスの練習に励む日々だ。
そんな時、オリーブがカリフォルニアのミスコンに繰り上げ出場することになった。
さあ大変。家にはお金がないから飛行機に乗れない。
自殺願望の強い伯父が転がり込んできたばかりだし、兄はもう長いこと家族と口もきかない。
心配で留守番させることも出来ない。
こうなったら家族全員でカリフォルニアまで大移動。
バラバラの家族はワーゲンのミニバスに乗り込んでミスコン会場を目指すことにする。

人生は勝ち組と負け組。
「勝ち組になるための9段階のシステム」を出版するために奔走する父親(グレック・ギニア)は、典型的な負け組。
家族にもことあるごとに「負け組にはなるな!」と大演説するのですが、そんなこと言ってる本人が一番の負け組なんだから、家族はみんな冷たい目で見ています。
お兄ちゃんはそんな家族が大キライだし、空軍のテストパイロットになる夢が叶うまで口をきかないことに決めています。
ニーチェにかぶれてるらしいんですけど、ニーチェって無言で過ごした人なのでしょうか。
そのあたりは良く分かりません。
おじいちゃんは老人ホームを追い出されるほどの不良老人だし、
そこにホモで失恋が元で自殺未遂をした伯父さん(スティーブ・カレル)まで転がり込んできます。
かなり個性的な家族の中で、おかあさん(トニ・コレット)と娘のオリーブだけがまともです。

見事にバラバラな家族が、これまたおんぼろのミニバスで旅に出ます。
信じられないほどのおんぼろバスで、まともにスタートも出来ません。
クラッチが壊れているので皆で車を押して、車がなんとか走り出したところで一人づつ車に飛び乗るのです。
これがとってもこの家族の姿を表しています。

子供のミスコンなんて、大人にしてみればどうでも良さそうなオリーブの夢を叶えるためにバラバラな家族がだんだん力を合わせはじめるのです。
そして皮肉なことにオリーブの夢に近づけば近づくほど
お父さんの夢もお兄ちゃんの夢も無残に消えてしまいます。
伯父さんの希望もおじいちゃんの命さえも。。。。

かなり悪趣味なミスコンをぶっ壊して車に乗り込むフーヴァー家の人々は、とっても吹っ切れた顔をしていました。
ミスコンに来る道ではミニバスに乗り込むときに引っ張りあげてもらったオリーブも
帰りは自力で飛び乗ってました。
ミスコンで優勝できなかったけど、ちゃんとオリーブも成長してたんだね。

「負け組とは負けることを恐れて挑戦しない者のことを言うんだ。」
不良じいさんもいいことを言います。
バラバラな家族がミニバスに乗り込んだことが、フーヴァー家の挑戦の始まりだったのかもしれません。

今年初めての映画鑑賞。
とってもあったかい気持ちになりました。
唯一の気がかりは「不良じいちゃんのその後」です。
どう考えても、あれで済むはずはないんですけどねー。








レオン

2006-01-29 | 洋画【ら】行
                    

NYの凄腕の殺し屋レオン(ジャン・レノ)は一鉢の観葉植物とひっそり街の片隅で暮らしている。
レオンが暮らすアパートの隣の一家がヤク中の麻薬捜査スタンフィールド(ゲイリー・オールドマン)の一味に惨殺された。
運よく難を逃れた隣家の娘、マチルダ(ナタリー・ポートマン)がレオンの部屋に逃げ込んでくる。
レオンが殺し屋だと知ったマチルダは、殺された家族の敵を討つためにレオンの元で殺し屋になろうとする。
初めは拒んだレオンだったがマチルダに押し切られ、二人の奇妙な共同生活が始まる。



基本的に痛い映画や戦争映画は苦手なんだけど「レオン」は特別。
バンバン人は撃たれるし、ばたばた死んでしまうし確かに辛いんだけど、時々観たくなる。

レオン(ジャン・レノ)は大人なんだけど、若い時の傷を引きずって大人になりきれないで苦しんでいる。
マチルダ(ナタリー・ポートマン)はまだ12歳。でもすでに心は大人で、まだ子供っぽさを残した外見とのギャップを持て余してる。
そんな自分に戸惑ってる二人が惹かれあっていく様子がとても私の心に痛いのだ。
痛くてたまらないから、今日みたいな晴れたうららかな午後にふと観たくなってしまう。
夜は駄目だ。観れない。
きっと痛さを引きずって眠れなくなってしまう。

「君は俺に生きる希望を与えてくれた」
これは最高の愛の告白ではないのか。
マチルダを無理やり逃がすシーンは、二人の年齢差を忘れてしまうラブシーンだと思う。
そして全てが終わった後、マチルダの。。と言うか女の持ってる強さをひしひしと感じる。
レオンが残した鉢植えを大地に植えるマチルダ。
あれほど愛したレオンのことは、もう思い出になろうとしているように見える。
12歳の女の子が遭遇するにはあまりにも過酷な出来事も、すでに彼女の中では過去のものなのだ。
私が感じる痛みは、たぶんレオンに対するものなんじゃないかと思う。
マチルダはきっとこの先も強く生きていけそうな気がする。
いつでもどこでも、たぶん女は強いのだ。

舞台はNYではあるけど、ヨーロッパを感じさせる雰囲気。
ジャン・レノの渋さと哀しさ、時折見せる可愛らしさ。
ナタリー・ポートマン!13歳とは思えない演技力。美しさ、色っぽさ。
ゲイリー・オールドマンのイカれた麻薬捜査官はかなり怖い。

怖いけど観たい。痛いけど観たい。そんな映画です。
















ラブ・アクチュアリー マークとジュリエットの巻

2005-11-24 | 洋画【ら】行
マーク(アンドリュー・リンカーン)には,誰にも言えない秘密がある。
親友のピーター(キウェテル・イジョフォー)と結婚したばかりのジュリエット(キーラ・ナイトレイ)に恋してるのだ。
絶対知られてはいけない自分の気持ち。
自分の気持ちを抑えるため,ジュリエットにはそっけない態度をとってしまう。
そんなマークの想いを知らないジュリエットは,何とかマークと仲良くなろうと,結婚式のビデオを見せてもらうのを口実に,突然マークの家を訪問する。
ほとんど強引に見たビデオに映ってるのは,ジュリエットの姿ばかり。
マークの自分への思いに気がつくジュリエット。
いたたまれないマークは家を飛び出してしまう。

ジュリエットとピーターの結婚式。
ジュリエット(キーラ・ナイトレイ)が,とにかく綺麗

永遠の愛を誓い合って退場しようとする二人に,思いがけない贈り物。
参列した仲間たちが突然奏でるのが,ビートルズの「愛こそすべて」
歌っているのはリンデン・デヴィッド・ホール。
このシーンはほとんど映画のはじめに出てくるのだが,私はこれでもうこの映画にはまってしまった。
文句なしに素敵な結婚式。
そんな素敵なサプライズを準備したマークってなんていい男なんだ!!
辛いよね。自分の好きな人が親友と結婚するなんて。

自分の気持ちがジュリエットに知られた時に流れるのが,ダイドの「ヒア・ウィズ・ミー」。
ノリのいい「ジャンプ」で始まるサントラも,4曲目にこの曲が流れると
一気にマークが家を飛び出すせつないシーンがよみがえって,胸が痛くなる。
この曲のせつなさが私をマークへ肩入れさせてしまう。

だって,どう見てもジュリエットの夫,ピーターよりマークのほうがいい男。
見た目がってことじゃなく,態度も含めて。
マークが自分の気持ちに区切りをつけるため,クリスマスに聖歌隊を装って二人の家を訪れる。
二階の部屋で「聖歌隊?1ポンドやっとけよ~」ってすごく嫌な感じ。
まあ,こんなものぐさなピーターのおかげで,ジュリエットに自分の想いをぶちまけられたんだけどね。
しつこいようだけど,絶対私はマークのほうがいい!
ジュリエット,ほんとのところどうなの?




ラブ・アクチュアリー  ダニエルとサムの巻

2005-11-20 | 洋画【ら】行
ダニエル(リーアム・ニーソン)は最愛の妻を亡くして悲しみのどん底にいる。
そんなダニエルにはもうひとつ,心を痛めていることがある。
息子のサム(トーマス・サングスター)が口をきかなくなったのだ。
母親の死にショックを受けているのか。学校でいじめられてるのか。
ステップダッドである自分に自信がもてなくなってしまったダニエル。
ある日思い切ってサムに尋ねてみた。「悩み事でもあるのかい?」
サムの悩みは片思いだった。
学校一の人気者のジョアンナ(オリヴィア・オルソン)に恋してしまったのだ。
サムの恋を応援することを約束するダニエル。
サムの恋を成就させるために,二人の涙ぐましい努力が始まった。

ダニエルがサムの悩みを聞きだそうとするシーンは,色合いがとっても気に入っている。
ダニエルのマフラーのグレイがかったブルーと,サムのインナーの濃い青がすごくきれいで冬の空気の凛とした感じが伝わってくる。
男の人って年をとるにつれて,きれいな色を身につけなくなるけどマフラーとか小物をちょっと明るくするだけで,雰囲気が変わるんじゃないかなぁ。

ちょっとこの画像はグレイが強く出てるけど,実際はもっとブルーが強い。
登場人物の着てるものやインテリアを見るのも映画の楽しみのひとつ。

サムが恋するジョアンナは学校の歌姫。
クリスマスのコンサートで歌うのが「恋人たちのクリスマス」。
試写のときにビヨンセ!の歌を口パクしてるんじゃないかと思われたそうで,
彼女が歌うシーンは,ブレスを少し強く出したりして粗く加工してるそうだ。
それにしてもこの歌声は12歳の女の子とは思えない。
神様からのプレゼントだと思う。

それからサントラには入ってないけど,サムの母,ダニエルの妻の葬儀の時流れるのが,
ベイ・シティ・ローラーズの「バイバイ・ベイビー」。
故人の好きだった歌をお別れのときに流すって・・・いいですね。
明るいポップな感じの曲なんだけど,亡くなった人の笑顔の写真が画面に映るのでものすごく哀しく聴こえてしまった。
音楽と記憶というのは密接につながることが多いので,お葬式に出た人たちはきっとこの曲をどこかで耳にした時,彼女のことを思い出すのだと思う。
私の時もこんなふうにしたい。
今から考えておかなきゃ。

ベイ・シティ・ローラーズが流れた瞬間,私の記憶の引き出しが開いた。
高校生の頃,ものすごいベイ・シティ・ローラーズのファンの子がいた。
確かエリックのファンだったタラコちゃん。。。
持ち物何でもチェックだったよね。
今もエリックのこと好きかなぁ。。。